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大前研一 名言集 『質問する力』(5)

『質問する力』(5)

 『質問する力』(初版 2003年3月1日 文藝春秋)は、<人生をより良く生きるための武器である「質問する力」>を多数の具体例を挙げて詳述した本です。

 今でこそ「質問力」をテーマにする本はかなりありますが、19年前に出版された本書はこのテーマの最初の本と言えるかもしれません。

 

社会的役割を放棄し、集めた預金で国債を買っているだけなのだったら、存在する必要はありません


金融機関というのは集めた資金を投資するのが仕事です。貸出先をプロの目で選んで運用し、必要な起業に資金を提供するところに存在意義があるのに、そうした社会的役割を放棄し、集めた預金で国債を買っているだけなのだったら、存在する必要はありません

『質問する力』 大前研一の名言 1 〈169〉


近代国家の尺度として、自分の住んでいる家から何キロ行ったら高速道路に到達するかということが1つの指標


近代国家の尺度として、自分の住んでいる家から何キロ行ったら高速道路に到達するかということが1つの指標とされています。

『質問する力』 大前研一の名言 2 〈170〉


道州制では、全国を人口1千万人ぐらいの11のブロックに分けて、そこでほとんどの政策を各個自由に決定するようにする


道州制では、全国を人口1千万人ぐらいの11のブロックに分けて、そこでほとんどの政策を各個自由に決定するようにするのです。

『質問する力』 大前研一の名言 3 〈171〉



➳ 編集後記

『質問する力』(初版 2003年3月1日 文藝春秋)は、<人生をより良く生きるための武器である「質問する力」>を多数の具体例を挙げて詳述した本です。

🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。

あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。

まず、やってみるという姿勢が大切です。

大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。

➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。

🔷 本書が出版された2003年時点で、「道州制」について初めて言及したのは大前氏です。ただこの名称だけを取り上げたのではなく、具体的な内容にまで落とし込んで提示したのは大前氏しかいません。

当時、大前氏は与野党の議員から「道州制」についての説明を請われました。その後、「道州制」は流行語となり、メディアで取り上げられ一時的に盛り上がりを見せましたが、結局、今日に至るまで実現していません。

その理由は与野党で考え方の対立が存在し、統一見解を求めた議論がなされなかったからです。


大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。
それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。
その本が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。







🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。



大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は14年前にFC2ブログで書きました(2008-02-27 11:20 by 藤巻 隆)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。


✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。

現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。    (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。

大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。










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