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大前研一 名言集 『即戦力の磨き方』(22)

『即戦力の磨き方』(22)

大前研一氏のような「世界に通用する傑出した人物」は、日本だけでなく、世界でもあまりいません。

私は大前氏の足元にも及ばない、ちっぽけな存在ですが、そんな小さな私でも、少しでも役に立ちたいと熱望しています。

年齢は関係ないと思っています。

やろうとする意志と一歩踏み出す行動力ではないか、と考えます。
その2つに付け加えるとすれば正しい方向性でしょうか。

これはなかなか定めるのが難しい。

自分で正しいと判断しても、必ずしもそれが正しい針路をとっているかどうか確かめることが困難だからです。

メンター(師匠)がそばにいれば、たとえ間違った方向へ進んだとしても、謙虚な気持ちで従うならば修正は可能でしょうが。
私にとってのグル(精神的指導者)は大前研一氏です。
もちろん、大前氏はそんなことを知る由もありませんが。

以前、大前氏の下で働いていた学生の方(今では社会人として働いていることでしょう)からメールを頂いた時、身近で見た大前氏の気さくで、ユーモアあふれる人柄に触れたことを伝えてくれました。

『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です
 

正解は、自分の進むべき方向を自分で判断し、道なき道を切り拓くパス・ファインダーとしての能力を身につけるしかないことになりはしないか

私にいえるのは、いまあなたが乗っているエスカレーターの先に未来がないのはたしかだが、かといって飛び降りても、そこでじっとするだけなら、野垂れ死にするしかないという厳しい現実を認め、受け入れろということだけ。

そうすると、正解は、自分の進むべき方向を自分で判断し、道なき道を切り拓くパス・ファインダーとしての能力を身につけるしかないことになりはしないか

その能力は、語学力、財務力、問題解決力という三種の神器にほかならない。

そして、そういう力や技術を獲得することこそが、勉強の本質なのである。

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 1 〈400〉                           






                             

同じアジアの中国人やインド人と比べても、日本人の学力だけが、明らかに年々劣化しているというのだ

「日本人の生徒が入ると、クラス全体のレベルが下がる」

海外のビジネススクールでは、ここ数年来、よくこういう声を耳にする。

私が教えていたカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)やスタンフォード大学のビジネススクールの教授たちに聞いても、まったく同意見だという。

スウェーデンやアイスランドといったヨーロッパ勢だけでなく、同じアジアの中国人やインド人と比べても、日本人の学力だけが、明らかに年々劣化しているというのだ

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 2 〈401〉                             


日本人といえば、それだけで優秀だと思われていた

私がMIT(マサチューセッツ工科大学)に留学していた35年前には、そんなことはなかった。

逆に日本人といえば、それだけで優秀だと思われていた

実際、私など、クラスメート130人のなかで、ただ一人非英語圏出身者だったにもかかわらず、いきなりクラス委員に選ばれたくらいだ。

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 3 〈402〉                           




➳ 編集後記

『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です。


🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。


大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。


➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。


🔷 日本人の海外留学状況は、どうなっているのか、調べてみました。

『即戦力の磨き方』が出版された2006年以前と以降の推移を、文部科学省がまとめています。
ただし、2010年までしか掲載されていません(当時)。

2004年をピークに、確実に減少しています。

日本人の海外留学状況 から




次に、留学先を2010年と2009年の対比で示しています。
米国での減少が目立ちます。

日本人の海外留学状況 から




米国で減少している理由としては、「経済的な問題」と「英語から中国語へのシフト」がある、と考えられています。

「米国への留学が減った理由は1つではない」とサターホワイト氏は分析する。大きな要因の1つが、経済問題だ。

「ここ数年、米国の大学は急ピッチで学費を上げている。授業料や部屋代、食費など留学中の9カ月間にかかる諸費用の平均は、2011~12年度が公立の4年制大学で3万3973ドル。3年前に比べて16%も上がっている。

家計が悪化するなかで、これは痛い」

"内向き志向の若者"は嘘?日本人留学生が減り続ける理由 以下同様        
  


アメリカ、イギリスから中国、台湾への留学先のシフトについては、英語ではなく中国語を学習しようというニーズが近年上がっていることが考えられます。


ただ、交換留学では減っていないということです。
経済的負担が軽減されるからです。

交換留学では大学から奨学金が支給されるなどして学生の経済的な負担は軽減されるため、留学者数への影響は少なかった。


これらの資料と照らしあわせて考えますと、米国への留学が減少しているのは、学力と経済的負担が大きな要因になっている、と推測できます。


最近の動向を含め、米国への日本人留学生の数はどうなっているのか、日米教育委員会(フルブライト・ジャパン)が公表しているデータで確認してみましょう。

1. 日本人留学生の構成比(2020-21年)

このウェブサイトででーたを見てみますと、下記のようになっています。

「・日本人留学生総数 11,785人(前年比32.9%減、全米の留学生総数の
  1.3%、国別では第11位)
・学位レベル 大学学部:61.5%、大学院:22.7% 、Non-Degree(学位を取
 得しない): 6.3%、OPT:9.5%」

「日本人留学生は、ほかのアジアからの留学生と同様、1980年代半ばから急増し、 5年間でおよそ3倍になり、その後十数年間、日本人留学生の数に大きな変動はありませんでした。しかし、日本人留学生は1994-97年度まで国別では第1 位を占めていましたが、中国やインドからの留学生数が急激に増えた結果、1998-99年度国別順位第2位、2000年度第3位、2001-07年度第4位、2008年度第5位、 2009年度第6位、2010-13年度は第7位、2014年度は第8位、2015年度は第9位、2016-19年度からは第8位、2020年度は第11位となっています」

年々順位を落としていることが分かります。

その他の数値に関しては、上記のウェブサイトをご覧ください。

⭐ 出典元: 日米教育委員会(フルブライト・ジャパン)



🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。



大前研一オフィシャルウェブ

このウェブサイトを見ると、大前氏の出版物一覧を見ることができます。
私は、大前氏の全出版物の半分も読んでいませんが、今後も読んでいくつもりです。

⭐ 出典元: 大前研一 オフィシャルウェブ




大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。




🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。

それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。

『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。








🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。



大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-08-27 22:02:10)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。
私にとっては、いわばレガシィです。

その記事を再編集しました。



✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。    (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。

大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。












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