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堀 紘一 名言集 『リーダーシップの本質』(6)

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』(6)


 『リーダーシップの本質』(初版 2003年6月26日 ダイヤモンド社)は、堀 紘一氏が満を持して上梓した優れたビジネス書です。

 略歴は著者紹介に譲るとして、堀 紘一氏はボストンコンサルティンググループ日本法人代表、ドリームインキュベータ創業者となり東京証券取引所に上場させた、単なる経営コンサルタントではありません。

 優れたビジネス書を数多く執筆しています。


フォーマル・リーダーシップとは、組織から権限を与えられた人間に付随するリーダーシップである

 
 フォーマル・リーダーシップとは、組織から権限を与えられた人間に付随するリーダーシップである。そこでは、その人のリーダーシップを行使する内容に関わりなく、リーダーとして権威づけられており、リーダーとして行動できる。
(中略)
 年功序列時代の名残で、一番高齢者が社長で、次が部長で、中では課長が一番若いというぐらいのことである。もしかしたら今はしがない身分の課長が、二十年後には大変なリーダーシップを発揮して、その会社の中興の祖と言われるほどの名社長になるかもしれない。逆に現在の社長は、何年か経つと誰も名前を思い出せないということになる可能性も十分ある。
 これがフォーマル・リーダーシップである。


『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 1 <16>



インフォーマル・リーダーシップは、肩書や権限とは関係なくリーダーシップを発揮し得る能力であると言える

 
 正式な権限は何も与えられていないが、人徳があるとか説得力があるということで自然な成り行きによってリーダーシップを発揮している人の持つリーダーシップをインフォーマル・リーダーシップと呼んでいる。
(中略)
 ここで明らかなことは、フォーマル・リーダーシップが、与えられた権限によるものであるのに対して、インフォーマル・リーダーシップが権限なしに、自然に発揮されるものであるということである。
 インフォーマル・リーダーシップの存在は、正式に権威づけられなくてもリーダーシップは発揮し得ることを示している。したがってインフォーマル・リーダーシップは、肩書や権限とは関係なくリーダーシップを発揮し得る能力であると言える

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 2 <17>



リーダーにとって大切なことはインフォーマル・リーダーシップの能力を発揮できることである

 
  リーダーがリーダーとし力を力を発揮するためには、自分自身の力、資質と、それを高める学習、訓練が必要である。
 リーダーにとって大切なことはリーダーとして選ばれ、公認されることより、真のリーダーにふさわしいリーダー本来の仕事をするための能力を高める、つまりインフォーマル・リーダーシップの能力を発揮できることである

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 3 <18>



✍ 編集後記

🔶  『リーダーシップの本質』は堀氏の経歴に違わない内容の本です。重要な点は「本質」です。すぐに廃れてしまうハウツーものとは根本的に違います。

私たちは新奇さに目を奪われることなく、常に「本質」とは何かに着目する姿勢を貫きたいですね。

勉強は一生続けることが大切です。世の中は常に進歩しているのですから。劇的な変化にも予兆はあります。感度の良いアンテナを張り、見逃し、聞き逃ししないようにしましょう!

何歳でも、何歳からでも勉強はできます。書籍を手許に置いておけば、いつでも何度でも参照することができます。

「この本は良書だ」と思ったらその1冊の本を何度も読み返すことが重要です。

一度読んだくらいですぐに理解できたという著書は、中身は大したことはないと判断するべきでしょう。「韋編三絶」という言葉がありますね。


🔷 フォーマル・リーダーシップインフォーマル・リーダーシップの違いと真のリーダーとは何かについて語っています。

サラリーマン時代に経験したことは、堀氏が指摘しているように、社内政治に長けていた人が肩書を与えられ、フォーマル・リーダーシップを行使していました。根回しの上手い人が出世していました。

一方で、部下や同僚から一目置かれ、「影のリーダー=真のリーダー」となっていた人たちがいました。

彼ら(彼女ら)は、上司に真正面から意見をぶつけていました。器の大きな上司は少なく、自己保身のため、相手にしないか、異動や左遷をほのめかす小心者が多かったように思います。

建設的な意見を出しても、「前例がない」の一言で片付けられ、「この件はおしまいだ。二度と同じことを言うな!」と語尾強く言われたこともあります。

私たちの時代と比べ、現在は変わってきているのでしょうか?



✔ 出典元

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』

2003年6月26日 第1刷発行 ダイヤモンド社



✒ 堀 紘一氏の略歴

ドリームインキュベータ代表取締役社長。

1945年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業。ハーバード大学大学院経営学修士(MBA with High Distinction)。読売新聞、三菱商事、ボストンコンサルティンググループ(BCG)社長を経て、2000年にドリームインキュベータ(DI)創業。

BCG時代には、金融、ハイテク、消費財、Eコマース、中期戦略など数多くの戦略策定及び実行を支援。

『知恵は金なり』『強い会社はこうしてつくれ』『成功する頭の使い方』(PHP研究所)、『人と違うことをやれ!』『どんな「壁」でも突破できる』(三笠書房)、『挑戦! 夢があるからビジネスだ』『脱皮できない蛇は死ぬ』(プレジデント社)、『できることから始めよう!』(ダイヤモンド社)、『ホワイトカラー改造計画』『21世紀の企業システム』(朝日出版社)など著書多数。

(『リーダーシップの本質』の著者紹介から)


✒ 堀 紘一氏の略歴補足

2020年に堀氏はDIの取締役を退任し、DIは電通の傘下となりました。

近況は下記をご覧ください。

「セカンドライフ」を謳歌しているようです。



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