【僕の好きだったもの②:「大相撲」】

書いてて愉しい、僕が好きだったものを振り返ってみる、第2弾。
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その②:大相撲。
小学生時代に目覚めてハマった。
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何のきっかけか、大相撲が好きだった。
シンプルだけに奥が深い。
小よく大を制す興奮。
鍛錬の賜物と言える体躯と心。
「心技体」を求められる横綱の地位。
何か揺さぶられるものがあった。
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学校でも率先して友達を相手に、ズボンのベルトをマワシ代わりにして、相撲した。
砂場とか、中庭とか。見掛けた教頭先生が行司役をしてくれたこともあった。
当時のボクは中くらいの体つきだったが、相撲はめっぽう強かった。
「頭をつける」とか「左下手を引く」とか、研究していたので、かなりデカい友人も倒した。
そのうち、みんな相手してくれなくなった。
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毎晩、今は亡き父が仕事から帰宅すると、スーツ姿の父に「相撲しよう!」と挑みかかり、
寝室で3,4番取るのが楽しみだった。
小4くらいの頃、余りに急に僕が激しく突き当たったとき、父が手首を痛めてしまい、それから死ぬまで左手首が痛いと言っていた。これは本当に父に悪いことをした…
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もちろん、場所が始まると、5時台は必ず、早ければ4時頃からの幕内のテレビ放映は欠かさず観ていた。
あの、結びの一番が終わった後の太鼓の音、からの「600こちら情報部」への流れは最高に好きだった。
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頭の中は大相撲でいっぱい。
ゆえに、「大相撲消しゴム」を30個くらい集めて、力士にあてはめ、箱でつくった土俵で、紙相撲ならぬ、消しゴム相撲を、飽きることなく、ずーっとやり続けていた。
自分で番付を組んで、星取表をノートに書きつけて、消しゴムをトントンやって戦わせ、場所後には、独りで番付編成をして、力士の出世や勝負を妄想しながら楽しんでいた。
今でいえば、「パワプロ」をアナログでやっていたようなものだ。
ほんと、飽きずに、やり続けていた。最高に愉しかった。
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大相撲の力士って、勝敗、強い弱い、だけでなく、師匠との絆とか、故郷(当時は北海道勢が強かった)の両親への思いとか、持病と闘う姿に、これまた、小学生ながら、人生の片鱗を垣間見るようで愉しかった。
綱取りがかかる場所のプレッシャーに押しつぶされそうな、でもそれを超えていく力士の姿に胸を打たれた。
精神力って、なんて大事なんだろう、と子ども心に考えていた。
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と、きりがないので、今回も、僕の好きだった歴代力士ベスト5。
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第5位は、「麒麟児」
あの高速突っ張り、小気味のよい相撲っぷり、でも表情は何か可愛い。
その活きの良さが最高だった。先場所優勝した大栄翔も彷彿とさせる。
富士桜との一番は昭和天皇皇后陛下も喜ばれた>https://www.youtube.com/watch?v=b9Pzn99y3hQ
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第4位は、「隆の里」
いやあ、この苦労人横綱。持病に苦しみ、地力はあるのになかなか綱取りが出来ない。あの鍛えあげた肩の筋肉に、途轍もない努力の跡を見たし、控え目な巌のような人間性にも惹かれた。千代の富士とのライバル関係は最高に面白かった。苦労の末に、ついに千代の富士を破って横綱に昇進した相撲は、今見ても、涙が出る。早逝されたのが実に悔やまれる。>https://www.youtube.com/watch?v=6AALSj3DVg8
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第3位は、「巨砲」
巨砲とかいて「おおづつ」と読む。実に味があった相撲巧者。とにかく飄々とした風貌で、なんかやる気なさそうに相撲をとるのだが、なかなかどうして、しぶとい下半身で上位を苦しめる。成績も常に”微妙”。あと一歩で負け越しとか、負けが多かったので、ついつい応援したくなる。力士寿命も長かったし、なんか憎めない、可愛い人柄そのものがにじみ出るような”いぶし銀”力士だ。>https://www.youtube.com/watch?v=lpvuyLRZg74
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第2位は、「栃赤城」
あの春日野部屋で鍛えられた「栃」力士のひとり。とにかく、技がすごい。「逆とったり」とか、ものすごい体勢で大逆転勝利をしたり、聴いたことない決まり手で楽しませてくれる天才性が最高だった。「土俵際の魔術師」「くるくる相撲」とか呼ばれて、観ているだけで何か起こしてくれるのでは?というワクワクがあった。この動画でその一端が愉しめますよ。>https://www.youtube.com/watch?v=qyyGYc1eXmc
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第1位は、「蔵間」
悩んだが、僕の中の「最も美しい力士」が蔵間です。色白の端正な顔立ち。感情を露わにしない冷静さ。「大器」にふさわしいたたずまい。結局、大関にはなれなかったが、観ていて、惚れ惚れするムードのある力士だった。こういうオーラに憧れた。42歳で早逝したのが、本当に残念。>https://www.youtube.com/watch?v=Xb5oA7x-IwY
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このほかにも、突っ張りの鷲羽山、幕下陥落から大関に返り咲いた琴風、はたきこみの名手・舛田山、怪力かいなの青葉山、などなど、好きな力士はまだまだいる。
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昔の相撲は、長い相撲も多かったし、力の入る取組がたくさんあったな。
でも、これからも、大相撲、生涯、愉しませていただきます。
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…今回も、僕の”大相撲愛”に引かないでここまで読んでくださった方、ありがとうございました…

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