見出し画像

【回想録 由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い 第47回】

🔷 「入院」の中の「『がん』が憎い!」の後半を掲載します。🔷

 『由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い』
(ハードカバー 四六版 モノクロ264ページ)
2016年1月25日 発行
著者   藤巻 隆
発行所  ブイツーソリューション

 ✍『由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い』(第47回)✍

「入院」の中の「『がん』が憎い!」の後半を掲載します。

入院

「がん」が憎い 後半

ビタミンCを使った療法

 この他にも「ビタミンC大量点滴療法」「ビタミンCのサプリメントを大量摂取する療法」もあります。ビタミンCは副作用が少なく、「がん細胞だけを選択的に殺す」(『ビタミンCはガンに効く』澤登雅一 ディスカヴァー・トゥエンティワン 二〇〇八年十月十五日 第一刷)ことや、「ビタミンCの大量摂取ががんに効く」(『ビタミンCの大量摂取がカゼを防ぎ、がんに効く』)生田哲 講談社 二〇一〇年四月二十日 第一刷発行 二〇十五年七月一日 第五刷発行)ことが認められています。

 ただし、保険の適用外のため、点滴療法では一回で二万円~三万円かかるそうです。サプリメントの場合、大量摂取(一日に三グラム以上)しても一カ月あたり一〇〇〇円未満です。

手遅れ

 さて、問題は由美子の場合です。非常に残念なことでしたが、抗がん剤も放射線治療も外科手術もできない状態でした。「手遅れ」(主治医の言葉)だったのです。「たら」、「れば」はあまり言いたくありませんが、四年前に精密検査を受けていたら、治療を受けていれば、違った結果になっていたかもしれません。非常に残念でなりません。

 がんが憎い! 「覆水盆に返らず」ということです。

もしも・・・

 「もしも」という仮定で話をすることは意味のないことかもしれませんが、もしも、四年前に右乳房にしこりがあることに気づいた時点で、治療に専念していたらと考えると、とても悔やまれます。

 由美子は心遣いのできる女性でしたから、私や可奈に過大な心配をかけまいとして黙っていたのかもしれません。あるいは、乳がんを宣告されることが怖かったのかもしれません。いくら推測したところで、今となっては、真意は分かりません。

 「がんが憎い!」としか言えません。

(PP.108-109)



➳ 編集後記

第47回は「入院」の中の「『がん』が憎い!」の後半を書きました。

主治医は「転院も選択できます」と病室内で由美子と私に向かって言いました。「がんセンターや戸塚共立第1病院他があります」と続けました。

私は「本人の意思を尊重します。本人の選択に従います」と医師と由美子の顔を交互に見ながら言いました。

そして、最後に由美子は「こちらの病院でお願いします」と覚悟したのか、はっきりした声で医師と私に伝えました。

この選択が果たして正しかったのかは、今でも断言できません。



サポートしていただけると嬉しいです。 サポートしていただいたお金は、投稿のための資料購入代金に充てさせていただきます。