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堀 紘一 名言集 『リーダーシップの本質』(4)

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』(4)


 『リーダーシップの本質』(初版 2003年6月26日 ダイヤモンド社)は、堀 紘一氏が満を持して上梓した優れたビジネス書です。

 略歴は著者紹介に譲るとして、堀 紘一氏はボストンコンサルティンググループ日本法人代表、ドリームインキュベータ創業者となり東京証券取引所に上場させた、単なる経営コンサルタントではありません。

 優れたビジネス書を数多く執筆しています。


組織を動かしていくためにしなければならないことが五つある。
「ビジョン」を示すこと、「戦略」、「組織」、「人事」、「カルチャー」
少なくともリーダーはそのすべてに影響を与える存在であり、その中心にいてもっとも大きな役割を果たさねばならない

 
 リーダーの果たすべき役割とは何だろうか。
 組織を動かしていくためにしなければならないことが五つある。
 まず「ビジョン」を示すことである。その組織によって何を実現しようとしているのか、何を具現化したいのか。何かをする、ということだけでなく、それをすることによってどういう結果を期待しているのか。それがビジョンである。
 二番目は「戦略」である。ビジョンに近付くため、だからこうしようというやり方である。ビジョンが何をするか、WHATだとすれば、こちらはHOW、いかにビジョンを実現していくかということだ。
 次に、それではビジョンを実現するための戦略を、どういう体制で実行していくのかということ、つまり「組織」である。
 四番目に必要なのは「人事」である。組織体制の中で、誰がどういう部分を受け持つのかということで、これはWHOである。
 そして最後に、もう一つ全体を規定するのが「カルチャー」である。
 (中略)
 この五つの要件は、リーダーだけが一人で行うことではないが、少なくともリーダーはそのすべてに影響を与える存在であり、その中心にいてもっとも大きな役割を果たさねばならない

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 1 <10>



今の日本には管理職はたくさんいるが、リーダーは不足している

 
 中間管理職が優秀であったことが、この国の真のリーダー不足を補ってきたことは間違いないが、管理職はリーダーに代わることはできない。今の日本には管理職はたくさんいるが、リーダーは不足している。それはリーダーたるべき人が管理職に成り下がってしまっているということでもある。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 2 <11>



管理職は部下が書いてきたものに朱を入れる。修正である。これに対してリーダーは、自ら考え方を示さねばならない

 
 リーダーと管理職のもっとも大きな違いは、管理職が赤ペンを持って仕事をする人なのに対し、リーダーは青ペンを持って仕事をする人という点にある。管理職は部下が書いてきたものに朱を入れる。修正である。これに対してリーダーは、自ら考え方を示さねばならない。青ペンか黒ペンで指針を書き、これから会社が進めることになる計画の基本概念を記すのである。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 3 <12>



✍ 編集後記

🔶  『リーダーシップの本質』は堀氏の経歴に違わない内容の本です。重要な点は「本質」です。すぐに廃れてしまうハウツーものとは根本的に違います。

私たちは新奇さに目を奪われることなく、常に「本質」とは何かに着目する姿勢を貫きたいですね。

勉強は一生続けることが大切です。世の中は常に進歩しているのですから。劇的な変化にも予兆はあります。感度の良いアンテナを張り、見逃し、聞き逃ししないようにしましょう!

何歳でも、何歳からでも勉強はできます。書籍を手許に置いておけば、いつでも何度でも参照することができます。

「この本は良書だ」と思ったらその1冊の本を何度も読み返すことが重要です。

一度読んだくらいですぐに理解できたという著書は、中身は大したことはないと判断するべきでしょう。「韋編三絶」という言葉がありますね。


🔷 堀氏は、リーダーと管理職の大きな違いを面白い比喩で説明しています。

「リーダーと管理職のもっとも大きな違いは、管理職が赤ペンを持って仕事をする人なのに対し、リーダーは青ペンを持って仕事をする人という点にある」

その上で、リーダーは「自ら考え方を示さねばならない」のに対して、管理職は「部下が書いてきたものを修正」するという違いだとする。

とても分かりやすい解説だと思います。

本質を理解しているからこそ的確な説明ができるのですね。
見習いたいことです。


✔ 出典元

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』

2003年6月26日 第1刷発行 ダイヤモンド社



✒ 堀 紘一氏の略歴

ドリームインキュベータ代表取締役社長。

1945年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業。ハーバード大学大学院経営学修士(MBA with High Distinction)。読売新聞、三菱商事、ボストンコンサルティンググループ(BCG)社長を経て、2000年にドリームインキュベータ(DI)創業。

BCG時代には、金融、ハイテク、消費財、Eコマース、中期戦略など数多くの戦略策定及び実行を支援。

『知恵は金なり』『強い会社はこうしてつくれ』『成功する頭の使い方』(PHP研究所)、『人と違うことをやれ!』『どんな「壁」でも突破できる』(三笠書房)、『挑戦! 夢があるからビジネスだ』『脱皮できない蛇は死ぬ』(プレジデント社)、『できることから始めよう!』(ダイヤモンド社)、『ホワイトカラー改造計画』『21世紀の企業システム』(朝日出版社)など著書多数。

(『リーダーシップの本質』の著者紹介から)



✒ 堀 紘一氏の略歴補足

2020年に堀氏はDIの取締役を退任し、DIは電通の傘下となりました。

近況は下記をご覧ください。

「セカンドライフ」を謳歌しているようです。



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