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大前研一 名言集 『質問する力』(9)

『質問する力』(9)

 『質問する力』(初版 2003年3月1日 文藝春秋)は、<人生をより良く生きるための武器である「質問する力」>を多数の具体例を挙げて詳述した本です。

 今でこそ「質問力」をテーマにする本はかなりありますが、19年前に出版された本書はこのテーマの最初の本と言えるかもしれません。

 

世界でトップクラスの知識人と言われる人々は、いずれも知的好奇心に富み、積極的に質問してくる人たちです


世界でトップクラスの知識人と言われる人々は、いずれも知的好奇心に富み、積極的に質問してくる人たちです。アメリカでもイギリスでも、テレビ放送で対談番組などを見ると、互いに質問の応酬をやっています。本人たちもそれを楽しんでいます。

『質問する力』 大前研一の名言 1 〈181〉


答えがわかっている学校のテストとは違い、現実の社会では、正しい質問をしない限り答えどころか「何が問題なのか」さえはっきりしないのです


答えがわかっている学校のテストとは違い、現実の社会では、正しい質問をしない限り答えどころか「何が問題なのか」さえはっきりしないのです。だからこそ質問を繰り返すことによって問題の所在を明らかにし、正しい答えを突き止めてゆく必要があるのです。
そうした力をもっている人が認められない組織は、やがて市場から退出することでしょう。

『質問する力』 大前研一の名言 2 〈182〉


業績不振の会社に必要なのは全く新しい発想であり、新しい事業企画です


業績不振の会社に必要なのは全く新しい発想であり、新しい事業企画です
それは銀行の不良債権をなくすのと同じです。不良債権をいくらなくしても、新しい事業がなかったら日本経済は活性化しません。

『質問する力』 大前研一の名言 3 〈183〉



➳ 編集後記

『質問する力』(初版 2003年3月1日 文藝春秋)は、<人生をより良く生きるための武器である「質問する力」>を多数の具体例を挙げて詳述した本です。

🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。

あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。

まず、やってみるという姿勢が大切です。

大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので、私は読みません。

➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。

🔷 質問をするのは、問題の本質はどこにあるのかをあぶり出すためである、と私は考えています。

表面上のことだけを見て「問題を見つけた!」と言うとしたら、それは本質的な問題ではないため、問題解決はできないでしょう。

もぐらたたきゲームのようなものであり、対症療法にすぎないからです。

MECE(もれなくダブりなし)や前回取り上げたピラミッド・ストラクチャーなどの手法を用い、掘り下げていくプロセスが不可欠になります。

手間も時間もかかることですが、本質的な問題の解決のためには欠かせないプロセスです。



🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。

数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。

それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。

『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。







🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。



大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は14年前にFC2ブログで書きました(2008-02-27 11:25 by 藤巻 隆)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。


✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。

現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。    (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。

大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。










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