【回想録　由美子のいなくなった夏　亡き最愛の妻への想い　第68回】

🔷 「入院」の中の「最後のメール」（７）を掲載します。🔷

 『由美子のいなくなった夏　亡き最愛の妻への想い』
（ハードカバー　四六版　モノクロ264ページ）
2016年1月25日　発行 
著者　　　藤巻　隆
発行所　　ブイツーソリューション

 ✍『由美子のいなくなった夏　亡き最愛の妻への想い』（第68回）✍

「入院」の中の「最後のメール」（７）を掲載します。

入院

最後のメール（７）

　隆
　十時十分にサークルＫに行ったら、
　「店長は帰った」とMさんが言ったので
　私は「約束したことは守って欲しい」と
　強く伝えた。
　私は、「十一時にもう一度、来店するので、
　店長に用意しておいて欲しい」とMさんに
　訴えた。
　十時五十八分に訪店すると、店長は電話中
　（オーナーと？）だったが、終わると、
　給与と給与明細書、領収書を渡され、
　金額を確認し、領収書に住所氏名を記入
　して返した。
　一度で済むことを二度もさせられた。
　困ったことだ。約束をすっぽかすとは！
　とりあえず、サークルＫの件は済んでホッと
　している
　　2015/8/2　11:27

　由美子
　暑いなかいやなことをさせて、申し訳ないね。
　ムリしないでね。
　ホント助かってるよ！！
　　2015/8/2　11:30

　隆
　嫌なことではないよ
　由美子のためなら、私ができること
　何でもやるよ。
　心配するな
　　2015/8/2　12:21

　隆
　これから出るよ！
　「白髪隠し」を持って行くよ。
　何か欲しいものはある？
　　2015/8/2　13:41

　隆
　さっき、いい忘れたけど、七月分の給与は
　三三八一〇円だった
　　2015/8/2　13:44

　由美子
　待ってるよ～
　　2015/8/2　13:56

　

八月三日

　隆
　可奈ちゃんが、まだ帰宅していない（0：35現在）。
　メールしても返信がないし、スマホに電話しても、
　「今、出られません」のメッセージが流れるだけ
　でどうにもならない。
　困ったことだ。
　仕事があることを理解しているのだろうか？
　こんなことをしていては、社会人として失格だよ。
　家のことは何もしないし、私が言うことには言葉尻
　を捉えて、いちいち反発するし・・・
　帰宅しないつもりなのだろうか？
　理解できない！
　　2015/8/3　0:36

　隆
　やっとメールが返ってきた。
　「タクシー待ち」だとさ。
　メールで叱った。
　「仕事があるのだから、早く帰宅しなければダメだろうが！」と。
　　2015/8/3　0:41

　由美子
　難しい年頃なのだ。
　今日ウエルシアで、ケース付きの手の爪用爪切り買ってきて！
　　2015/8/3　6:07

　隆
　了解！
　今朝、普段より一時間以上寝坊して九時に起床した。
　目覚まし時計をかけておいたはずだけど、
　鳴らなかったか、鳴ったけど止めてしまったか
　覚えていない。
　やはり、何度も鳴る目覚まし時計が必要かな？
　起きてからすぐに洗濯に取り掛かったけど、
　洗濯物が多かったので、干し始めたのは十時半頃に
　なった。
　　2015/8/3　11:18

　由美子
　目覚まし時計、変えていいよ。
　私は何でもいいから。
　　2015/8/3　11:44

　隆
　そういうわけにはいかないよ。
　由美子は今までどおり使っていていいよ
　　2015/8/3　13:13

　(PP.168-174）

➳ 編集後記

第68回は「入院」の中の「最後のメール」（７）を書きました。

「最後のメール」を振り返ってみると、私は同じ言葉を繰り返し使っていたことが分かりました。意識して使っていたわけではなく、由美子の容態の急変が気になり、極力単純な言葉を使いたかったのかもしれません。