小さな利益団体が国の政策を動かすことができる理由は何か? オルソン『集団行動の論理』の書評
政治学の基本概念の一つに利益団体(interest group)があります。利益団体は、何らかの利害関係を共有する人々が政策に影響を及ぼすことを意図して組織する団体であり、業界、職業、地域、民族、宗教、趣味など、多種多様な利害を代表することができます。
利益団体はロビイングを通じて政治家に働きかけ、自らの利益を増進するような政策を実現するように活動します。マンサー・オルソン(Mancur Olson)はこの利益団体の理論的分析で世界的に知られた研究者であり、彼の古典的著作『