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忘年会と暑気払いが豪華な理由はサービス研修とイソ弁の経験値アップのため

アルシエンは自由人の集まりなので、みんなで集まって何かをするというイベントはほとんどありません。

事務所の公式行事は忘年会と暑気払いだけです。

その代わり、その2つは豪華な自信があります。弁護士の採用面接でも事務スタッフの採用面接でも「暑気払いと忘年会は豪華です!」とアピールするくらい自信があります。

昨年(2020年)の忘年会は新型コロナウィルス第3波の影響で開催できなかったのですが、暑気払いは神楽坂の名店、虎白を貸切りました。
どうしても事務所メンバーみなに味わってもらいたく1年近く前から貸切のご相談をさせていただき、無事に実現できました。
ちょうどコロナ流行期の谷間でGotoEATキャンペーンなどもしている時期でしたし、お店も貸切で第三者との接触リスクもないですし、小さなテーブルに別れて最大4人までの席にしたり、挨拶や乾杯を無しにしたりと工夫しながら開催しました。

2019年の暑気払いはトゥールダルジャンで鴨をいただきました。
20人以上が一つのテーブルで会していただく光景は圧巻でした。

暑気払いより忘年会の方がふさわしいかという意見もあったのですが北先生の

食べたいときに食べておかないといつ食べられなくなるか分からない

という名言によって、暑気払いで行くことになりました。

2019年の忘年会はシェ・イノで名物マリアカラスをいただきました。

ガラス戸の個室なので、20人以上で忘年会をしたら声が漏れて他のお客様にご迷惑にならないか心配だったのですが、予約の際に相談したら、「食事は楽しくいただいてくれた方が嬉しい」と気さくに仰っていただきました。

2018年の暑気払いは北先生行きつけのクラフタルを貸し切り、特別メニューを出してもらいました。
グルマンである北先生のご参画によりお店のレパートリーが増えました。

2018年の忘年会は帝国ホテルのレ・セゾンでした。

暑気払いが創作寄りのフレンチでしたので、ど定番のフレンチにしようと考えました。これまた北先生のお知り合いがいらしたこともあり、料理もさることながらサービスも丁寧で、高級なのにくつろげるという素晴らしいお店でした。

2017年は、暑気払いがマンダリンのセンス、忘年会がシェ松尾。

それより前になるともう順番は忘れてしまいましたが、残念ながら閉店したクレッセント、銀座レカン、富麗華、チャイナブルー、現代の名工に選ばれたうなぎの野田岩などいずれも名店ばかり行っています。

行っているお店を見ていただければ分かるとおり、知る人ぞ知る名店ではなく、いわゆる有名店をチョイスしています。

もちろん費用はパートナーのみで負担しますので、勤務弁護士や事務局スタッフからは1円もいただきません。
クレッセントの時は私は風邪で欠席してしまったのですが、お金だけ負担しました。家で一人で(インフルだったので家族も実家に避難していました。)コンビニの鍋焼きうどんをすすりながら、今頃みんな美味しいフレンチを食べているのだろうなと悲しくなったのも、今となっては良い思い出です。

このように自分たちでも胸を張って言えるくらいアルシエンの暑気払い、忘年会は豪華なのですが、豪華にしているのにはそれなりに理由があります。

理由① 参加してほしいから

一つ目の理由は純粋に事務所のメンバーに参加して欲しいからです。

アルシエンは自由を大切にする事務所であり、暑気払いも忘年会も公式行事とは言え、当然自由参加です。参加したくない人は参加する必要はありませんし、無理に予定を合わせて参加する必要はありません。
現に参加しない人もいますが、だからと言って誰も何も思いません。

忘年会スルーも全然OKです。

ただ自由参加だからこそ、みんながぜひ来たくなるような有名な高級店で釣ろうという浅はかな魂胆なのです。

理由② 上質なサービスを味わおう

二つ目の理由、これが主な理由なのですが、それは事務所メンバーに上質なサービスを経験してもらうためです。

弁護士も広い意味ではサービス業です。
しかも弁護士費用は他のサービスに比べて高価格なサービスです。

2003年に妻(当時は友人)から薦められて読んだ「ディズニー7つの法則」にディズニーのライバルはどこかという問いかけがありました。


曰くディズニーのライバルは他のテーマパークではない。ディズニーランドにはレストラン、ショップ、宅配の受付があり、全てパークの外に同じサービスを提供する事業者がいる。それらと比べられるのだから全ての業種がライバルなのだということです。
※記憶で書いているので、間違っているかもしれません。

これを読み、サービス業は全て業種がライバルなのだと理解しました。

そのことをとても強烈に覚えていて、アルシエンを開設したときに、弁護士に依頼するお金があれば他の業種でどのくらいのサービスを得られるのか体感してもらい、それを法律事務所のサービス提供に活かしてもらおうと考えました。

電話対応や来客対応などサービスの最前線に立つのは事務スタッフですので、事務スタッフに最高のサービスを味わってもらうというのは、事務所のサービス向上のためにとても有益なのではないかと思います。

今でこそそこそこ大きな事務所になりましたが、開設当初の10年前から暑気払いや忘年会だけは豪華にしています。

これは暑気払い、忘年会は事務所メンバーのサービス研修の意味を込め開催しているからなのです。

理由③ 勤務弁護士に良い店に慣れてもらうため

3つ目の理由は、勤務弁護士に良いお店の雰囲気に慣れてもらい、いざというときに物怖じしないようになってもらうためです。

これも恩師である小笠原耕司先生の受け売りです。私の事務所運営方針は、本当に小笠原先生の受け売りが多いのです。

小笠原先生は私たち勤務弁護士をいつもいつも美味しいお店に連れて行ってくれました。銀座レカンも最初は小笠原先生に連れて行ってもらいました。独立して10年以上経ちましたが、未だに小笠原先生に教えてもらったお店を何軒も愛用させてもらってます。

ある日、私は小笠原先生との食事の際に、何で依頼者や顧問先の社長が同席するわけでもないのに、勤務弁護士をこんなに良い店に連れて行ってくれるのか聞いてみました。

それに対して小笠原先生は以下のように答えました。
ちょっと脚色していますが、概要は

いつか武内くんもお客さんを接待したり、お客さんから接待されたりするようになるでしょう。
いざ接待をしなければいけないときにどういうお店に行ったらよいか分からないと困るし、イマイチな店に案内して「弁護士なのに・・・。」と思われてしまっても困るでしょう。背伸びして良い店を選んでも、行ったことがないとドキドキしてしまうし、接待に失敗しちゃうかもしれない。

それに弁護士は誘惑が多い仕事だから、接待された時に思いがけない高級店に連れて行かれて舞い上がってしまいその結果取り込まれしまうかもしれないし、そうじゃなくてもお客さんと一緒に行って物怖じしていたら格好悪いよね。

いつか独り立ちしていく勤務弁護士たちが、いざという時に困らないように練習になるようなお店を選んでいるのだよ。

とってもかっこ良い回答ですよね。

上から受けた恩は、下に送らないといけません。

さすがに日頃からというのは難しいので、アルシエンでも、せめて暑気払いと忘年会くらいは良いお店に行って、勤務弁護士に名店の味、サービス、雰囲気を経験してもらうようにしています。

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