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【回想録 由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い 第96回】

🔷 「おわりに」(3)を掲載します。🔷 

『由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い』
(ハードカバー 四六版 モノクロ264ページ)
2016年1月25日 発行 
著者   藤巻 隆
発行所  ブイツーソリューション

 ✍『由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い』(第96回)✍

おわりに(3)

 「この本は私にしか書けない」、と先に述べました。しかし、ところどころ、すぐに思い出せない個所があり、執筆を中断せざるを得ませんでした。その時、「そこではこうだったよ」、と由美子が私の耳元でアドバイスしてくれたような気がして、また書き始めることができました。そのようなことが、何度もありました。

 由美子には、申し訳ない気持ちでいっぱいです。いつもそばにいながら、由美子の身体の異変に気づかなかった私の責任は重大です。由美子を護ってあげられなかった自分が情けなくなります。

 今、いくら反省しても、由美子は帰ってきません。いくら後悔しても、尽きることはありません。「覆水盆に返らず」という諺を噛みしめています。

 空を見上げながら、人の顔に見える雲を由美子だと思って、心の中で叫んでいます。

 「由美子! 可奈と私のそばにずっといてくれよ!」

 最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。生まれて初めて書いた本が、まさかこのような形で出版されるとは、夢にも思いませんでした。いつか本を書いてみたい、という希望は長い間持ち続けてきました。

 しかし、それは本を売ることが目的ではなく、自分がこの世に生まれた、レゾンデートル(存在理由)を示すための「証し」を残すことが目的でした。この本でも、その考え方は変わりません。

 由美子との二十四年間の結婚生活は、時間の長さで評価すべきではなく、中身の濃さで評価すべきである、と今振り返ってみて強く感じています。

 その意味で、「濃密な時間」を分かち合うことができた、と自信を持って言うことができます。

 由美子! 濃密な時間をありがとう! いつの日かまた君に逢いたい! 逢って長い時間たくさん話をしたい! 逢えるまで待っていてくれよ!

 ゆみこ––––––––  ゆみこ––––––––  俺の声が聞こえるか–––––––  聞こえたら応えてくれ!


二〇一五年十一月                           藤巻 隆


           由美子のいなくなった夏

            亡き最愛の妻への想い

      ––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––

2016年1月25日 発行 
著 者  藤巻 隆    
         発行所  ブイツーソリューション      


(PP.261-264)



➳ 編集後記

第96回は「おわりに」(3)を書きました。

『由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い』は今回で最終回となりました。

今後は投稿しません。

最後までお付き合いしていただき、本当にありがとうございました。

「この本の内容をそのまま投稿して良いのだろうか」、「構わない」「いや、やめたほうがいい」と何度も自問自答しました。

しかし、一旦投稿したからには途中でやめず、最後までやり抜くべきだと考え直し、それからは毎日書き続けました。

そして、とうとう最終回となりました。

哀しみは、徐々に薄れていっても、決して完全になくなることはありません。

今後も自著を読み返し、当時のことを振り返っていくつもりです。

由美子と共有した「濃密な時間」は心の中にとどまっています。





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