冷戦期の米軍の変化を社会学的に捉えたThe Professional Soldiers(1960)の紹介
モーリス・ジャノヴィッツは軍事社会学の分野で業績を残している研究者であり、その主著として『職業軍人(The professional soldier)』(1960:新版1971)があります。この著作は、第二次世界大戦の終結から冷戦の初期にかけて軍隊の組織を取り巻く環境だけでなく、その内部の規範や制度にも変化が生じていることを実証的に明らかにしたものであり、19世紀から20世紀の前半に見られた軍隊のあり方が不変のものではないと主張しています。
その見解によれば、軍隊は階層化さ