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日用品メーカーの経営者になったのは運命?幼いころから愛してやまないものは。

おしゃれは好きだし流行も追いかけたい派です。

ファッション雑誌を眺めてうっとりすることもあれば、新入社員の子たちが身に着けているものを見て今の若い子の流行りを勉強したりもします。

どちらかといえば新しいものにどんどん興味が移ろうタイプで、長く続けているものや、こだわりが強いものはあまりありません。飽き性だなあと罪悪感を感じたりもしていましたが、今はそういうタイプの人間なんだと割り切っています。

好きなファッション雑誌を読むのが至福の時(娘が置いていったミニオンを添えて)

ただ、そんな私にも、長年愛してやまないものがあります。食器や雑貨など日々の暮らしで使う細々としたアイテムたちです。

小学生の頃、誕生日プレゼントに当時憧れだったAfternoonTeaのティーセットを買ってもらったことに始まり、その後は地域に根差した工芸品や手仕事で作られたものに興味を持ち、丹波焼、やちむん、手仕事で作られたガラス容器など、色々と自宅に招き入れました。他にも、アメリカの木工工芸品のまな板、ギリシャの可愛い柄のふきんなど、海外に行くたびに何かしらスーツケースに詰めて持ち帰っています。

並べてみると統一性のないちぐはぐなものたちですが、いずれも日々手に取って長く愛用し続けています。(こういった嗜好はかっこよく言えば「エクレクティシズム」とか「折衷主義」とかいうらしい)

そのアイテム自体に込められた物語もそうですが、それを手にした時の思い出や感情がよみがえってくるものを長く愛用したいと思うのかもしれません。

丹波焼は、祖父から譲り受けたコップと似たものをたまたま民芸品の図録で見つけ、縁を感じて窯元を訪ねた際に買ったもの。今では、丹波焼の陶器市に毎年通うようになり、祖父との思い出にも浸りながら、どんぶりやお茶碗など、少しずつ買い足しています。
アメリカの木工工芸のまな板は、大学生の頃、ホームステイ先でホストファミリーと地元の工芸屋さんに出かけた時に何気なく「このまな板可愛いね。」と言ったらあれよあれよとレジに持っていかれてプレゼントされたもの。ホームステイのお土産にまな板!?と最初は思ったけれど、つい最近壊れるまで使いました。

他のアイテムたちも、その来歴を語りだすとキリがないくらい。

旅行のたびに色々買うのも、その時々の思い出を持ち帰りたいという思いもあるのかもしれません。


少しずつ集めている丹波焼の器たち

そんな、手仕事にこめられた物語や、それを手にした時の思い出が詰まっているアイテムたちが愛おしい。

そしてそれらを日々手に取って使ったり眺めたりするのがたまらなく好きなのです。

新聞記者から日用品メーカーの経営者になったのも、家業だったとはいえ運命的なものを感じます。

そうやって、こつこつと自宅に招き入れた、ちぐはぐなアイテムたちが集結したキッチンは、わたし的にはしっくりと、大変満足なもので。


以前の自宅にはガラスキューブを埋め込んだ可愛らしいキッチンカウンターをつくり、見せる収納にもこだわって愛おしいアイテムたちを並べました。
それはそれはもう理想の空間になっていたので、つっぱり棒や収納の企画で自宅に取材が入る度、「もしかして、これをきっかけに『おしゃれインテリアハウス』みたいな企画でも特集されちゃったり??」とそわそわしたのですが・・・・

残念ながら「つっぱり棒を活用した家」以外の取材は今のところお声がかかっていません。

そういえば、キッチンを作ってくれた施工会社の方にも、施工事例としてぜひ取り上げてください!と言ったのですが、未だにお声がかかってないな・・・。


私の「愛おしい」は、世間が感じる「おしゃれ」とはどうやら違うようです。

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