日経ビジネスの特集記事 69
円安、経済安保で日本回帰 敗れざる工場 2023.02.13 3/3
<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>
CONTENTS
PART 1 日の丸半導体、復権ののろし 盛り上がる国内投資経済安保が背中押す
COLUMN 人材不足、細る物流、ハードルは多い
PART 2 九州シリコンアイランドで占う未来 TSMC特需に沸く熊本 経済効果は4兆円
PART 3 海外生産に勝つ国内強化策 令和版ものづくり改革 強み伸ばす3つの策
PART 4 ファナックに学ぶ国産哲学 「完全無人化」真の狙い ぶらすな技術信仰
第3回は
PART 3 海外生産に勝つ国内強化策 令和版ものづくり改革 強み伸ばす3つの策
PART 4 ファナックに学ぶ国産哲学 「完全無人化」真の狙い ぶらすな技術信仰
を取り上げます。
工場という「箱」を国内移転するだけで、海外生産に勝てるわけではない。既存の研究所や供給網、人材などを生かす戦略の練り直しは必須だ。
PART 3 海外生産に勝つ国内強化策 令和版ものづくり改革 強み伸ばす3つの策
知のシナジー効果、開発力強化
日本は昔から「ものづくり」に力点を置き、自信を深めてきました。
ところが、科学技術の発達で、新興国にも追いつかれつつあるのが現状です。
むろん、細部にわたる技術力はまだ日本のほうが一日の長がありますが、人間に代わるロボット技術の導入によって、今まで出来なかったことが実現するようになってきていることは、日本は尻に火がついてきたという認識をした方が良いかもしれません。
設備投資を先行してやっていけるかどうかがカギを握ります。
クボタのケース
クボタはこれから将来に向けて、何をしようとしてるのかその一部を見てみることにしましょう。
巨大研究所のどこに開設するかという大変重要なテーマがありました。
その条件とは____。
クボタがグローバル技術研究所を開設するに至ったのは、「同社は、売上高に占める海外比率が7割を超える。海外での生産、研究は今後も強化していく姿勢だ」(p. 025)という基本方針があったからです。
(*木村氏=木村浩人・取締役専務執行役員)
具体的にどのような研究開発に取り組むのか?
日機装のケース
新分野の開発へ
クボタと日機装に共通するのは、攻めの経営に徹することです。
改善や提案、異次元のスピードに
SUBARU(スバル)のケース
SUBARUの以前の社名は富士重工業(富士重工)でした。日本の自動車メーカーとして特異な存在でした。水平対向エンジンという国内の他の自動車メーカーはどこもやっていないエンジン技術を持っています。水平対向エンジンは世界でもSUBARUとポルシェしかありません。
★水平対向4気筒エンジンの魅力_2メーカーのこだわりポイント ボクサーエンジン・フラット4 [ポルシェ Porsche][スバル Subaru]FLAT4 ボクサー
現在、SUBARUは水平対向エンジン車とEVを生産していて、主要生産拠点は海外です。
SUBARUの拠点
https://www.subaru.co.jp/ir/library/pdf/ar/ar_2017j_03.pdf
システムの「可視化」
不正発覚を機に「品質改革」を重点施策に
平田機工のケース
「メタバース上で工場内の設備が組み上がる」という話は初めて聞きました。メタバースが生産現場で実用化されるのはまだ先のことと認識していたからです。
このシステムのメリットは「画像や映像は海外にいる顧客と共有できる」ことです。さらにスピードを加速できることです。変更にもすぐに対応できます。
同じ屋根の下「究極の連携生産」
SMCのケース
事業継続計画(BCP=Business Continuity Planning or Business Continuity Plan)とは?
20社が入る「合体工場」
ど
うしてここまでやる必要があるのでしょうか?
それはSMCの空気圧機器のメリットを最大限に活用するためでした。
*丸山氏=経営管理担当の丸山進取締役
お互いにメリットがある
生産拠点を国内回帰する企業が増えてきている現状と逆行する方針を貫く。
生産拠点を海外で増強
地政学(Geopolitics)リスク管理の観点から「安全保障上の懸念が少ない国や地域にサプライチェーンを広げていく『フレンドショアリング』の意味合いも持つ」ということでしょう。
地政学
フレンドショアリング
東京エレクトロンのケース
増産で分散納入の新手法
東京エレクトロンは日本を代表する半導体製造装置メーカーです。九州の熊本に子会社の東京エレクトロン九州があります。
熊本と言えば、台湾のTSMCがソニー、デンソーと共同で半導体工場を建設中で、日本中から注目されている地域です。大学生の初任給はほかの地域と比べ10万円近く高いとか。熊本には高賃金を求めて、働きたい人たちが集まっています。
PART 4 ファナックに学ぶ国産哲学 「完全無人化」真の狙い ぶらすな技術信仰
日経ビジネスは、「『メード・イン・ジャパン』復権へとつなげる条件をファナックの工場にその答えを見た」と記しています。
ファナックは「工作機械用のコンピューター数値制御(CNC)装置と、産業用ロボットの世界最大手」(p. 030)です。
ファナックの本社工場は富士山の麓にあります。何でよりによってと思いますよね? 広大な土地を活用できるメリットがあります。不安があるとすれば富士山の噴火でしょうか?
ファナックは元は富士通ファナックという会社でした。つまり、富士通の子会社でした。1972年に独立しました。
ファナック創業者・稲葉清右衛門が80年代に熱く語った産業用ロボットの未来
本誌に戻ります。
ファナックは国内生産
ファナックは国内生産を自ら実践しています。
磨き上げる
徹底ぶり
ファナックの自社製品に対する徹底ぶりを知ると、顧客からの信頼を持続するために、とことん追求する姿勢に圧倒されます。
低価格で勝負しない
*小坂氏:製造統括本部長、小坂哲也専務執行役員
本物は高価ということが分かります。安物買いの銭失いでは顧客に迷惑をかけるという考え方が浸透しているからです。
「ファブノミクス」経済の幕開け
日経ビジネスは、この特集記事の最後で次のように記しています。
MADE IN JAPAN
⭐参考データ ファナック 2024年3月期 第1四半期決算短信(2023/07/28)
financialresult202306.pdf (fanuc.co.jp)
🔷編集後記
今回の特集は、「Made in Japan」は復活するのかという課題とも密接に関係していると考えています。日本発の製品が再び海外に行き渡るのかというテーマでもあります。
企業の力、その源泉である個人の力を結集し、「これこそ日本製品だ!」という強い思いを取り戻したいと強く感じました。
TSMCの熊本進出が、地元熊本だけでなく、九州全体、周辺地域、さらに日本全体に好影響を与えることができるかどうか、しばらくの間、私たちは注視していきましょう。
日本の半導体産業が復活するかどうかという重要な課題でもあります。
今回はファナックに関する記事の内容に圧倒されました。
ファナックは自社製品に対する絶対的自信を堅牢にするために、全社で日夜励んでいることが伝わってきました。ロボットによる自動化だけではありません。
働いている人たちの高い目標意識と揺るぎない自信、その2つがファナックを支えているのだな、と感じました。
ここまで徹底しているからこそ、顧客からの信頼が揺らぐことはないと確信しました。
海外情報を入手しようとすると、英語力が必須であったり、膨大な情報がクラウドサービスを利用すれば手に入りますが、それでも非公開情報はいくらでもあります。そうすると文献に当たることが必要になります。
日本の国立国会図書館のウェブサイトや米国の議会図書館のウェブサイトに当たってみるのも良いかもしれません。
もちろん、ロイターやブルームバーグなどの報道機関の日本版(PCやアプリ)がありますから、これらを利活用すればある程度の情報を収集することは可能です。これらのLINEアプリもありますので、情報を収集することはできます。
あるいは『日経ビジネス』や『東洋経済』、『ダイヤモンド』、『プレジデント』などの雑誌やウェブ版から情報収集することもできます。これらの雑誌やウェブ版の購読をお勧めします。
あとは自分で、関心のあることに絞って検索したり、ChatGPTやBardに質問してみて、知見を広めるのが良いでしょう。
ロイター
ブルームバーグ
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