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堀 紘一 名言集 『リーダーシップの本質』(5)

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』(5)


 『リーダーシップの本質』(初版 2003年6月26日 ダイヤモンド社)は、堀 紘一氏が満を持して上梓した優れたビジネス書です。

 略歴は著者紹介に譲るとして、堀 紘一氏はボストンコンサルティンググループ日本法人代表、ドリームインキュベータ創業者となり東京証券取引所に上場させた、単なる経営コンサルタントではありません。

 優れたビジネス書を数多く執筆しています。


人を育てるためにも、下の人ができることを上の人がしてはならない。
課長が部長の仕事をし、部長が常務の仕事をする会社があったら、これは素晴らしいことだ

 
 人を育てるためにも、下の人ができることを上の人がしてはならない。下の人に任せることによって彼は経験を豊かにし、その経験を肥やしとして伸びていく。むしろ逆に、課長が部長の仕事をし、部長が常務の仕事をする会社があったら、これは素晴らしいことだ
 そういう会社は真の実力を蓄え、大きく伸びるに違いない。そして最後に社長は何をするかというと、ずっと先のことだけをぼんやり考えていればいい。一人でもいい、先のことをぼんやり考える人がいる会社は確実に伸びてくる。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 1 <13>



できることはすべて部下に任せていったとき、最後に、リーダーにしかできないいくつかのことが残る。そのリーダーにしかできないことを一所懸命考えて実行するのが真のリーダーである

 
 総理大臣や社長というリーダーが、先のことだけをぼんやり考えるためには、部下の仕事を取り上げてはいけない。逆に、部下が上司たる自分の仕事をできるようにシステムを整えることだ。そういう形で仕事を任せ、早くから一つ上の仕事を学ばせていくことによって部下は大きく育つようになり、次のリーダーも自然に生まれてくるのではないか。
 そうして、できることはすべて部下に任せていったとき、最後に、リーダーにしかできないいくつかのことが残る。そのリーダーにしかできないことを一所懸命考えて実行するのが真のリーダーである

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 2 <14>



リーダーの非常に重要な仕事の一つに意思決定がある。人生には正解は無数にあり、やっかいなことに不正解もまた無数にある。リーダーはたくさんある正解の中から、自分の経営する組織にとっての正解を見つけ出し、決定しなければならない

 
 たとえば、リーダーの非常に重要な仕事の一つに意思決定がある。大学受験の数学の問題とは違って、現実世界でぶつかる問題には正しい解答が一つだけあるという例はまずない。仮にあったとしても、その決まり切った答えを出すことはリーダーの任ではない。
 人生には正解は無数にあり、やっかいなことに不正解もまた無数にある。リーダーはたくさんある正解の中から、自分の経営する組織にとっての正解を見つけ出し、決定しなければならない。しかし正解というものは、時とともに変わっていく。今は正解と思えるものでも、五年後、十年後に振り返ってみれば不正解であることも多い。逆に今は大間違いのように見えるが、五年、十年を経て大正解に化けてしまうものもある。
 それほど意思決定とはむずかしいのである。しかしそれがむずかしくなればなるほど、リーダーはそのむずかしい問題に答えを出さなければならない。 

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 3 <15>



✍ 編集後記

🔶  『リーダーシップの本質』は堀氏の経歴に違わない内容の本です。重要な点は「本質」です。すぐに廃れてしまうハウツーものとは根本的に違います。

私たちは新奇さに目を奪われることなく、常に「本質」とは何かに着目する姿勢を貫きたいですね。

勉強は一生続けることが大切です。世の中は常に進歩しているのですから。劇的な変化にも予兆はあります。感度の良いアンテナを張り、見逃し、聞き逃ししないようにしましょう!

何歳でも、何歳からでも勉強はできます。書籍を手許に置いておけば、いつでも何度でも参照することができます。

「この本は良書だ」と思ったらその1冊の本を何度も読み返すことが重要です。

一度読んだくらいですぐに理解できたという著書は、中身は大したことはないと判断するべきでしょう。「韋編三絶」という言葉がありますね。


🔷 「リーダーにしかできないことを一所懸命考えて実行する」ことがリーダーの仕事で、その仕事とは「意思決定」であり、リーダーは「自分の経営する組織にとっての正解を見つけ出し、決定しなければならない」と堀氏は述べています。

まったくその通りだと思います。リーダーはそれだけの権限を与えられ、責任を持たされています。そのため「意思決定」がとても重要であることが理解できるでしょう。

意思決定の善し悪しで、企業や組織が成長することも、衰退することもあるでしょう。


✔ 出典元

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』

2003年6月26日 第1刷発行 ダイヤモンド社



✒ 堀 紘一氏の略歴

ドリームインキュベータ代表取締役社長。

1945年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業。ハーバード大学大学院経営学修士(MBA with High Distinction)。読売新聞、三菱商事、ボストンコンサルティンググループ(BCG)社長を経て、2000年にドリームインキュベータ(DI)創業。

BCG時代には、金融、ハイテク、消費財、Eコマース、中期戦略など数多くの戦略策定及び実行を支援。

『知恵は金なり』『強い会社はこうしてつくれ』『成功する頭の使い方』(PHP研究所)、『人と違うことをやれ!』『どんな「壁」でも突破できる』(三笠書房)、『挑戦! 夢があるからビジネスだ』『脱皮できない蛇は死ぬ』(プレジデント社)、『できることから始めよう!』(ダイヤモンド社)、『ホワイトカラー改造計画』『21世紀の企業システム』(朝日出版社)など著書多数。

(『リーダーシップの本質』の著者紹介から)



✒ 堀 紘一氏の略歴補足

2020年に堀氏はDIの取締役を退任し、DIは電通の傘下となりました。

近況は下記をご覧ください。

「セカンドライフ」を謳歌しているようです。



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