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「東京タワー」で思い出した平成版&令和版の結末に思うこと

♯ネタバレ



岡田くん主演の映画版は学生だった当時、映画館で見ました。


昔から今もかわらず不倫の恋にさほど共感はないけど、忌み嫌いもしていません。学生当時、話題の恋愛映画はぼちぼち見に行っていました。

記憶は薄っすら残っている程度で、松潤と寺島しのぶが出ていたことは今回のドラマきっかけに久しぶりに調べて、「そうだったような…」とようやく思い出した感じです。


内容については断片しか覚えていないのですが、2つだけ鮮明に覚えていることがあります。


ひとつは、黒木瞳と岡田くんと東京タワーの映像が美しかったこと。


そしてもうひとつ。


黒木瞳の「壊れたオモチャはいらないの」という台詞。これはまだ大した恋愛経験もなければ人生経験も未熟な当時のわたしにぶっ刺さりました。


大人の女の残酷さとか余裕さとかが垣間見え、自分の辞書にはない言葉と感性にゾクゾクしたんだっけ。

20年くらいたった今でも、あの黒木瞳の声の響きが残っているくらいだからすごい。ただまあ、今の年齢になってもあの台詞を言う感性はわたしにはないです;平和に平凡に生きてるので。



映画版


そして今回のリバイバル。


前は岡田くんや松潤世代だったのが、板谷さん&MEGUMI側の世代に。歳とりました。


でも今は恋愛ドラマにあまり興味がない。”すれ違い”とかめんどくさすぎてダルいし、キレイゴトすぎるのも「ウソくさ」と思ってしまう汚い大人になりました。



だから見る気はなかったのだけど、見逃し配信の再生数がすごいというのをツイッターで見て興味がわいてきました。

令和の不倫純愛はどこに向かうのだろう? 平成版とは違うのかな? というのが知りたくなって最終回だけ見ることに。


結果は「無難なところに落ち着いたな」ってちょいガッカリ。女性陣よ、普通じゃあり得ない大胆不倫したのに、最後は常識人なのか。イイヒトで終わるのか。そりゃないぜ。


ラストの一瞬でもどんでん返しの気配出してくれないかな、って期待したけど、やっぱりなかった。不倫はやっぱり悪ですか、そうですか、そうだと思います。反論はしません。


途中を見てないので、登場人物の葛藤とかよくわかんないのだけど、ヒロインの詩史さんは”1人で決めることができる”一見強い女性っぽい。でも最後は、「寂しさを埋めるために一緒にいることはできない」とのことだった。強そうに見えてそうでもない。

人間だものね。でもそれならそれで、開き直るくらいのズルさが欲しかったな。まあ、そういう終わり方は美しい物語に合わないか。


令和に描かれる東京タワーのヒロイン像は、そっかこんな感じなのか、と拍子抜け。平成版の方がちょっとした悪さもあって惹かれたような(よく覚えてないので間違ってるかもしれないけど)。

令和はサラリとした無機質な美しさ、平成はトゲや毒もありつつ妖艶さもある有機的な美しさ、という印象。永瀬廉のはかない青年っぷりは他にない魅力があるものの(これは時代というより俳優個人の特性な気がする)、女性側の性格は平成版・黒木瞳の方が好みでした。


これ、また20年くらい後にやってほしい。っていうか、どうせなら20年ごとにやってくれたらいいのに。「火の鳥」みたいな感じで。
20年後の第3弾では、永瀬廉と松田くんはヒロイン夫役とかで特別出演どうですか?


さて、20年後の恋愛観、不倫へのまなざしはどう変わっているのだろう。


わたしの大胆予測としては、

──不倫なんて隠さなくてもいいくらいオープンになっている。むしろ、コソコソ不倫して罪悪感を抱くくらいならとっくに別れる」くらい潔い恋愛観になっている──

どうでしょう?


ただ、この設定なら"東京タワー"の世界観と違いすぎて、これにする意味がないかな。

百歩譲って、20年後の世界も世論が「不倫は悪」の場合。それでもラストシーンの8年後は詩史さんが帰ってきて、お互い成長した姿でゼロから再出発する姿を見たいな。


(実は今回それを期待していたので、ラストシーンで「えっ、ほんとにこれで終わり?」と一瞬止まってしまった)


ちなみに、最近の恋愛ドラマはほぼスルーしてるけど、東京タワーと同じ永瀬廉が出ていた「夕暮れに、手をつなぐ」は好き。こちらも恋愛ドラマながら、あくまで人間ドラマを軸に構成要素のひとつが恋愛だった、みたいな感じがしました。現実を生きている人間が、人生の合間でする恋っていう方がわたしは共感できるようです。



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