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令和5年の憲法記念日に寄せて

 佐藤章さん、ニュース解説お疲れ様です。憲法記念日にちなんだ力のある特集で、勉強させてもらいました。石橋湛山はその論考『一切を棄つるの覚悟 太平洋会議に対する我が態度』の中で次のように述べています。「我が国の総ての禍根は、しばしば述ぶるが如く、 小欲に囚われていることだ、志の小さいことだ。幾多の大思想家も実は決して無欲を説いたのではない。彼らはただ大欲を説いたのだ。大欲を満たすがために、小欲を棄てよと教えたのだ。しかるに我が国民には、その大欲がない。朝鮮や、台湾、志那、満州、またはシベリヤ、樺太等の、少しばかりの土地や、財産に目をくれて、その保護やら取り込みに汲々としておる。従って積極的に、世界大に、策動するの余裕がない。吾輩は、遅れたりといえども、まだこの形成挽回の策ありと信ずる者である。総て戦いは守ったのでは負けだ。進んで打って出でてこそ、我に有利な時と、地形と、戦闘の形式とが選択出来る。もし我が政府と国民に、何もかも棄てて掛かるの覚悟、小欲を去って、大欲に就くの聡明があったならば、吾輩はまず第一に、我が国から進んで軍備縮小会議を提議し得たはずだったと思う。」。日本国憲法前文も次のように続ける。「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」。

 私は、「在野の構想力」の一環として、NTTのIOWNTRONプロジェクトの技術を使い外交と経済立て直し・技術革新の一石二鳥の効果を狙う政策を構想しています。私の青春時代は祖父や父の世代の頑張りのおかげで、飢えることなく自由な生き方が選択可能でした。でも報道によると、今の子供たちの7人に1人は一日二食で過ごすそうです。私は政治家になって子供たちに腹いっぱいご飯を食べさせてあげたいと思います。そのためには旧ソ連のゴルバチョフ大統領がやったように、国際関係を安定化させ、余分に安全保障にお金を使わず、国民経済の立て直しに専念できる環境を作る必要があります。

 ロシアのプーチン大統領を見れば分かる通り、独裁者ほど情報をコントロールしたがります。前線に向かう兵士を鼓舞し、銃後の守りを固めたいからです。でもウクライナ侵略戦争には何の大義名分もなく、戦意喪失したロシア将校は投降し、子供の命が心配なロシアのお母さんは、プーチン大統領を吊るし上げます。そして私たちはその光景をYouTubeで見ているのです。あるいは中国の若い世代がインタビューに答えて、「靖国神社に参拝する日本の政治家は嫌いだけれども、日本の文化は好き。日本のアニメを日本語で見たいから、日本語を勉強しています。」と明るく語る光景も私たちは経験しています。ネット上では、戦争遂行のために情報を集約しようとする力と、「ともに生きたいと願う全世界の国民の連帯(=平和的生存権)」のために情報を拡散しようとする力が綱引きを演じているのです。憲法9条を擁する我が国は、この状況を戦略的に利用すべきではないでしょうか?。そこでIOWNの登場です。光トランジスターの特許を有する我が国は、光電融合技術の世界的展開を主導的に行える立場にいます。つまりIOWNをリーダーシップをとって世界的に展開できるのです。IOWNのネットワークの中を光の束を際限なく流通させ、ナショナリズムに吸収されない「個別・具体性」(=投降するロシア将校、子供を心配するロシアのお母さん、日本のアニメ好きの中国の若者、etc)を担保すること(例えば、鬼畜米兵といったスローガンで国内世論が染まることを防止すること。)で戦火を開くことを予防し、以って日本のソフトパワーとするのです。(平和的生存権の具体化ということです。)

 IOWNの技術が日本社会では正当に評価されていません。昔マイクロプロセッサーが開発されたとき、日本の経営者は、あれはホビーだと言いました。果たして今日どうなったか。日本メーカーはインテルの足元にも及びません。(インテルは、IOWN GLOVAL FORUMのパートナーでもあります。)完全に出遅れました。マイクロプロセッサーの可能性を見きれたのは、TRONプロジェクトの坂村健先生だけでした。僥倖にも今は日本にはIOWNがあります。光トランジスターの開発から始まるIOWNのインパクトは、マイクロプロセッサーの比ではありません。ElectronicsからPhotonicsへの転換は、第三次産業革命に匹敵します。私はこの僥倖とエッジノードとしてIEEE化したTRONの技術を使って、日本経済を立て直したいです。

 昔、石橋湛山が命を懸けて『一切を棄つるの覚悟』『大日本主義の幻想』を発表し警鐘を鳴らしても、時の国民、政府は受け入れませんでした。その結果の敗戦でした。焼野原の大地に立った石橋湛山は、総理大臣に就任しましたが、病のためにその才能を発揮しきれませんでした。核戦争の時代に生きる私たちには、「戦後」はないのです。今一歩踏みとどまって、私と一緒に考えませんか?。私に力を貸してくれませんか?。\(^o^)/


参考文献

樋口洋一(比較憲法学が専門の東京大学名誉教授)

    『いま日本の立憲主義は』 朝日新聞令和5年5月3日朝刊15面

坂田雅裕(元内閣法制局長官)

    『憲法9条は死んだ』  朝日新聞令和5年4月14日朝刊13面

蟻川恒征(日本大学法科大学院教授)

    『「弱い」私たちの盾9条は死なず』 朝日新聞令和5年5月3日朝刊9面

石橋湛山 『石橋湛山評論集』 岩波文庫

内村鑑三 『キリスト信徒のなぐさめ』 岩波文庫

     『余はいかにしてキリスト信徒となりしか』 岩波文庫


【追記】

 佐藤章さん、ニュース解説お疲れ様です。憲法9条(=戦争の放棄)、憲法31条(適正手続き)を含む憲法の各条文を蔑ろにする政治家は、完全に法的手続きに服させなければならい実力組織である自衛隊に、クーデターを起こすことを奨励する様なものだと何故気づかないのだろう。憲法66条第2項「内閣総理大臣及びその他の国務大臣は、文民でなければならない」とする憲法の意味が分かっていないのではないか?。



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