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戦術を学ぶ

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戦術に関する記事だけをまとめています。
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記事一覧

論文紹介 指揮統制システムが第三次中東戦争でのイスラエル軍の優位を支えた

1967年に勃発した第三次中東戦争はイスラエルが数的に劣勢であるにもかかわらず、作戦、戦術の…

冷戦期のソ連軍は戦術核兵器をどのように使用することを考えていたのか?

1945年に第二次世界大戦が終結してから、ソ連の最高指導者であるヨシフ・スターリンは自らの戦…

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文献紹介 戦間期のドイツ軍は教育訓練をいかに改革したか?:The Path to Blitzkrieg…

ドイツ軍は第一次世界大戦が終結してから第二次世界大戦が始まるまでの間に、さまざまな改革に…

メモ 日露戦争の観察から示されていた間接照準射撃の重要性

日露戦争(1904~1905)の戦術を調査すると、それが多くの面で第一次世界大戦(1914~1918)の…

日中戦争で中国が仕掛けた交通基盤の破壊工作にどのような効果があったか?

日中戦争(1937~1945)で中国共産党を率いた毛沢東は、日本軍の脅威に対して遊撃戦として知ら…

メモ 訓練と経験が部隊の戦闘力に及ぼす影響:ラ・エ・デュ・ピュイの戦闘(1944)

1944年7月3日、北フランスのノルマンディー地方に上陸し、内陸方面に向かって前進を開始したア…

メモ 米軍のナショナル・トレーニング・センターで明らかにされた偵察の重要性

ベトナム戦争の経験を踏まえ、1970年代後半からアメリカ陸軍はさまざまな組織改革に乗り出しましたが、その成果の一つとして1980年10月に活動を開始したナショナル・トレーニング・センター(National Training Center:以下NTC)の設置を挙げることができます。NTCは、現実的な戦闘訓練や機動演習が実施されており、戦術的な教訓の普及を目指して活動してきました。 NTCで研究されてきたテーマの一つには、戦闘を勝利に導くための戦術ドクトリンの開発が含まれていま

論文紹介 80年代に砲兵戦術における無人航空機の可能性を予見しようとした研究

戦闘情報(combat intelligence)は、射撃、または移動を決心するため、何らかの処理や判読、…

殺戮や破壊ではなく、精神的な衝撃の軍事的な重要性を強調したThe Human Face of War(…

イギリス陸軍軍人ジム・ストー(Jim Storr)は戦闘における奇襲の意義を改めて確認し、その効…

論文紹介 19世紀の長い平和の後で英国海軍の戦術能力が大きく低下した理由

イギリス海軍はナポレオン戦争(1804~1815)を通じて数多くの戦闘に参加し、その能力の限界に…

メモ 機甲師団はどのような編成で運用されるべきなのか?

1955年に主権を回復し、再軍備を開始した西ドイツは、北大西洋条約機構(NATO)の一員としてソ…

第四次中東戦争を通じて米海軍が見直した空母機動部隊の戦術運用

1941年から1945年まで続いた太平洋戦争を通じて、アメリカ海軍は空母を中心に編成された機動部…

メモ フォークランド紛争の事例で考える対潜戦の重要性

1982年3月、アルゼンチンが南大西洋のフォークランド諸島を攻撃し、軍事占領に成功しました(…

情報技術の視点で20世紀の海軍史を捉え直すNetwork-centric Warfare(2009)の紹介

ネットワーク中心の戦い(network-centric warfare)とは、遠く離れた離れた部隊を広域的な通信ネットワークで結び、部隊間の情報共有、状況の変化への即応性の向上、迅速な指揮活動などを目指す構想です。1990年代に提案された構想であり、アーサー・セブロウスキー(Arthur Cebrowski)とジョン・ガルストカ(John Garstka)が提唱者として知られていますが、研究者のノーマン・フリードマン(Norman Friedman)はこの構想の発達をより広い