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堀 紘一 名言集 『リーダーシップの本質』(12)

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』(12)


 『リーダーシップの本質』(初版 2003年6月26日 ダイヤモンド社)は、堀 紘一氏が満を持して上梓した優れたビジネス書です。

 略歴は著者紹介に譲るとして、堀 紘一氏はボストンコンサルティンググループ日本法人代表、ドリームインキュベータ創業者となり東京証券取引所に上場させた、単なる経営コンサルタントではありません。

 優れたビジネス書を数多く執筆しています。


企業目的は「生きがい(やりがい)」「成長」「収益」のトライアングルからなる
収益はトライアングルの一角を占めてはいても、第一の目的にはなり得ない

 
 企業目的は「生きがい(やりがい)」「成長」「収益」のトライアングルからなる。多くの人は、企業が利益を上げるために存在すると考えているかもしれないが、これまで述べてきたところからもわかるように、収益はトライアングルの一角を占めてはいても、第一の目的にはなり得ない
 利益とは影のようなものである。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 1 <34>          



生きがい・やりがいは成長の原動力になる。そして成長は収益をもたらす
つまり収益が生きがい・やりがいを引き出すことになる

 
 生きがい・やりがいは成長の原動力になる。そして成長は収益をもたらす
 そういうとき、上がった収益をそのまま置いておけば半分は税金に持っていかれてしまうので、その何割かを新たな生きがい・やりがい、成長のために投資しようという考えが自然に生まれてくる。たとえば、社員の研修に使おうではないかということになる。
(中略)
 つまり収益が生きがい・やりがいを引き出すことになる。それがさらに成長を促すという形で、トライアングルが連動して、お互いに高め合い、高められるという、きわめて好ましい関係を発展させることになる。これがプラスのトライアングルである。 

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 2 <35>         



ビジネスの基本はいかに「付加価値」を産み出すかというところにある

 
 繰り返しになるが、利益は商売の結果であって、上がることもあれば上がらないこともある。したがって、ビジネスの基本は利益そのものを追いかけることではない。ビジネスの基本はいかに「付加価値」を産み出すかというところにある。それは同じ業界でのライバル企業同士の競争の焦点でもある。そして付加価値生産に成功すれば、それこそ太陽が照るがごとくお客さんが認めてくれるようになるだろう。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 3 <36>         


✔ 出典元

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』
2003年6月26日 第1刷発行 ダイヤモンド社



✍ 編集後記

🔶  『リーダーシップの本質』は堀氏の経歴に違わない内容の本です。重要な点は「本質」です。すぐに廃れてしまうハウツーものとは根本的に違います。

私たちは新奇さに目を奪われることなく、常に「本質」とは何かに着目する姿勢を貫きたいですね。

勉強は一生続けることが大切です。世の中は常に進歩しているのですから。劇的な変化にも予兆はあります。感度の良いアンテナを張り、見逃し、聞き逃ししないようにしましょう!

何歳でも、何歳からでも勉強はできます。書籍を手許に置いておけば、いつでも何度でも参照することができます。

「この本は良書だ」と思ったらその1冊の本を何度も読み返すことが重要です。

一度読んだくらいですぐに理解できたという著書は、中身は大したことはないと判断するべきでしょう。「韋編三絶」という言葉がありますね。


🔷 「ビジネスの基本はいかに「付加価値」を産み出すかというところにある

この一文が今回の肝の部分だと考えました。

では、「付加価値」とは何か?

辞書的には、「付加価値」は次のように定義されます。


付加価値とは、企業による事業の結果として生み出された製品・サービスなどの価値の中で、それぞれの会社がその活動自体から生み出し、付け加えた価値のこと

 MBA用語集 グロービス経営大学院               

しかしながら、堀氏はもう少し意味を膨らませて、差別化し、顧客にも利益をもたらすものと考えている、と私は解釈しました。

あなたは「付加価値」をどのように考えていますか?



✒ 堀 紘一氏の略歴

ドリームインキュベータ代表取締役社長。

1945年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業。ハーバード大学大学院経営学修士(MBA with High Distinction)。読売新聞、三菱商事、ボストンコンサルティンググループ(BCG)社長を経て、2000年にドリームインキュベータ(DI)創業。

BCG時代には、金融、ハイテク、消費財、Eコマース、中期戦略など数多くの戦略策定及び実行を支援。

『知恵は金なり』『強い会社はこうしてつくれ』『成功する頭の使い方』(PHP研究所)、『人と違うことをやれ!』『どんな「壁」でも突破できる』(三笠書房)、『挑戦! 夢があるからビジネスだ』『脱皮できない蛇は死ぬ』(プレジデント社)、『できることから始めよう!』(ダイヤモンド社)、『ホワイトカラー改造計画』『21世紀の企業システム』(朝日出版社)など著書多数。

(『リーダーシップの本質』の著者紹介から)


✒ 堀 紘一氏の略歴補足

2020年に堀氏はDIの取締役を退任し、DIは電通の傘下となりました。

近況は下記をご覧ください。

「セカンドライフ」を謳歌しているようです。



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