米国が台湾の防衛に慎重な姿勢を見せてきた理由を歴史的に考察する『米国の台湾海峡政策』(2012)の紹介
アメリカは中国と台湾に対する外交関係で「戦略的曖昧さ(strategic ambiguity)」として知られる立場を堅持してきました。この戦略的曖昧さは、中国が台湾を武力で統一するため、軍事侵攻に踏み切った場合、アメリカが台湾に派遣する戦力の規模や種類をあえて曖昧にする立場をいいます。
アメリカ政府がこのような立場を採用してきた理由については、政治学者ディーン・チェン(Dean P. Chen)が著作『米国の台湾海峡政策:戦略的曖昧さの原点(US Taiwan Strait