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ヨーロッパ(1991)

ラース・フォン・トリアー監督の1991年作品「ヨーロッパ」を見た。91年カンヌ国際映画祭審査員特別賞など、シッチェス・カタロニア国際映画祭でグランプリを受賞。

1945年、第二次世界大戦後のドイツ。ドイツ系アメリカ人のレオ・ケスラーは、父の祖国であるドイツの戦後復興の一端を担いたい一心でドイツにやって来た。

叔父のツテでドイツの大鉄道会社ツェントローパに就職し、寝台列車の見習い車掌として汽車に乗り込むことになるレオ。

しかし、戦後のドイツには、ナチス残党が組織する地下組織 <人狼> が存在していて、レオは親しくしてくれる家族を通じて、知らず知らずのうちに <人狼> の企みに巻き込まれてゆく…

“貴方をヨーロッパへと連れていこう。ゆっくり1から10まで数えて。貴方は私の声を聴くうちに、ゆっくりと静かに深みへと沈んでいく。1、2、3、…10。貴方はいま、ヨーロッパにいる。”

催眠術のような導入部からはじまる本作は、ラース・フォン・トリアー監督らしいエゴが見え隠れしつつも、主題の面白さや一部カラーを交えつつモノクロが基本の映像、背景に映像を流しながら手前で役者が演技するなどの斬新な画作りなど、なかなか見応えのある仕上がりでした。独特の"雰囲気映画"として、ときどき見返したくなるような作品です。

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