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私たちにできることはないか…大震災を経てめばえた「防災」への思い

平安伸銅で取り扱っている商品に耐震ポールというアイテムがあります。
この記事を読んでくださっている方の中にも、ご自宅やオフィスで使用いただいている方がいらっしゃるかもしれません。
この商品は、私が会社に入るずっと前、阪神淡路大震災が発生した頃に取り扱いだした商品です。

これが耐震ポール。最近はインテリアに馴染むデザインのアイテムも開発しています。

家の中の防災を、果たしてどれくらいの人が意識しているんだろう

地震が多い日本において、家を選ぶ時、耐震基準を満たしているかどうかは皆さん確認されると思います(法令にも定められています)。でも、その家の中に置いている家具についても、同じように関心を持たれているでしょうか。

家具が固定されていないことによって、地震の際、棚などの大きな家具が倒れて身に危険が及ぶかもしれないのはもちろん、避難路がふさがれたり、電化製品が倒れて火災が発生したりと、二次被害に巻き込まれる確率が高くなります。大地震ではテレビやレンジなどの家具は「倒れる」のではなく大きな揺れで「飛ぶ」とも言われています。

2021年夏ごろ研究機関で自社商品の性能を検査する振動実験を実施

さらには、人口が多いエリアでは避難所の受け入れ人数に限界があり、耐震がしっかりしている住宅は自宅にとどまる「在宅避難」を勧めている地域もあります。家自体が崩れなくても家の中の家具がぐちゃぐちゃになっていると非日常の環境にさらなるストレスが加わってしまいます。
家自体が大地震でも潰れないことはもちろん、家の中の対策も重要なのです。

でも現状、家の中の防災への感度は日々の暮らしの中でそこまで高くないのでは、とも思っています。平安伸銅の耐震ポールも、大規模な地震が発生した時にユーザーの関心が高まります。もちろん、そういった出来事をきっかけに防災を見直すことは大切です。
ただ、もっと普段からその重要性を知ってもらうことはできないか、そのために平安伸銅としてできることはないかと考えています。

実験には防災士仲間の水口綾香さんにもサポートいただきました。

「力になりたいのに、何もできなかった」東日本大震災で感じた後悔

それを強く思ったのは東日本大震災の時。
テレビから流れてくる映像にショックを受け、何か力になれることはないのか、できることはないのかと色々考えました。
でも当時は平安伸銅に入社して1年くらいしか経っておらず、売り上げも伸び悩んでおり、会社として危機的状況を迎えている時。震災を契機に耐震ポールに注目が集まり、全国的にもお求めいただいたのですが、それでも会社を存続させることで精一杯で、結果として何もすることができませんでした。


震災から1年後に訪れた東北。


何か力になりたいのに、何もすることができなかった。
会社を立て直すべく、走り回っている中でもこのことはずっと頭の中に引っかかっていました。
関心が高まった時に耐震ポールが売れて終わりではなく、会社としてできることはないか。
地震が発生する前に、誰かの命や暮らしを守ることに貢献することで、社会に還元することができないか、と。

防災士の資格取得を通じて見えた課題、次の目標

そして今、会社の仕組みが整い、一緒に働くメンバーが増え、できることが増えてきた中で、改めてこの課題に向き合おうと、昨年防災士の資格を取得しました。

家の中の防災に必要なものは何か、ちゃんとした知識を身に着け、また防災に携わる方々が何を考え何を求めているのかを知るためです。
調べれば調べるほど、地震や防災は奥が深い分野であることも改めて分かりました。

相手は自然災害、どんな揺れ方をするかはその時々によりますし、家の中の防災、となると、置く家具の位置も、置くもの自体も、何人でどんな暮らしをしているかも人によりさまざまで再現性がありません。

これ!という明確なソリューションがそりゃもう、めっちゃムズい。
(余りにも奥が深くて入り込みすぎて、「大学に入りなおして物理学もっと勉強しようかな」と夫に言ったら「それはかよちゃんが果たそうとしている役割とちょっと違うんじゃない?」と止められた)

それでも、前提をもっと学べば、私たちにできる解決策も出てくるかもしれない。
そしてつっぱり棒で挑戦したように、発信役として家具固定や防災の大切さを伝えたり、ユーザーと商品をつなぐことができるかもしれない。
そうやって、もしもの時、一人でも多くの人の命や暮らしを守ることで、社会に少しずつ還元していくことができれば。

私に、会社にできることをこれからも探求していきます。


2023年1月17日ラジオ大阪「新しいあなたの朝に!ハッピー・プラス」(8:00~11:00)で家具固定の大切さについてお話させていただきました。


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