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大前研一 名言集 『ロウアーミドルの衝撃』(16)

『ロウアーミドルの衝撃』(16)

「自分のことを中流」と考える日本人が、かつて多く存在しました。私自身もその一人でした。

しかし、いまや上流と下流だけといった二極分化の様相を呈しています。

派遣社員の首切り、正社員の激減、給与、賞与の大幅削減など従業員には逆風が吹き荒れています。

そうした現況を踏まえて、ロウアーミドル(中流以下)という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が『ロウアーミドルの衝撃』です。

現実から逃避せず、現実を直視し、少しでも明るい未来像を描けるようになりたいものです。
 
 

本当に行政を効率化すれば、日本の公務員の数は10の1ですむ


本当に行政を効率化すれば、日本の公務員の数は10の1ですむ。それでは困るというので、役人たちは自分たちの仕事を正当化するために、非効率この上ない許認可システムを国民に押し付けている。

今の日本には役人をクビにする法律がないが、こんな役人たちを抱えておくのは税金の無駄であるばかりか、国民に莫大な不利益を与えるものでしかないのだ。


『ロウアーミドルの衝撃』 大前研一の名言 1 〈292〉                              



シンガポールは農民が一人もいないから、世界でもっとも良質で安いものが自由に手に入るのだ


生活を圧迫する主な費用は、まず第一に食費である。

最大の要因は、牛肉や米へのバカ高い関税に代表されるような食料品の輸入規制で、規制を撤廃したり、オーストラリアなど海外に農地を購入して生産することで、食料品の価格を世界水準に下げることができる。

少なくともシンガポール並みにはなる。

シンガポールは農民が一人もいないから、世界でもっとも良質で安いものが自由に手に入るのだ

『ロウアーミドルの衝撃』 大前研一の名言 2 〈293〉                             
                                  
         







ガソリン代が世界水準から見て割高なのも税金が高いことに加えて、ガソリンそのものの輸入が規制されていることが要因になっている


車の故障や事故は車検直後のほうが多いという統計データもあるくらいだから、車検制度は改正あるいは撤廃したほうがいいと私は思っている。

ガソリン代が世界水準から見て割高なのも税金が高いことに加えて、ガソリンそのものの輸入が規制されていることが要因になっている

また、高速道路は国民のインフラとして国が整備・管理すべきもので、本来であれば公団化や民営化にはそぐわない。

2005年10月に道路公団が民営化されて6つの道路会社と1つの独立行政法人が誕生したが、本当は民営化を取りやめて国の管理下に移し、通行料金は無料にするのが最善の方法である。

そして自動車に関する税金を、自動車1台1台のプレートごとに年間1万円ほど課税する「プレート課税」1本にして、今までの公団の借金を10年で返してしまう、というのが私の提案だ。 

『ロウアーミドルの衝撃』 大前研一の名言 3 〈294〉                                                                     



➳ 編集後記

ロウアーミドル(中流以下)という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が『ロウアーミドルの衝撃』です。


🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。


大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。


➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。

🔷 大前氏は、日本の改革案を20年以上前から著書やテレビ番組、セミナーを通じて訴えてきました。

与野党関係なく、党の勉強会の講師を依頼され、その都度改革案を具体例を示しながら、説明してきました。

その場では、納得し同意が得られても、時間が経つと忘れられることが繰り返されました。

都知事選に出馬し、落選すると政治への直接関与をきっぱり諦めました。

その後、BBT(ビジネス・ブレーク・スルー)という会社を立ち上げ、東証マザーズに上場させました。

日本の将来を託せる人財を輩出することを目的としています。
政治と官僚組織を内部から変革していかなければ、日本を変えられないと感じたからでしょう。

大前氏は、今日も使命を追求し続けています。



⭐ 参考になるデータは下記のサイトでご確認ください。


ガソリン税に消費税…なぜガソリンは二重課税なの?

この記事と見て抜粋してみます(記事の更新日:2021.10.22)。

「日本はガソリンが高い!とよく言われますが、そのガソリン価格の約半分は税金です」

「本来のガソリン税(本則税率)は、28.70円。それに25.1円の暫定税率を合わせた53.8円が、ガソリン税です」

「ちなみに暫定税率は、1974年に導入されて以来、何度も増額・延長されており、何度か撤廃の噂はあるものの、現在でも維持されています」

「ガソリン税、石油石炭税、石油ガス税などの石油諸税には消費税がそのまま掛けられることになり、いわゆる「二重課税」に近い状態となったのです」

「ちなみに道路特定財源制度も現在は、一般財源課され、道路以外にも使える税金となっています」

ガソリンが高いのは納得できますね。

⭐ 出典元: クルマ情報マガジン CarMe 更新日:2021.10.22 



大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。




🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。

それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。

『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。






🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。



大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-06-17 15:50:54)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。



✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。    (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。










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