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医師はテロリスト 05 医学生は勉強だけが全てと思っている

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残念ながら多くの医学生は教科書を読み込む勉強だけが正義・勉強だけが全てと思っています。そしてそのままの思考でテロリスト医師になるのも大勢います。

ではなぜ医学生は勉強が全てと思うのでしょうか。

医学生になるためには、大学の医学部医学科に入学する必要があります。推薦入試や指定校推薦などもありますが、ごくわずかなのでほとんどの人は一般入試を受験します。ちなみに推薦入試はオリンピックに行ったレベルですごい人でないとまず通りません。

一般入試は筆記試験と面接試験に分かれます。筆記試験は国公立大学や私立の一部では大学入試共通テスト(かつてのセンター試験)の受験も含みます。

国公立大学の場合は大学入試共通テストの成績で、私立大学の場合は筆記試験で足切りを行います。そして残った募集定員の3倍程度の人たちを対象に二次試験の面接を行います。

ただ、この面接試験はよほどヤバいやつでないと落とさないため、実質筆記試験の成績順で合否が決まります。つまり他の学部の入学試験と仕組みはさほど変わりません。

要はお勉強ができれば医学生になれるのですが、その関門は非常に狭くなっています。

そもそも一般的に大学は浪人入学より現役入学の方が多くなっています。上位私大の早稲田・慶応でも文系は8割、理系は6割が現役合格です。そのほかの私大ではたいてい現役比率が多くなることが多いです。

医学部の場合も国公立や上位私大は現役合格者は6割程度になります(まあ順天堂大学みたいに明らかに浪人に不利な合格基準を敷いているところでは現役合格率9割になることもありますが)。

ただ、医学部では偏差値が下がるにつれ現役合格率がどんどん下がります。以下が私のいた底辺私大でのおおまかな現役浪人割合です。

社会人経験者 約10%

4浪~7浪 約5%

3浪 約5%

2浪 約15%

1浪 約45%

現役 約20%(121人中24人)

そう、底辺医大では現役合格者は約20%しかおらず、圧倒的少数派なのです。それもそのはず、医学部医学科受験者合格率は各校10%程度しかいないのです(国公立大学は事前に足切りして諦める人が多いので、見かけ上合格率が上がっているようには見えるが)。つまり何浪しても医学部医学科に入りたい人が多いのです。

ちなみに私のいた底辺医大は、県の奨学金の関係もあって現役と1浪はほぼ公平に入学試験の採点を行っていますが、2浪は2月中までしか補欠合格連絡が来ない、3浪以上は補欠合格が一切ないなどの入学者調整は行っていました。ちなみに私の在学中に試験方式を変えたところ入学者の女子割合が3割から4割に増えたので、我が底辺医大は性別による入学者調整は恐らく行っていません(もちろん例の事件以前から)。このような入学者調整は公表することはないので、あくまで実際に学生に聞き込みをしたことからの推測にはなってしまうのではありますが。

ちなみに2015年以降に2校の医学校が新設しましたが、入学者調整を一切行わなかったところ2浪入学者が一番多かったようです。

では合格者別に特徴を見ていきましょう。現役で医学部の合格する人は、底辺私大であってもたいてい素で頭の回転が速い人です。それは幼稚園の時からそうなのか、高校で身に着けたのかは人によりますが、お勉強以外にも人より長けている趣味があることが多いです。このような他にもたけていることがある人はお勉強だけが正義のテロリストにはならず、まっとうな社会人になることが多いです。

また1浪の場合、医学部入試への取り組み方が分からなかったために浪人していることがあります。この人たちは予備校で医学部入試への取り組み方が分かればすぐに受かる人たちですので、人より長けている趣味があることから多くお勉強だけが正義のテロリストになることは少ないです。ただし多くの1浪生はその限りではありません。

さらに社会人経験者は文字通り一度大学を出て社会人を経験してから医学部に入ってきているので、当然社会人常識を身に着けています。この人たちはまずテロリストになりません。

が、社会人経験のない2浪以上(多くの1浪を含む)で医学部に入った人は、たいてい頭の回転がほかの医学生より遅く、浪人して予備校に行って医学部入試に特化した訓練をしないと受からない人たちです。この人たちはお勉強さえすれば医師になれると信じきっており、もはや訂正ができません(これを妄想という)。このような機動戦士Ζガンダムにおける強化人間のような人たちは何かの拍子にとんでもないことをしでかしテロリストになるのです。

ただ、たとえ現役合格していてもお勉強だけが正義と思っている人はテロリストになりえます。油断は禁物です。

またこのお勉強だけが正義の強化人間思考を持ったテロリスト医学生は、合わせてさらに悲惨な性格を持っていることが多いです。次回はそれを綴ります。


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