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堀 紘一 名言集 『リーダーシップの本質』(16)

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』(16)


 『リーダーシップの本質』(初版 2003年6月26日 ダイヤモンド社)は、堀 紘一氏が満を持して上梓した優れたビジネス書です。

 略歴は著者紹介に譲るとして、堀 紘一氏はボストンコンサルティンググループ日本法人代表、ドリームインキュベータ創業者となり東京証券取引所に上場させた、単なる経営コンサルタントではありません。

 優れたビジネス書を数多く執筆しています。


四番目には、これも非常に重要な要素となる、「考えさせる」ということである

 
 四番目には、これも非常に重要な要素となる、「考えさせる」ということである。考えることは、人間だけに与えられた特別な能力である。他の動物たちと比較して、人間がはるかに優れているもの、それは考える力を持っていることである。
(中略)
 踏み込んで考えることができるのが人間である。ところが、こういう優れた能力がありながら、考えようとしない人間が大変多い。これは、非常に憂慮すべき問題である。
 なぜ考えないのか。もちろん原因の一端は、日本の教育にある。学校では多くの場合、子供たちにものを考えさせるよりも、憶えさせることばかりに重点を置いてきた。子供たちは憶えることに精一杯で、自分自身で探求する主体性を身につけてこなかったのだ。
 憶えることは大切かもしれないが、人間は記憶力のゲームをやっているわけではない。考えるゲームをやってこそ人間なのである。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 1 <46>          



人を誉めることはリーダーとしてかけげえのない大切なことなのである
リーダーが人を誉めるとき大事なのは、結果よりもプロセスを誉めることである

 
 人を誉めることはリーダーとしてかけげえのない大切なことなのである。誉めることはむずかしいが、それができなければいいリーダーにはなれない。
 リーダーが人を誉めるとき大事なのは、結果よりもプロセスを誉めることである

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 2 <47>         



「今日我慢すれば明日は必ずよくなる」と前を見据えた語りかけができること、これがリーダーとして必要な六つ目の行動である

 
 協力を願うためには、リーダーは明日を語れなければならない。それも漠然と語るのではなく、具体的な施策を示す必要がある。そうでなければ国民も社員も納得しない。
 人間というものは、たとえ今貧乏暮らしをしていても、一所懸命努力して必ず豊かな人生を実現しようという夢を持つことで、辛い今日を我慢できるものだ。今日よりも明日のほうがよくなる、これを基本にすべての物事を考えたい。一度しかない人生だから、できるだけおもしろおかしく生きていったほうがいい。
(中略)
 生きていく道にはいろいろな我慢が待ち受けている。そんなとき、「今日我慢すれば明日は必ずよくなる」と前を見据えた語りかけができること、これがリーダーとして必要な六つ目の行動である

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 3 <48>         


✔ 出典元

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』
2003年6月26日 第1刷発行 ダイヤモンド社



✍ 編集後記

🔶  『リーダーシップの本質』は堀氏の経歴に違わない内容の本です。重要な点は「本質」です。すぐに廃れてしまうハウツーものとは根本的に違います。

私たちは新奇さに目を奪われることなく、常に「本質」とは何かに着目する姿勢を貫きたいですね。

勉強は一生続けることが大切です。世の中は常に進歩しているのですから。劇的な変化にも予兆はあります。感度の良いアンテナを張り、見逃し、聞き逃ししないようにしましょう!

何歳でも、何歳からでも勉強はできます。書籍を手許に置いておけば、いつでも何度でも参照することができます。

「この本は良書だ」と思ったらその1冊の本を何度も読み返すことが重要です。

一度読んだくらいですぐに理解できたという著書は、中身は大したことはないと判断するべきでしょう。「韋編三絶」という言葉がありますね。


🔷 「憶えることは大切かもしれないが、人間は記憶力のゲームをやっているわけではない。考えるゲームをやってこそ人間なのである」

シンギュラリティ(技術的特異点)という言葉があります。
「2045年問題」とも言われますが、AIが人間の知能を超えるのが2045年というものです。23年後のことです。

まだ当分先のことと考えるか、もうあまりないと考えるか。
あるいは、そもそもそのようなことが起こりえるのか、という疑念を抱くこともあるでしょう。

明白なことは、私たちは頭脳を使い込んでいないということです。
「ノーベル賞受賞者は頭脳の四割を使っているという話がある。ということは、私たちは日ごろ頭脳の二割か、よくても三割程度しか使っていないのだろう。
要は、頭脳をいかに使い込んでいくかである」

現状のままなら、「AIが人間の知能を超える」のは間違いないでしょう。


✒ 堀 紘一氏の略歴

ドリームインキュベータ代表取締役社長。

1945年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業。ハーバード大学大学院経営学修士(MBA with High Distinction)。読売新聞、三菱商事、ボストンコンサルティンググループ(BCG)社長を経て、2000年にドリームインキュベータ(DI)創業。

BCG時代には、金融、ハイテク、消費財、Eコマース、中期戦略など数多くの戦略策定及び実行を支援。

『知恵は金なり』『強い会社はこうしてつくれ』『成功する頭の使い方』(PHP研究所)、『人と違うことをやれ!』『どんな「壁」でも突破できる』(三笠書房)、『挑戦! 夢があるからビジネスだ』『脱皮できない蛇は死ぬ』(プレジデント社)、『できることから始めよう!』(ダイヤモンド社)、『ホワイトカラー改造計画』『21世紀の企業システム』(朝日出版社)など著書多数。

(『リーダーシップの本質』の著者紹介から)


✒ 堀 紘一氏の略歴補足

2020年に堀氏はDIの取締役を退任し、DIは電通の傘下となりました。

近況は下記をご覧ください。

「セカンドライフ」を謳歌しているようです。



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