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大前研一 名言集 『質問する力』(4)

『質問する力』(4)

 『質問する力』(初版 2003年3月1日 文藝春秋)は、<人生をより良く生きるための武器である「質問する力」>を多数の具体例を挙げて詳述した本です。

 今でこそ「質問力」をテーマにする本はかなりありますが、19年前に出版された本書はこのテーマの最初の本と言えるかもしれません。

 

政府が不景気を理由に金利を下げ続けてきたため、預金につく金利がほとんどゼロと言う状態がもう何年も続いています


現在の低金利も、不良債権を抱えた銀行やゼネコンを助けるためのものです。
政府が不景気を理由に金利を下げ続けてきたため、預金につく金利がほとんどゼロと言う状態がもう何年も続いています

『質問する力』 大前研一の名言 1 〈166〉


元のお金が預金者のものである以上、それを運用した儲けも預金者のもののはずで、銀行はそこから自分たちのオペレーティングコスト、つまり経費を差し引いた分を預金者に返すべきなのです。それをするのが金融という仕事のはずです


金利というのは本来、預金者のものです。なぜなら銀行は預金者から預かったお金を運用して、利益を得ているのですから。
元のお金が預金者のものである以上、それを運用した儲けも預金者のもののはずで、銀行はそこから自分たちのオペレーティングコスト、つまり経費を差し引いた分を預金者に返すべきなのです。それをするのが金融という仕事のはずです

『質問する力』 大前研一の名言 2 〈167〉


どんな問題もテレビや新聞報道の単純化した図式から一歩つっこんだ質問をして、総合的、客観的な判断を自分の責任のもとでしていくことが必要なのです


どんな問題もテレビや新聞報道の単純化した図式から一歩つっこんだ質問をして、総合的、客観的な判断を自分の責任のもとでしていくことが必要なのです

『質問する力』 大前研一の名言 3 〈168〉



➳ 編集後記

『質問する力』(初版 2003年3月1日 文藝春秋)は、<人生をより良く生きるための武器である「質問する力」>を多数の具体例を挙げて詳述した本です。

🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。

あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。

まず、やってみるという姿勢が大切です。

大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。

➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。

🔷 本書が出版された2003年当時も低金利であったことが分かります。

政府が不景気を理由に金利を下げ続けてきたため、預金につく金利がほとんどゼロと言う状態がもう何年も続いています

19年前の金利水準と現在の金利水準がとても似通っていることに気づきます。調べた結果、正直のところ、大変驚きました。普通預金金利が同じだったということを知ったからです。

但し、メガバンクの預金金利はどこもに頼ったりですが、一定の条件を満たすと、20倍になるネット銀行もあります。その差は何かと言えば「オペレーティングコスト」の差です。

      普通預金金利(%)  定期預金金利(%)
2003年
    0.001         0.053
2004年
    0.001         0.052
2005年
    0.001         0.051
(下記のサイトから引用)


2022年の現在、ほとんどゼロ金利が継続しています。
普通預金金利は0.001%で2003年当時と全く同じです。
下記のサイト(三井住友銀行のケース)でご確認ください。


金利は今後上昇する可能性は高いですが、それは貸付金利が上昇する可能性であり、預金金利が上昇する可能性は低いでしょう。


大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。
それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。
その本が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。







🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。



大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は14年前にFC2ブログで書きました(2008-02-27 11:19 by 藤巻 隆)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。


✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。

現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。    (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。

大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。










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