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日経ビジネスのインタビュー バックナンバー Vol.082 2013.8.26



日経ビジネスのインタビュー バックナンバー Vol.082 2013.8.26




1996年、経営する広告代理店NKBの一事業部として飲食店検索サイト「ぐるなび」を開設。その後分社、2000年に株式会社ぐるなび発足、会長に就任。


早慶の入試は5科目で 2013.8.26

滝 久雄(たき・ひさお)氏
[ぐるなび会長・創業者]

 リーダーは自然には育たない。積極的に育てる必要があるのだと痛感している。

「若者を育てる」という強い意志を日本全体で持ちたいものだ。

 教育改革を根本からやろうとすると既得権益の壁にぶつかり、すぐに効果が出る手が打ちにくい。だが、手っ取り早い方法がある。早稲田大学や慶応義塾大学といった名門私大が入試科目を見直せばいいのだ。

 その重要なテーマの1つが教育で、中でも理科教育には課題が多い。何も文系の人に、理系並みのレベルを求める必要はない。

 文系の人に出題する数学や化学、物理は、理系よりも低いレベルでいい。理系学科への受験者の国語や社会も同様だ。

 もう1つの課題は、理科を教える先生の養成だ。ゼロから育てるのは大変だが、モノ作り大国である日本には、潜在的に理科を教える能力のある人材は多い。

 そもそも理数と文系科目は切り離せるものではない。

 国を造るのは人だ。未来を拓くのは若者たちだ。そして、教育には時間がかかる。

文系の受験にも数学などの理系科目を導入せよ
(写真:Photoshot/アフロ)


「ぐるなび」は飲食店検索サイトで、不動の地位を築いています。

ぐるなび会長・創業者の滝氏は、日本の将来を憂え、教育改革の提言を行なっています。

私見ですが、すべての学問の基礎には国語がある、と考えています。

理系であろうと文系であろうと、国語力は大切です。

これはなにも漢字検定や漢字の書き順などを言っているのではありません。

文章を読んで理解し、人に分かりやすい言葉と表現で伝えるためには国語力(読解力や、文章や言葉による表現力)が不可欠です。

論理力は国語力の上に成り立つ概念だ、と考えています。

ロジカルシンキングは、アリストテレスの3段論法が、基本中の基本です。

A=B、 B=C が成り立つならば、A=Cというものです。

日本人は欧米流ロジックが苦手で、以心伝心で分かるというのは非論理的だ、と長い間言われ続けてきました。

しかし、果たしてそうでしょうか。そんなことはありません。

ロジックは「世界共通の言語」と言われることがありますが、確かにロジックに基づいて説明すれば理解しやすでしょう。

しかし、ロジックだけでは説明できないことはいくらでもある、ということも理解する必要があります。

私たちは普段ロジックだけで物事を理解し、行動を決定しているわけではありません。しばしば理屈に合わないことを考え、行動しています。

ロジカルシンキングを身につけるのはそれほど難しいことではありません。物事を自然に考えることです。

突然変異は常に起こることを頭の片隅に置いておくことは、必要なことですが。

* 今週号には、「編集長インタビュー」が掲載されませんでしたので、「直言極言」から掲載しました。



🔷 編集後記


この元記事をアメブロに投稿したのは、10年前のことです(2014-02-18 21:25:17)。そして、オリジナル記事は11年前のものです。

読み直してみますと、「こんなことも書いていたのだな」「この個所に関心があったのだな」ということが思い出され、当時の自分の心境に思いを馳せています。

それだけ歳をとったのだと実感しています。

編集長インタビューの記事を読み返してみると、当時の経営者の心意気・信念・余裕・揺るぎない自信といったものが伝わってきます。

月日が経ち、自分だけでなく身の回りにも、環境にも変化があります。
しかし、経営に限らず、物事の本質は変わらないものです。

 そもそも理数と文系科目は切り離せるものではない。国を造るのは人だ。未来を拓くのは若者たちだ。そして、教育には時間がかかる。  

🔴「そもそも理数と文系科目は切り離せるものではない」

この言葉に直接関係することではありませんが、ソニーの共同創業者の盛田昭夫さんは『21世紀へ』(ワック 2000年11月21日 初版発行)の中で、ソニーの新入社員教育について述べています。

第2章 人材の条件

「学歴無用、実力勝負」(1966年)から


ソニーの場合、社内で、文科系の人に理科系の教育を、理科系の人に文科系の教育をしている

 ソニーの場合、社内で、文科系の人に理科系の教育を、理科系の人に文科系の教育をしている。われわれのところにも多くの文科系の人たちがいるが、技術を主体とした会社である以上、文科系の学校を出てきた人でも、ある程度の技術知識を持っていないと仕事がしにくい。

21世紀へ 盛田昭夫 031  p.64         


社員は誰でも、その専門が何であろうとも、経理データを理解する知識を持つべきである

 会社はお金を儲けるのを目的としているのだから、経理数字は会社内の仕事を計る物差しである。だから社員は誰でも、その専門が何であろうとも、経理データを理解する知識を持つべきである。

21世紀へ 盛田昭夫 032  p.64



<Ameba blog (Ameblo) に投稿した当時の解説記事 2014-02-12 23:30:14>に触れてみます。

⭐️「はじめに」に書きましたように、携帯やスマホ版のサイトは、2007年1月から2013年7月まで毎週掲載してきました。

1ページに1カ月分(4回から5回)をまとめて掲載しています。

オリジナルの「編集長インタビュー」から特に印象に残った言葉を、ご紹介する形式を採っていますので、1週ごとの量は少なめです。

このため1カ月分のインタビュー内容を1ページに取りまとめています。

このブログでは、この形式を採用せず、毎週1回「編集長インタビュー」から一部を抜粋し、ご紹介していきます。

ブログの可能性を引き出せるように、いろいろな試みをしていきたい、と考えています。

例えば、互いのブログを紹介しあう「相互リンク」はその1つでしょうし、コメントやトラックバックもそうでしょう。

さらに、携帯やスマホ版のサイトでは、特に携帯ではデータ処理量が少ないために、表示できなかった画像データも、ブログ版では意識せずに扱うことができます。

掲載した記事に、私のコメントを追加することを考えています。

特に制約は設けず、自由に書いていきたい、と思っています。

インタビュイー(インタビューされる人)に関連した事柄や、業界の動向など書きたいことはたくさんあります。

たくさんのコメントをいただけると、とても嬉しいです。批判的なことでも構いません。

あなたがご存知の情報で公開することに問題がなければ、ぜひコメントをお書きください。お待ちしています。

日経ビジネス』について付け加えることがあります。2つあります。

1つは、発行日付です。
普通、週刊誌の発行日付は発売日よりも1週間先の日付になっていますね。

今朝 (2013年8月1日) の新聞に掲載されていた、『週刊新潮』も『週刊文春』も8月8日号となっていました。これが普通ですね。

ところが、『日経ビジネス』は、毎週金曜日に指定した場所(主に自宅)に届けられ、発行日は翌週月曜日になっています。

つまり、最新号は8月2日に届き、8月5日号ということになります。

日経ビジネス編集部は、『日経ビジネス』の最新のホットな情報をできるだけ早く伝えたい、という方針を徹底しているからではないか、と考えられます。

もう1つは、サイトとの連動と独自コンテンツの配信です。

日経ビジネスオンライン (現在は日経ビジネス電子版というサイトがあり、雑誌で掲載できなかったその後の進展に関する記事やサイト独自の記事を配信しています。

有料のスマホやタブレット、PCで閲覧できる独自配信の記事があります。

いろいろとお話してきましたが、当ブログは『日経ビジネス』の「編集長インタビュー」から特に印象に残った言葉をご紹介するブログです。

これからよろしくお願いします。



1回の投稿ごとに1カ月分にまとめたインタビューの概要を掲載します。
2007年1月8日号からスタートし、2013年7月までの6年7カ月分のバックナンバーだけで79件あります。

途中、数件記事が抜けている個所があります。

データを消失してしまったため現時点では再現できませんが、日経ビジネス電子版では「2011年10月から最新号まで」のバックナンバーが閲覧できるようですので、抜けている個所に該当する部分が見つかれば、追記します。

⭐ 『日経ビジネス』の電子版セット(雑誌+電子版)を「らくらく購読コース」で2022年9月12日号 No.2157 から定期購読をスタートしました。


「日経ビジネス 電子版使い方ガイド」(全24ページ)を見ると
「雑誌『日経ビジネス』のバックナンバーの閲覧について」で、
閲覧できるのは2011年10月から最新号と書かれています。
そのため、2008年8月18日、25日分の記事は確認できません。
しかも紙の雑誌は、はるか昔に処分しています。


『日経ビジネス』の記事を再投稿することにした経緯

再編集して再投稿することにした理由は、次のとおりです。
自分が当時どんな記事に興味があり、どのような考え方をしていたのかを知りたいと思ったからです。

当時の自分を振り返ることで、当時と現在で考え方は変わったか否か、あるいは成長しているかを確認したいと思いました。

記事データは当然古くなっていますが、本質的な部分は必ずあるはずで、しかも普遍性があります。その個所を再度学んでみたかったのです。

さらに言えば、『日経ビジネス』のバックナンバーをご紹介することで、この記事に目を通していただいたあなたに何らかの有益なヒントを提供することができるかもしれない、と考えたからです

「私にとって、noteは大切なアーカイブ(記録保管場所)です。人生の一部と言い換えても良いもの」だからでもあります。
プロフィールから)


(4,190 文字)


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藤巻 隆
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