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5年ぶりに歯医者に行った話

先日起きたらいきなり奥歯が痛くなっていて、2日我慢しても腫れが引かないので歯医者に行ってきました。

恥ずかしながら23歳以降、この5年間一度も歯医者に行っていない・・・

矯正もしてないし、銀歯もないし、タバコ吸ってる割には歯も白いし
などと悠長なことを思っていましたが、

ふと将来を想像するに、
毛の無いババアと歯の無いババアにはなりたくないので
ギリ20代のうちから歯医者に通おうと決意しました。

発起材料になったことがもう1つ。

AD時代の同僚(女子)が、ADから転職した途端に美容に金をかけ出した。
メイク、ネイル、ヘアケアに始まり、
歯列矯正、小顔ハイフなどなど・・・

AD時代なんて、寝てないしフロ入ってないしで、
「美容」以前に「衛生」と「睡眠」という壁があったし、
なんならその同僚は、元々色白で寝不足になるとすぐ顔がドブ色になるので
プロデューサーから「濡れねずみみたいやな」と言い放たれていた。
(一応「ドブネズミ」はさすがにかわいそうやからと、「濡れ」にしたらしい。)

ということもあり、
私もまず第一歩と、歯医者にいった
(「美容」ではないな。まだ「衛生」だなw)

特に選ばず、家から一番近い歯医者で、
ここ渋谷区が「SHIBUYA」としてのブランドも何もなさそうな頃からありそうな、ちょっと古びた感じ。

診察室に入って待っていると、遠くの方から
「どこが痛いのー?」
とおばちゃんの声が聞こえてきて、

いや声遠すぎるし初対面だし、まさか自分に話しかけられてるとは思わなかったけど、一応振り返ったら、
70代くらいのおばあさんが
「どこが痛いの?奥歯だっけ?」と再度私に聞いていた。

「はい」

老舗歯医者のベテラン看護師!と思ったが
実は代々木歯科医院の、紛れもなく先生だった。

え!その年で歯科医ってカッコ良すぎる!!

見た目的に70代?
ってことは50年前に医学部入ったの?
いやいや男女雇用機会均等法は1993年だし、
つい数年前に東京医科歯科大が入学試験の男女差別をしてたと問題になったくらいなのに、
その歳で歯科医・・・!!!

かっこいい・・・・!!

一気にその先生の50年前を勝手に妄想して頭を巡らせていたら

「はい口開けてー。うわ、これでしょ!痛いね!」

口開けてから2秒たってない。

さすがすぎる。信頼度うなぎのぼり。

治療中もずっと話しかけてくるし、それも近所のおばちゃんみたいな感じで
気づいたら奥歯削られてるし
「これ抜いた方が早いよ」「はい」
次に気づいたら2日後に親知らずを抜く予約を入れさせられてた。

診察が終わり、待合室で待っていたら、
「ちょっと削ったけどどう?痛い?」
「結構腫れてるもんね〜」
と、話しかけてくる。

これ、待合室まで来て話しかけてるんじゃないよ

診察室から待合室にいる私に、大声で話しかけてきてるのよ

なんていうの、台所から「ご飯できたわよー!」っていうお母さんの声量

私と入れ替わりできた患者さんのおばちゃんは、まだ呼ばれてもないのに診察室に入って行き、先生に果物の差し入れをして

「あら、これどうしたの?」「もらったのよ〜」「え〜ごめんねえ」

ここどこだっけ、親戚のおばちゃんち?いや渋谷区の歯医者だな。
なんてアットホームな。

ほっこりすると同時に、
50年も前に、きっと女子が大学行くなんて、みたいな時代に医学部に入り、
渋谷のまあまあいい立地で、
70代になっても現役歯科医で。

素敵すぎる。

ちなみに見た目もとてもスタイリッシュな先生です。
細身のジーンズに、白髪のショートカット。

手に職がある、技術があるって、なんて素敵な、と思いました。

あんな風に歳を取りたい。


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