「白シャツ似合わない」問題

「白シャツ似合わない」問題

竹林秋人(旧名物)

 いきなりコンプレックスの話から始めて恐縮だが、自分の顔が好きではない。
 いわゆる醤油顔である。目立つパーツがない。目は特に小さい。笑うと線にしかならない。印象がない。ここ10年以上はそれなりに存在感のある黒ぶち眼鏡をしていることもあり、鏡の前で眼鏡を外すと、映る男が自分ではない気さえする。カオナシである。
 そして、「顔の印象が薄いコンプレックス」は服選びに影響する。派手な原色の服と、無地の白の服が似合わない気がしてならない。ああいう服は、顔の濃いワイルド系イケメンが似合う服であり、和風薄味の顔には似合わないのだ。藤井風とか、平井堅とか、そういう人がさっぱりと着こなして原宿辺りを闊歩するのだ。私は品川か新橋のサラリーマン辺りがお似合いなのだ。残念なことに。
 問題なのは、原色の服はさほど興味がないが、白シャツは好きなのである。地味な色だが、素材のいいシャツをさらりと着こなせる、というのに憧れがある。ジャケットを羽織るのも割と大人っぽくて良い。今なら会社だって行ける。
 でも、自分に似合う自信がないのだ。だから、この年になるまで一枚も買ったことはない。

 そんな自分だが、最近、久々にシャツを買おうか悩んだ。
 きっかけは、意外に思われるかもしれないがライター講座である。
 現在、私はBatons Writing Collegeというライター講座に通っている。講師は、ベストセラー『嫌われる勇気』でも知られる古賀史健氏。
複数回の講義に参加して、あることに気がついた。
 大体白シャツなのである。靴はニューバランスが多いが、革靴のこともある。ズボンは、多分幾つかバリエーションがある。上着はジャケットでほぼ固定。そして、白シャツは毎回固定である。そして、ファッションの決め手は白シャツにある気がする。というか、見れば見るほど、「多分、これ、いいシャツだろうな、、、」と感じる。
 自分の中で「憧れの人と同じ格好をする」というのは、どちらかと言えば、好きな行為だ。「誰かから何かを学びたければ、言葉を聞くんじゃない。その人の存在自体を広く見て、近づくようにするんだ」。ある時、こんな言葉を聞いて、納得したことがある。学びは言葉だけではない。服を真似るのも、その一巻。
 だが、さすがにライター講座の質疑の時間に「着ているシャツは何ですか?」とは聞けない。それは、さすがに変な奴過ぎる。飲み会で横になっても、そんな話は出来ない。いや、してもいいんだけど、他の話すべきことあるだろ。ちょっと出来ない。
 ということで、謎は謎のまま終わるかと思いきや、、、なんと古賀さんがnoteにその話を書いてくれた。The Shopというお店らしい。

 実は、もう試着に行った。善は急げである。
 横浜駅の最新ショッピングモールのNewmanに、このTシャツが売られているThe Shopは入っている。着てみると、それほど悪くない。Lを着るとやや大きめのデザインだが、恐らくパターンがしっかりしているせいか子供っぽくない。かなり地厚の生地も良い。妻に見せても、珍しく白シャツで駄目出しされない。良いシャツだ。流石に超一流ライターがわざわざnoteに書くだけはある。
 が、、、高い。税込9,350円。過去Tシャツにここまで出したことはない。でも、全く出せない値段ではない。例えば、ワイシャツならこのぐらいは平然と出す。別に妻と二人でご飯を食べて9,000円超えても気にならない。でも、Tシャツだ。しかも無地だ。1万円弱も出すのか。うーん。。。。
 その日は時間がなかったこともあり、結局購入しなかった。それが、もう今から二週間以上前の話だ。欲しい、とは思っている。でも、なんとなく手が出ない。このチャンスを逃すと、より出しづらくなる気がする。

 嗚呼、いつになれば白シャツにいつたどり着けるのだろうか。

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竹林秋人(旧名物)
ライター修行中。