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大前研一 名言集 『即戦力の磨き方』(27)

『即戦力の磨き方』(27)

大前研一氏のような「世界に通用する傑出した人物」は、日本だけでなく、世界でもあまりいません。

私は大前氏の足元にも及ばない、ちっぽけな存在ですが、そんな小さな私でも、少しでも役に立ちたいと熱望しています。

年齢は関係ないと思っています。

やろうとする意志と一歩踏み出す行動力ではないか、と考えます。
その2つに付け加えるとすれば正しい方向性でしょうか。

これはなかなか定めるのが難しい。

自分で正しいと判断しても、必ずしもそれが正しい針路をとっているかどうか確かめることが困難だからです。

メンター(師匠)がそばにいれば、たとえ間違った方向へ進んだとしても、謙虚な気持ちで従うならば修正は可能でしょうが。
私にとってのグル(精神的指導者)は大前研一氏です。
もちろん、大前氏はそんなことを知る由もありませんが。

以前、大前氏の下で働いていた学生の方(今では社会人として働いていることでしょう)からメールを頂いた時、身近で見た大前氏の気さくで、ユーモアあふれる人柄に触れたことを伝えてくれました。

『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です
 

国債と地方債の負債を足すと、千五百兆円となり、国民資産の千四百兆円を超えてしまっている

年金はすでに八百兆円の債務超過だということを、あなたはご存知だろうか。

しかもこれに、国債と地方債の負債を足すと、千五百兆円となり、国民資産の千四百兆円を超えてしまっている

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 1 〈415〉                           






                             

上の世代の年金を負担するため、保険料の負担は増える。増税も待っている
さらに住宅ローンは70歳まで払い続けなければならない

この事実を知れば、いまの40代が、すんなり年金を受け取れると考えるほうがおかしいということがわかるだろう。

もしもらえても、70歳以降であることは間違いない。

しかも上の世代の年金を負担するため、保険料の負担は増える。増税も待っている

さらに住宅ローンは70歳まで払い続けなければならない。それどころか、金融封鎖や新円発行などで、なけなしの資産を丸ごと国に召し上げられてしまう可能性すら否定できないのだ。

こう考えるとあまりにも悲惨すぎて、40代にはかける言葉を失ってしまう。

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 2 〈416〉                             


これだけの仕打ちを受けているにもかかわらず、当事者である40代のサラリーマンからは、まるで怒りの声があがってこないから不思議だ

ところが、これだけの仕打ちを受けているにもかかわらず、当事者である40代のサラリーマンからは、まるで怒りの声があがってこないから不思議だ

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 3 〈417〉                           




➳ 編集後記

『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です。


🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。


大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。


➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。




🔷 『即戦力の磨き方』が出版されたのは、2006年5月8日
です。今から8年前のことです(2014年に初投稿しました)。

大前氏がこの本の中で指摘したことが、改善され日本社会が国民にとって望ましい方法へ進んでいるでしょうか? 否。

消費増税は一方的に実施され、さらに来年(2015年)10月1日から再増税が実施されようとしています。

富裕層の人たちにとっては、消費増税は痛くも痒くもありません。

高額商品は既に所有していますし、生活費を気にすることもありません。消費しても、それ以上の収入を得ることができるからです。

一方、大半の生活者(99%と言っても過言ではありません)は、毎日の生活に汲々としているだけでなく、将来への不安を抱えています。

リストラ、年金、住宅ローン、病気やケガに対する保険料、インフレの進行……。

数え上げればキリがありません。

大前氏は「金融封鎖や新円発行」に言及していますが、絶対にないとは言い切れません。

年金はその実態を知れば、「破綻」しています。
つい最近まで、国は「100年もつ年金システム」と宣言していました。
役人が試算した際、大きな見落としがあったのです。
机上の空論とはこのことです。

金融封鎖(預金封鎖)は、自分の預金であるにもかかわらず、引き出すことができなくなることです。

新円発行は、デノミ(denomination)のことです。現在の100円を新1円にするようなものです。

新円を発行することによって、現在保有しているお金と交換しなくてはならなくなります。現在保有しているお金は使えなくなるのですから。

この施策は、富裕層にとっては大変困った事態となります。すべて差し出した上に、価値が100分の1に目減りしてしまうからです。

国にとっては好都合です。大前氏が指摘しているように、1000兆円を超える負債が100分の1の10兆円に減少するからです。

住宅ローンを抱えている人にとっては、ローン残高が100分の1になるから良いことだ、と思うのは早計です。
給与も100分の1に減少するからです。

国と個人は違います。
国は都合が悪ければ、先延ばしできます。
個人は返済を待ってもらえません。

安倍首相は自分の政策を自画自賛していますが、生活者が豊かさを実感できていない現実に目を向けていません。

安倍首相はお子さんがいないので、子育ての経験もありません。

安倍首相と周囲を固める閣僚は、生活者が住宅ローンとともに、教育費が日常生活に重くのしかかっている実態を知りません。
実感できるわけがないのです。

生まれた時から裕福だったのですから。
それが当たり前だったので、その生活を基準に考えているので、生活者の厳しい生活が理解できるはずがないのです。

私たち生活者は、国を当てにするのではなく、自己防衛を考えなければならない時代に突入しているのです。

75歳以上が国民の8人に1人の割合になったそうです。

高齢者を再雇用するという選択肢が必要になってきた、と考えています。

ドイツは欧州で高齢化が最も進んでいる国です。
高齢者の再雇用を国策に掲げ、実施しようとしています。

日本もできないことはない、と思います。
もっとも経営者は高齢者の再雇用をしたくないでしょうが。
自分が高齢者になっても、他人事と思って引退することは滅多にないでしょう。



⭐ 参考データをご紹介します。

教えて!公的年金制度 公的年金制度はどのような仕組みなの?

これは概要です。実態は書かれていません。仕組みの説明です。

⭐ 出典元: 厚生労働省 教えて!公的年金制度 公的年金制度はどのような仕組みなの?


年金生活の実態│平均の受給額と生活費、資金不足に備える方法は?

私は年金受給者です。
このウェブサイトに書かれている平均受給額と比較すると、妻に先立たれているので、半額以下です。
しかも、年々減額されています。


預金封鎖が過去に日本で起こった事例

このウェブサイトを見ると、次のように書かれています。

「日本で預金封鎖が起こったのは、第2次世界大戦後の1946年でした。

当時、預金封鎖が起こった際にはすべての財産が課税されるルールが設けられたため、預貯金が自由に引き出せなくなり、不動産や株式などの資産も課税の対象となりました。

預金封鎖の出金制限によって当時は1ヶ月に1人あたり100円、世帯主は300円ほどしかお金を引き出すことができず、多くの人々が生活困窮者となりました」

🔶 預金封鎖が今後実施されない、とは断言できません。



🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。



大前研一オフィシャルウェブ

このウェブサイトを見ると、大前氏の出版物一覧を見ることができます。
私は、大前氏の全出版物の半分も読んでいませんが、今後も読んでいくつもりです。

⭐ 出典元: 大前研一 オフィシャルウェブ




大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。




🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。

それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。

『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。








🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。



大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-09-15 20:54:17)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。
私にとっては、いわばレガシィです。

その記事を再編集しました。



✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長等を務める。    (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。

大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。












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