堀 紘一 名言集 『リーダーシップの本質』（18）
『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』（18）
『リーダーシップの本質』（初版 2003年6月26日 ダイヤモンド社）は、堀 紘一氏が満を持して上梓した優れたビジネス書です。
略歴は著者紹介に譲るとして、堀 紘一氏はボストンコンサルティンググループ日本法人代表、ドリームインキュベータ創業者となり東京証券取引所に上場させた、単なる経営コンサルタントではありません。
優れたビジネス書を数多く執筆しています。
人がビジネスパーソンとして成功するためには五つの条件がある
一つ目は「知識」を身につけることである
人がビジネスパーソンとして成功するためには五つの条件がある。リーダーは組織のメンバーがこの条件を満たすべく環境を整える必要がある。
一つ目は「知識」を身につけることである。この知識には、辞書や教科書などに載っている知識と、どこにも書かれていない知識とがある。私たちがビジネスをする際には、ほとんどどこにも書かれていないが、その仕事に関係する人はみな知っている知識があり、それを知らなければいけない。
二つ目は「やる気」である
条件として必要とされているのは、最後まで自分のこととして責任を持ち、逃げずにやり通すという「やる気」である
社員のやる気は経営者自ら引き出さなければいけない
二つ目は「やる気」である。もっともこの「やる気」という言葉は曲者で、「やる気があるのか」と言われて、「ない」という人はほとんどいない。条件として必要とされているのは、最後まで自分のこととして責任を持ち、逃げずにやり通すという「やる気」である。
（中略）
社員のやる気は経営者自ら引き出さなければいけない。また、やる気をどの程度引き出せるかで、経営者の優劣も明らかになる。
三つ目は「センス」である
三つ目は「センス」である。理性を司る左脳と感性を司る右脳の両方を発達させるのは大変むずかしい。センスとは、目のつけどころ、焦点の合わせ方と深く関わっていると考えられる。
そのセンスを磨くにはどうしたらいいか。センスの基本になるものはパターン認識である。
（中略）
手探りで感じ、感覚をつかんでいくしかない。そのためには一流の物、一流の人に触れる機会を求めていくことだ。
✔ 出典元
『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』
2003年6月26日 第1刷発行 ダイヤモンド社
✍ 編集後記
🔶 『リーダーシップの本質』は堀氏の経歴に違わない内容の本です。重要な点は「本質」です。すぐに廃れてしまうハウツーものとは根本的に違います。
私たちは新奇さに目を奪われることなく、常に「本質」とは何かに着目する姿勢を貫きたいですね。
勉強は一生続けることが大切です。世の中は常に進歩しているのですから。劇的な変化にも予兆はあります。感度の良いアンテナを張り、見逃し、聞き逃ししないようにしましょう！
何歳でも、何歳からでも勉強はできます。書籍を手許に置いておけば、いつでも何度でも参照することができます。
「この本は良書だ」と思ったらその１冊の本を何度も読み返すことが重要です。
一度読んだくらいですぐに理解できたという著書は、中身は大したことはないと判断するべきでしょう。「韋編三絶」という言葉がありますね。
🔷 「三つ目は『センス』である」
センスとは抽象的で感覚的なものであるため、なかなか説明することがむずかしいですね。
センスは先天的なものなのか、それとも後天的に身につけることができるのかという問題があります。
あるいはセンスがあっても磨かなければ、さらなる成長は期待できません。
私は、結局、経験値を増やさなければセンスを磨くことはできない、と考えています。
堀紘一氏が「一流の物、一流の人に触れる機会を求めていくことだ」と指摘していることは、「急がば回れ」に通じると思います。
センスは一朝一夕には身につかないし、磨くことはできないと考えています。
✒ 堀 紘一氏の略歴
ドリームインキュベータ代表取締役社長。
1945年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業。ハーバード大学大学院経営学修士（MBA with High Distinction）。読売新聞、三菱商事、ボストンコンサルティンググループ（BCG）社長を経て、2000年にドリームインキュベータ（DI）創業。
BCG時代には、金融、ハイテク、消費財、Eコマース、中期戦略など数多くの戦略策定及び実行を支援。
『知恵は金なり』『強い会社はこうしてつくれ』『成功する頭の使い方』（PHP研究所）、『人と違うことをやれ！』『どんな「壁」でも突破できる』（三笠書房）、『挑戦！ 夢があるからビジネスだ』『脱皮できない蛇は死ぬ』（プレジデント社）、『できることから始めよう！』（ダイヤモンド社）、『ホワイトカラー改造計画』『21世紀の企業システム』（朝日出版社）など著書多数。
（『リーダーシップの本質』の著者紹介から）
✒ 堀 紘一氏の略歴補足
2020年に堀氏はDIの取締役を退任し、DIは電通の傘下となりました。
近況は下記をご覧ください。
「セカンドライフ」を謳歌しているようです。
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