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マイドク/いかにしてマイケルはドクター・ハウエルと改造人間軍団に頭骸骨病院で戦いを挑んだか(1984)

デイヴィッド・ブライス監督の1984年作品「Death Warmed Up」を日本での劇場公開以来35年ぶりに見た。

邦題は「マイドク いかにしてマイケルはドクター・ハウエルと改造人間軍団に頭蓋骨病院で戦いを挑んだか」という超長いもので、普通だと「なんでこんなタイトルつけんねん!?」と文句の1つも言いたくなるところが、あまりの"やりすぎ"加減に逆に好感すら持ってしまった。日本語としても、結構上手い作りの長文なんだよね!

実際、本作が劇場公開されたとき、このヘンテコな邦題じゃなかったら、少なくとも僕は劇場に足を運ばなかった。

この一発ネタのタイトルが示すように、映画の内容は予想通り酷いもので、劇場で見たときは本当にガッカリした。と同時に「そりゃそうだよなぁ。このタイトルだもんなぁ…」と、妙に納得もしたものである。

物語はこうだ。主人公マイケルは病院で、父がハウエル医師の研究を倫理を無視した行きすぎた行為だと批難している姿を目撃する。怒ったハウエルはマイケルを拉致し、無意識状態の彼に両親を殺害するようプログラミングする。そして、家に帰ったマイケルは両親を散弾銃で射殺し、7年にわたり精神病院に監禁されることに…。

ようやく退院したマイケルは、恋人と友達のカップルを伴ってとある島に向かう。その島では、ハウエルが巨大病院を経営しており、マイケルはハウエルへの復讐の機会を狙っているのであった。

世間一般にはハウエルが仕組んだとは知られていない殺人を犯したマイケルに、いきなり一途に彼を愛する恋人がいるのもちょっと変だし、何も知らずマイケルの復讐旅行に付き合わされる友達のカップルも不憫でしかない。

そして、身勝手なマイケルの行動とアホな友達の行動によって、案の定な展開が待っている。

映画の中で起きることは"案の定"なのだが、登場人物の一つ一つの行動原理は割と意味不明で、前後の行動のつながりが変だったり、なんでそこでそんな行動するのかさっぱりわからんという気持ち悪さが常につきまとう。

最後も、マイケルとスパイダーが対峙したところで決着をつけずにフェードアウトしてしまい、さらにその後のマイケルの行動たるや何が何だかわからない。そして恋人は叫び、走り、観客は置いてきぼりになる。

…んだけど、Blu-rayの特典映像にあった監督インタビューによると、ラスト・シーンの意図は、「観客と生き残った強い女性が未来に向かって走り去る」と言うことを表現しているらしい。わかんねーよ、そんなもん!(°▽°)

かような映画だけに、劇場で観たときには二度とこの映画は見るまいと思ったものなんだが、このたびそんな映画をわざわざ日本独自でリマスターして発売する奇特なメーカーが現れたので、こりゃ付き合うしかないなぁ…と思って購入し(←そもそも、わかってる人しか買わんし)、35年経って初めて監督と脚本家が割と自信満々にこの映画の独自性を語っている姿を見て感心しているのであった。

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