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日経ビジネスのインタビュー バックナンバー Vol.071 2012.11.05 ~ 2012.11.26





ここに掲載している内容は、管理人・藤巻隆が携帯サイトで運営していた当時のコンテンツです。

2007年1月8日号からスタートしています。1カ月分毎にまとめてあります。

途中、数件記事が抜けている個所があります。データを消失してしまったため再現できません。


日経ビジネスのインタビュー バックナンバー Vol.071 2012.11.05 ~ 2012.11.26


✪ 2012.11.05 (No.1)<294>
ローカライズはしない
角田 秋生(つのだ・あきお)氏
[公文教育研究会社長]

公文式の場合は、「その子が持っている学力がどうか」からスタートします。インストラクターを通じて、その子の最適な課題を与えます。私たちはそれを「ちょうど」と言っています。

公文式が提供しているのは、読み、書き、計算です。言語教材はその国の言葉に合わせなくてはいけませんが、各国で使っている教科書に準拠したり、その国の教育カリキュラムに合わせたりといったやり方はしていません。

質問や解説の部分は現地の言葉に翻訳しますが、教え方などは原則として世界共通です。


✪ 2012.11.12 (No.2)<295>
カネのために働くのではない
吉原 毅(よしはら・つよし)氏
[城南信用金庫理事長]

お金に流されてしまうのが銀行だとしたら、信金はお金の弊害を是正するのが1つの大きな役割になる。つまり公益事業なんです。

本当に大事なのは顧客の経営体質を改善したい、売り上げを上げたい。そういう問題に踏み込む力なんですね。

原発問題はまさに最大の環境問題であり、金融機関としてできることは、節電すること、そして自然エネルギーの開発を促すことでした。だから、原発に頼らない安心できる社会作りをメッセージとして発信したのです。


✪ 2012.11.19 (No.3)<296>
創業魂を取り戻す
山田 義仁(やまだ・よしひと)氏
[オムロン社長]

オムロンでは3回目になる10年計画ですが、具体的に数値目標を提示したのは初めてです。当社の2011年度の売上高は6195億円で、今期は6500億円を予想しています。これを1兆円まで伸ばしながら、営業利益率15%を確保する。非常に高いハードルですが、やり遂げるつもりです。

私は売上高10%程度のヘルスケア(健康管理)事業一筋で来ました。主力の制御機器事業ではなく、傍流の出身です。社長に就任する1年前にグループ本社に移り、戦略室長として10年長期計画の策定を任されました。

重視しているのは企業理念の共有です。創業以来、オムロンには「企業は社会の公器である」という理念があります。事業を通じて社会に貢献する。その実践例を研修で共有して、今の立場で何ができるかを発表し、議論します。

グローバルで戦い勝ち抜くためにはもっと強くならなければならない。オムロンは「誠実でいい会社」だと評価を頂いていますが、もっと強い会社に変えていかなくてはなりません。そうしないと2020年度をいい形で迎えられません。


✪ 2012.11.26 (No.4)<297>
ラーメン界の「マック」に
新井田 傳(にいだ・つたえ)氏
[幸楽苑社長]

丸亀製麺、すかいらーく、デニーズ、いずれの外食チェーンも我が社ほどには時間がかかっていません。500店舗という目標は同じでも、馬のような走り方をする企業もあれば、牛のような歩き方をする会社もある。うちの経営哲学は後者です。

経営は人を育ててなんぼの世界だと思うんです。スピードを重視するのであればFCに勝るものはない。これは間違いありません。

外食産業の工場には2つあります。1つはセントラルキッチン、もう1つはコミッサリー(食品加工工場)です。セントラルキッチンはキッチンの延長線上にある概念ですから、食堂と同様、作るための道具がそれぞれ独立していて、工場のようなラインとしてつながっていません。

一方、コミッサリーは材料を片方で投入すると、20m先で製品になって出てきます。その間、人は全く介在しないんです。外食産業の効率化にはこのコミッサリーを目指さなくてはいけないと考えました。



🔷 編集後記


この元記事をアメブロに投稿したのは、9年前のことです(2014-02-05 10:35:36)。そして、オリジナル記事は11年前のものです。

読み直してみますと、「こんなことも書いていたのだな」「この個所に関心があったのだな」ということが思い出され、当時の自分の心境に思いを馳せています。

それだけ歳をとったのだと実感しています。

編集長インタビューの記事を読み返してみると、当時の経営者の心意気・信念・余裕・揺るぎない自信といったものが伝わってきます。
月日が経ち、自分だけでなく身の回りにも、環境にも変化があります。

しかし、経営に限らず、物事の本質は変わらないものです。

今回のインタビューの中から興味深い言葉を拾い出してみます。

山田 義仁(やまだ・よしひと)氏
[オムロン社長]


の言葉から。

グローバルで戦い勝ち抜くためにはもっと強くならなければならない。オムロンは「誠実でいい会社」だと評価を頂いていますが、もっと強い会社に変えていかなくてはなりません。そうしないと2020年度をいい形で迎えられません。

🔴「グローバルで戦い勝ち抜くためにはもっと強くならなければならない。オムロンは『誠実でいい会社』だと評価を頂いていますが、もっと強い会社に変えていかなくてはなりません」

オムロンは「誠実でいい会社」という評価だけではグローバルで戦い抜くことはできない。「もっと強い会社」に変えなくてはいけない。

この固い信念に基づいて経営してきた結果、現在があると思います。

オムロンの企業業績を見てみましょう。株探のデータを引用します。

オムロン(6645)株探 2023/11/22

2020/03期~2023/03期まで業績は順調に推移しています。
特に、2023/03期は売上高・営業利益・経常利益・修正後1株利益は過去最高を記録しています。

ところが、その反動なのか、あるいは他の要因なのか現時点では定かではありませんが、2024/03期の予想では営業利益・経常利益・最終利益・修正後1株利益が大きく減少しそうです。

前期比で見ると、それぞれ -55.3%  -54.3%  -75.6%  -75.4%と激減です。

2024年3月期 第2四半期決算短信〔米国基準〕(連結)を見ると、業績悪化の概要が分かります。

オムロン【6645】2023年10月27日 開示情報 - 2024年3月期 第2四半期決算短信〔米国基準〕(連結) (kabutan.jp)

7ページの「セグメント別業績予想」を見ると、どのセグメントの落ち込みが大きいのか一目でわかります。

特に落ち込みが大きいセグメントは、① IAB: インダストリアルオートメーションビジネス(制御機器事業)、②DMB: デバイス&モジュールソリューションズビジネス(電子部品事業)③連結の3セグメントです。

さらに詳しく見るために探してみますと、17ページに[所在地別売上高]があります。

これら3つのセグメントが落ち込んだ要因は、米州(米国・カナダ・ブラジル)と中華圏(中国・香港・台湾)の業績が振るわなかったことにありそうです。とりわけ中国圏の成長鈍化が響いていると言えそうです。

市況の悪化に負けずに、オムロンに頑張ってもらいたいですね。



1回の投稿ごとに1カ月分にまとめたインタビューの概要を掲載します。
2007年1月8日号からスタートし、2013年7月までの6年7カ月分のバックナンバーだけで79件あります。
途中、数件記事が抜けている個所があります。

データを消失してしまったため現時点では再現できませんが、日経ビジネス電子版では「2011年10月から最新号まで」のバックナンバーが閲覧できるようですので、抜けている個所に該当する部分が見つかれば、追記します。

⭐ 『日経ビジネス』の電子版セット(雑誌+電子版)を「らくらく購読コース」で2022年9月12日号 No.2157 から定期購読をスタートしました。


「日経ビジネス 電子版使い方ガイド」(全24ページ)を見ると
「雑誌『日経ビジネス』のバックナンバーの閲覧について」で、
閲覧できるのは2011年10月から最新号と書かれています。
そのため、2008年8月18日、25日分の記事は確認できません。
しかも紙の雑誌は、はるか昔に処分しています。


『日経ビジネス』の記事を再投稿することにした経緯

再編集して再投稿することにした理由は、次のとおりです。

自分が当時どんな記事に興味があり、どのような考え方をしていたのかを知りたいと思ったからです。

当時の自分を振り返ることで、当時と現在で考え方は変わったか否か、あるいは成長しているかを確認したいと思いました。

記事データは当然古くなっていますが、本質的な部分は必ずあるはずで、しかも普遍性があります。その個所を再度学んでみたかったのです。

さらに言えば、『日経ビジネス』のバックナンバーをご紹介することで、この記事に目を通していただいたあなたに何らかの有益なヒントを提供することができるかもしれない、と考えたからです

「私にとって、noteは大切なアーカイブ(記録保管場所)です。人生の一部と言い換えても良いもの」だからでもあります。
プロフィールから)

(3,892文字)


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