【僕の好きだったもの③:「長渕剛」】

まったくの個人的趣味嗜好で書きます第3弾。
学生時代、「長渕剛」にハマってました。
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長渕剛氏に(画面上で)出逢ったのはドラマ『家族ゲーム』。
かなりバイオレントで、ギラギラ熱くて、体当たりで、とことん相手のことを思う”乱暴さ”に一気にファンになった。あのエネルギーに、血がたぎる思いだった。
再放送を毎日TVにかじりつきで観てました。
家庭教師の子どもを殴ったり蹴ったり、今じゃ考えられないような内容ですが、
そこに本当の「愛情」が感じられた時代でもありましたね。
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アルバムを聴いていくと、力強さと、繊細さの二律背反な魅力にどんどん引き込まれていった。
基本的に、コンプレックスと格闘し、自分の弱さと葛藤する様子、そこから力強く這い上がろうとする心模様を描いた歌詞、すこぶるストレートな楽曲にのめりこんだ。
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とりわけ、大学進学で、上京し、杉並区永福町の6畳1間、風呂なし、エアコンなしの部屋を借り、独り暮らしを始めたころには、ことさら、心に沁みた。
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長渕剛氏の曲には、鹿児島から上京して、都会の波に飲み込まれ、身も心も都会に染められていくことへの躊躇いと反発、そして故郷や家族への切なる思いが詰まった曲が数多くある。
いつか大きい人間になりたい、打ちのめされた都会や現実の厳しさにいつか見返してやりたい、乗り越えてやる、そんな曲の数々が、心のひだに突き刺さった。自分と向き合うことの大事さも教えてくれた。
今考えると、東京への反骨心みたいなものが芽生えたのかもしれない。
それは今も糧になっていると感じる。
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僕も、上京して、初めての一人暮らし、飲み込まれるような大都会、持て余した自由、色んなことを考えていた気がする。
それ以降29年間も住むことになる「大東京」ですが、19歳の武内和久は、それなりに懊悩していたのです(笑)。そのときに側にいたのが、長渕剛の曲たちでした。
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その後、借り換えたちょっと大きな鉄筋のアパート(京王線の国領駅あたり)では、ますます大学から足が遠のいて(!)、高校の友人と毎晩のように飲んで、彼が持ってきたギターで、朝まで唄ったり、飲んだり、歌ったり、そして陽が昇る頃に眠りにつく、みたいな日々でした。なんと、自由なことだ!
彼も大の長渕剛ファンだったので、一緒に声を張り上げて歌い、コンサートに行ったりしました。
いい若き日の思い出。
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と、またもや、遠くの過去を見る目つきになってきてしまったので、好きな曲ベスト10。
きっと僕以上に熱心なファンも多いかと思いますが、あくまで個人的なチョイスです。
⑩『風は南から』https://www.youtube.com/watch?v=-7f_lrMBRjc
透き通るような声とフォルセット(裏声)がとても清々しく響き渡り、長渕剛の出発点らしい気持ちよさがよかった。
⑨『JEEP』https://www.youtube.com/watch?v=mSeK9vOQP2c
男の子ならJEEPという響きがいい。好きでたまらないJEEPの力強いイメージと心の葛藤のバランスがまた良い。
⑧『孤独なハート』https://www.youtube.com/watch?v=Uf8pDn1AGQs
うわ、これは『家族ゲーム』パート2だったか?を思い出す、聴きはじめの一曲。軽快。昭和のリズム。
⑦『カラス』https://www.youtube.com/watch?v=4zGC9qcgFPU
長渕自身のコンプレックスの塊。幼少時代の貧困への思い。都会で銭金を追うばかりの自分を「カラス」と表現する。バブル期の日本人へのアンチテーゼだったのだろうか。
⑥『いつかの少年』https://www.youtube.com/watch?v=ZenwYlpSHZ8
もうこれは、「歌うノンフィクション」。生い立ちから家族、人生について、郷里について、歌詞にちりばめられていて、鳥肌が立った。
⑤『素顔』https://www.youtube.com/watch?v=j4pDzkdFta4
「それは裏切りじゃない」「自分を責める事もない」と擁護し、相手のすべてを受け入れる。1979年、バリバリの昭和の心模様。
④『西新宿の親父の唄』https://www.youtube.com/watch?v=kmETWyBKozk
このころ、ムキムキになった剛に戸惑いながらも、この歌も、東京の一人暮らしには沁みた。「日本もクラゲになっちまった」という歌詞にどきっとする。「やるなら今しかねえ~」は今も心の支え。
③『夏祭り』https://www.youtube.com/watch?v=PRrAs_NyP_M
晩夏の切なさの奥に無常観。というと堅すぎるかもしれないが、なんとも純愛で、一緒に瞬間を大事にする気持ちがいい。ああ、これも超・昭和。
②『東京青春朝焼物語』https://www.youtube.com/watch?v=XZig8EajXF8
大学1年、これから東京で生きていく!と決意した頃だったので、やたらとはまった。井の頭線永福町の風呂なし、エアコンなし、トイレなし、のアパートで暮らしていた頃、暑い夏は冷蔵庫に頭を突っ込んで、氷を首に巻いて、体を冷やしていたな…
①『JAPAN』https://www.youtube.com/watch?v=mqmvaAz7HSE
湾岸戦争の頃、バブルの終焉を迎えつつあった頃、ニッポンとはなんだ?どこに行くのか?と漠然と感じていたころによく聞いた。日本を正面から唄う曲もめったになかったので、ぐっと引き込まれた。こんな歌詞にグッときたことを覚えている。
『強い者と 戦う時は
ただただ ひたすら 自分を信じればいい
弱い者に真実を語る時は 少しだけ気をつけろ
裏目裏目に 愛が転がる』
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お好きな方は、いつか語り合いましょう。
…今回も、引かないでここまで読んでくださった方、ありがとうございました…

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