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医師はテロリスト 03 医師はカルテを見て患者を診ず

前回02はこちら

前回02で話したように、医師の最初の主戦場は病棟です。しかし病棟は看護師の管理下にありかつ医師と看護師はほとんど会話をしません。

ただ患者の状態をより多く知っているのは看護師です。そこで医師が患者を知るためには、患者情報を看護記録などのカルテだけで辿ります。病棟の医師はカルテが友達なのです

この病棟での一連の風習は医学生の病院実習の時から始まっています。医学生も医師見習いとして朝のカンファレンスで受け持ちの患者についてプレゼンしなければならないのですが、プレゼンをするに当たり詳しいデータとかがカルテにたくさん書いてあるもんだからみんなカルテと友達で患者を診ないのです(もっとも見た目は問題なさそうなのに実は検査値がヤバくて死にかけていることもあるので、カルテを見るのも必要ではあるのですが)。おかげさまで医学生の約半分は各科で受け持ち患者を持ったのに一度も患者を見ていないという経験をしています。もはや何のための病棟実習か謎です。

まあ医師になってから初期研修で町中の病院に行けば朝カンファレンスの前採血を自らの手でやるので患者に触れるようになるのですが、大学病院就職の場合は看護師に任せっきりですので本当に患者に会わない医師もいます。大学病院の医師が見ているのはカルテであって患者ではないのです

まあ朝カンファレンス後に回診で患者をちらっとは見るのですが、カルテしか見ない医師は当然想定外の事態を想定できませんから昔からパーツドクターと言われていましたし、このご時世でコロナが流行った際に回診を通して院内感染を繰り広げたテロリスト医師となったのです。看護師がどんなに慎重に患者を扱っても医師がないがしろにしてしまうのです。

ではただ大病院の医師ほど患者を軽視する理由は他にもあります。次回はそれについて綴ります。


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