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「5年後も、僕は生きています ㉛はじめて「時空の杜(そらのもり)」へ行く

今日も、このnoteにご訪問頂き、ありがとうございます。
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何かのご参考になれば、嬉しいです。


僕自身の体験と気づきの「生還記」です。肺がんステージ4宣告から、生還までの体験記(2016年9月~2017年7月まで)です。
発売以来のロングセラーとなっています。
斎藤一人さんからもご推薦いただいております。
何かのご参考になれば光栄です。
(Amazonカテゴリ別/闘病記/発売後ランキング1位・終末期医療1位)

新刊です。
山川紘矢・山川亜希子さんご夫婦から絶賛いただいております。
亜希子さんからは「絶対に読んでおくべき3冊の1冊」とご推薦をいただいています。



「5年後も、僕は生きています」第1話から読みたい方はこちらからお読みくださいね。

では、「5年後も、僕は生きています」第31話です。

㉛はじめて「時空の杜(そらのもり)」へ行く


2018年10月初旬に、出版社から連絡が入りました。

6月末に書き上げた原稿の修正が終わったのでチェックをお願いしたい、とのことでした。

僕はさっそく出版社に出かけました@p。

原稿に目を通すと、後から編集者が筆を入れて修正したところが分かりました。

そこそこのボリュームの修正が入っていました。ざっと読んでみて、僕の伝えたいことの他に、編集者が世に訴えたいことも、それなりの量が書き加えられていました。

ま、いいか。全体的におかしくもなかったし

見ようによっては、よりいい内容になってるし。

僕は原稿にオッケーを出すと、出版社の人と今後の方針を話しました。

そこでお互いの考えのちょっとした違いが明らかになりましたが、それに対して僕は自分の意見を言って出版社を後にしました。

やっと出来あがったな…

出版は2月くらいって言ってたっけ…

その約ひと月後、11月10日に僕は長野県・菅平(峰の原)高原にある『時空の杜(そらのもり)』に呼ばれました。

『時空の杜』HPはこちら

時空の杜
白樺に囲まれた聖なる空間
時空の杜から見た北アルプス

僕が退院した後、お世話になったヒーラーの河野修一さん経由で、「リトリート(宿泊研修)」のゲスト講師として「ガンからの生還体験」を話してほしい、とのことでした。

僕は尊敬している河野さんと一緒にリトリートが出来るうれしさもあり、即答で行くことを決めました。

標高1500メートルの菅平高原リゾートの中、さらに最も高い場所に1万坪の白樺に囲まれ「時空の杜(そらのもり)」は“凜”と建っていました。

清浄な空間に、透き通った空気が気持ちよく流れていきます。そこに静かに、しかし、しっかりと地に足をつけて建っている、そんなふうに、僕は感じました。

「こんにちは、よくいらっしゃいました」

『時空の杜(そらのもり)』オーナー中澤さんと奥様の恵子さんが、気持ちよく出迎えてくれました。

このお二人にはその後、とてもお世話になることになります。


中澤さんはここのオーナーであるとともに、“建築家”という顔と仕事も持っている多才な方でした。

「今回のリトリートの先生をしていただける、岡部先生です」

「こんにちは、岡部です」

そこにはもう一人の講師、マクロビオテック(食事療法)の日本の第1人者のひとりである岡部賢二先生もいらっしゃいました。

岡部先生HPはこちら


今回のメインは「ブチ断食」で体をきれいにしましょうね、というものでした。

「時空の杜(そらのもり)」としても、このようなリトリート(宿泊研修)は初めての企画、実施とのことで、みんながワクワクしていいました。

「今回は、岡部さんと、河野さん、そして刀根さんの三人の講師の先生で行こうと思っています」

「はい、こちらこそ、ありがとうございます。僕でお役に立つのであれば、うれしい限りです。よろしくお願いいたします」

このリトリートは「プチ・断食」と名前がついているように、土曜日の午後から月曜日の午後まで、約2日半ほどの断食を行います。


「断食、したことがありますか?」

久々に会った河野さんが、ニコニコしながら僕に聞きましたm。

河野さんHPはこちら

「いえ、初めてです」

「気持ちいいですよ。身体が清浄になるのが分かります。体調も良くなりますよ」

「そうなんですか? おなかすかないですかね?」

「それがね、全然大丈夫なんですよ」河野さんはいたずらっぽく笑いました。

二日半もなにも食べずにいて、おなかが減らないわけがない、と僕は思いました。

ボクサーたちの減量だって、絶食するのは厳禁になっています。

身体にガソリン(食べ物)を供給しなくて、大丈夫なんだろうか?

荷物を置いて一休みすると、さっそく岡部先生の講義からリトリートが始まりました。

このプチ断食は、全くの絶食ということではなく、岡部先生の特製のドリンクやお茶を飲んだりしながら3日間過ごしていきます。

岡部先生は言いました。

「身体の調子が悪かったり、病気の時に食べるのは人間だけなんです。基本的に動物は食べません。

なぜなら、そのほうが身体にとっていいからなんです。動物たちは本能でそれが分かっているんですね。

人間は栄養をつけろとか、食べなきゃだめだとか、頭で考えて身体の声を聴いてないから、不健康になるんですよ」

「病気だから『食べろ、食べろ』と言って病人にむりやり食べさせると、本来は身体を修復したり回復したり、細菌をやっつけたりするときに使うエネルギーが、消化のほうに回ってしまって、逆に回復が遅くなってしまうんです」

なるほど、そうか…

そういえば、ガンの治療でも『断食』を推奨している医師やクリニックがありました。

岡部先生は続けます。

「身体の外から得る栄養分が枯渇すると、身体自体が食べ物ではなくて、自分の身体の材料を使って再生を始めます。

自分の身体の中の材料を使って、自分でタンパク質を作り出すんです。

これをオートファジー、自食細胞と言いまして、細胞内の浄化とリサイクルの働きのことです。これで東工大の大隅先生がノーベル賞をとりました」


「その再生に使われる材料は、細胞内にたまった不要なタンパク質などの不要物質、つつまり、ゴミですね。

そして有用なところは細胞質に戻して再利用に使われるわけです。つまり、体の中の大掃除が始まるわけですね」

「オートファジーは細胞質内に侵入したウイルスや細菌を取り除く防衛機能の働きも持っていて、細胞内のミトコンドリアに損傷が見つかると、それを壊す機能もあります。

ミトコンドリアが傷つくと、通常の10倍以上の活性酸素が体内に放出されますので、腎臓や肝臓といった既存の解毒システムでは対応できなくなるのです。

こうした致命的な欠陥を防ぐための安全装置がオートファジーとも言えます」

「マウスの実験では、えさを与えるのを止めてから6時間で肝細胞のオートファジーが働きだし、24時間もすれば全身の細胞でオートファジーが活性化することが確認されています」

「人間の場合、24時間の断食で肝臓のオートファジーが活発化し、3日間の断食で全身のオートファジーが活性化されるといってもいいでしょう」

「オートファジー機能を活性化できれば、アルツハイマーやパーキンソン病と言った神経細胞のダメージによる疾患の改善につながるだけでなく、ガン細胞による遺伝子の傷を修復したり、腫瘍の発生を抑えたり、細胞を常に新鮮な状態に保てるので、老化も防ぐことが出来ます」


僕にとって岡部先生の話は、目からうろこが落ちるように新鮮で斬新でした。

僕はガンが体中にあったとき、食事のことは妻に任せっきりにしていたので、こういったことは何も知りませんでした。

食事に興味のある勉強好きの妻なら、ある程度は知っていると思います。

僕はこの講義を妻にも聞いてほしいな、と思いました。


岡部先生の講義が終わると、次は河野さんの実践ワークでした。


河野さんは僕も南伊勢で教えてもらった「ビーイング・タッチ」の初めの部分、「自分のエネルギーを感じながら動いてみる」をみんなに教えてくれました。

目をつぶって自分の中に流れているエネルギーに意識を向けてみる。


すると不思議、たしかにそれは流れている。


その流れが右に流れていれば、身体ごと右に動いてみる。

上に動いていれば、少し反り返る。そうやって身体の流を感じながら、その流れに逆らわずに一緒に流れていく…。

「“快”方向を感じてください」

気持ちがいい、という方向へ、抵抗なく流されていくのです。


僕たちは普段、考えてばかり、頭の中でおしゃべりをしっぱなしです。

しかも多くの場合、そのおしゃべりは「ネガティブ」なことがほとんどです。

それは約80~90%と言われています。

その理由は、それをしゃべってる「思考」つまり「エゴ(「自我)」はサバイバル・プログラムだからです。

問題解決のプログラム、それが「自我(エゴ)」、つまり、僕たちが「私」と呼んでいる「自己認識、自己概念」だったりするのです。

エゴは問題に意識をフォーカスしますから、ネガティブなのは当たり前なのですl。

それが「エゴ」のお仕事なんですからね。

では、このおしゃべりを止めるには、思考の暴走を止めるには…

「感じること」なんですね。


僕たちは「感じている」ときには「考えること」は出来ないんです。

だからこそ「感じること」が大切になってくるんです。

そういう意味でも、この「感じるワーク」は、自分の「感じるセンサー」を取り戻すための大切なワークと言えるでしょう。
エゴのおしゃべりをいかに静かにさせるか、それは古今東西の賢者たちが共通して探り、実践してきたことでもあるのです。

呼吸法や瞑想などもそのメソッドのひとつです。

共通するのは、最初は「感じること」からスタートするということです。

エゴのおしゃべりが止んだとき、はじめて心の平安がやってくるのです。


夜になりました。

『時空の杜』の食堂兼ワークルームに、見慣れない石やガラスで出来た様々な大きさの器がたくさん並んでいました。

クリスタルボウル



「これは、何ですか」

「これはね、クリスタルボウルですよ」

中澤さんが答えました。

「クリスタルボウル? えっと、楽器ですよね」

「そう、僕、演奏できるんですよ」

中澤さんはそう言って、いたずらっぽく目を輝かせました。


「叩くんですか?」


「叩きもしますが、こうするんです」

中澤さんは皮が巻いてある木の棒を手に取ると、器の縁をゆっくりとなぞりはじめました。

コ~ン

澄んだ音が響き始めした。

まるでその音で空間が浄化されていくようでした。

「おお~、すごいですね」

「クリスタルボウルの大きさによって音が違うんです。周波数が変わるんです」

中澤さんはさっきよりも小さなクリスタルボウルを、ゆっくりとなぞりはじめました。


キ~ン


「おおお、面白いですね。僕もやっていいですか?」

「もちろんです、お好きなものでやってください」


僕は同じように縁をなぞってみました。

シュシュ~


かすれたような音が出ました。

なかなかきれいな音は出ませんでした。

「難しいですね」

「いえ、コツをつかめば誰でもできますよ」

そう、いまでは僕もきれいな音を出すことが出来ます。

みなさんも「時空の杜(そらのもり)」のご訪問の際には、ぜひクリスタルボウルを体験してみてください。

「明日の午前中、刀根さんのお話の時間ですからよろしくお願いしますね。それじゃ、おやすみなさい」

中澤さんはにこやかに事務所に帰っていきました。

そうか、明日は僕が話す番なんだな。

僕は仕事で人前で話すことは慣れていましたが、ガンの話をするのはこの時が初めてでした。

翌日に何を話すのかは、全く考えていませんでした。


こういうときは、考えたり準備をしないほうがいいのです。

そのとき、その場で感じたもの、流れに身を任せて話す方が、最適な言葉が出てくるのです。


それはいま(2022年4月)でも同じです。

流れに身を任す…サレンダーですね。

自分でコントロールしようとしないことが、大事なのです。

所詮、自分(エゴ)なんてちっこいですから


  「我という、小さきものを、捨ててみよ。三千世界が 我にとぞなる」               (夢窓国師)

  ※三千世界…宇宙

そうそう、5月13日~15日にこの「時空の杜(そらのもり)」でリボーン(再誕生)リトリートやります。

前回の記事の舟橋さんとのコラボ・リトリートです。しかも舟橋さんの施術料込みの料金で、大変お得です。

僕の講義・ワークと舟橋さんの施術が体験できます。一緒に「リ・ボーン(再誕生)」しましょう。

ご興味のある方は、ぜひいらしてくださいね。

詳細は下記もしくはこちらへ。



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