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病気のもと②「逃げるか、戦うか」

病気のもと、第2回です。

今回は自律神経についてです。

僕たちはつねにストレスに囲まれて生活しています。

ああ、あの仕事をやらなきゃ

ああ、あれはどうなっているんだろう

あれはうまくいってるかな

あんなこと、言わなきゃ良かった

変に思われてないかな

嫌われてないかな

怒らしてないかな

などなど、僕たちは頭の中でネガティブな言葉を喋っています。

なんと、頭の中で喋っている台詞の90%は、ネガティブなものだそうなのです。

それもそのはず、僕らの「思考」は、命の危機を脱するため、あるいは社会に適応するために作られたサバイバル・適応のプログラムなのです。

だから、重箱の隅をつつくように問題を探して、そこにエネルギーを投下し、ネチネチとしつこく考え、ネガティブな台詞を頭の中でしゃべり続けるのです。(それが、お仕事だったりします)

このネガティブ思考がストレスを作り出します。

この一連の動きを脳の様子で見てみましょう。

脳細胞の「思考」の部分が発火します。次に「思考」が次につながる先が「感情」の脳細胞です。

脳細胞の「感情」部分に電気信号が送られ、「感情」が呼び起こされます。

すると次に「大脳辺縁系」という脳幹にある「感情中枢」に信号が送られます。

そして「大脳辺縁系」から、身体の細胞に向かって「感情伝達物質(ホルモン)」が送られます。

これがアドレナリンとかノルアドレナリンとか呼ばれるもので、身体に直接影響を与えます。

これが身体に噴射されると、いちばん影響を受けるのが「自律神経」です。

「自律神経」は呼吸や循環器(心臓)、体温調整などを自動的にやってくれている全自動バランスシステムです。

これが、感情伝達物質を受けると、変化してしまいます。

わかりやすい例をあげましょう。

原始人の僕らのご先祖さまが、森に狩りに出かけました。

機嫌良く木の実を拾っていたら、いきなり目の前に大きなライオンが現れました。

ライオンはこっちを見て、いまにも飛びかかってきそうです。

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さあ、どうする!!!!

このときに発動するのが「自律神経の『交感神経』」です。つまり、緊張するのです。目の前に自分を襲ってくるライオンがいたら、リラックスなんて出来ないですからね。

「逃げるか、戦うか!!!」

『交感神経』が発動するとき、かなりのストレス状態になります。

心臓がドキドキします。これは逃げるか戦うかのとき、筋肉に血液を潤沢に運んで、酸素を供給するためです。

手足が冷たくなります。これは逃げるにしても戦うにしても、怪我をする可能性が高まります。そして、怪我をするのは手足の末端になることが多いので、血液を身体の中心に集めて出血多量にならないようにするのです。

瞳孔が開き、視野が広がります。これは視野を広げることで、たくさんの情報を集めるため。

消化が悪くなります。これは、いのちの危機にさらされているとき、悠長に食べ物を消化しているヒマははなく、その分の血液とエネルギーを逃げるか戦うかに回すのです。

そして、意識が集中して、覚醒します。

こうして、僕たちのご先祖さまは「逃げるか・戦うか」して、いのちの危機を乗り越えてきたのです。

いまの僕たちは「いのちの危険」を感じることは、あまりありません。

まあ、僕は肺癌ステージ4宣告でいのちの危険をバリバリ感じて追い詰められましたが(笑)。

とにかく、普段はあまりいのちの危険を感じることは少ないです。

しかし、このストレス反応、ストレスを感じたときに身体に起こる反応は、しっかりとインプットされています。

この身体の反応プログラムは、何万年もかかって作られたサバイバルのための基本プログラムなので、ここ数十年の安全な現代社会で書き換わるほど表層的ではないのです。

つまり、不安や恐れを感じたとき、僕たちは目の前に「ライオンが現れた! 虎が現れた! オオカミに囲まれた!」と反応するのです。

そして…

心臓バクバク、手足が冷えて冷え性になり、消化が悪くなって、目が冴えて寝られない…

そんな身体になってしまうのです。

ですから、不安や恐れを強く、しょっちゅう感じていると、常にライオンと対峙してるような身体の反応をしてしまうのです。

これは、疲れますよね。

いつも目の前に牙をむいたライオンがいるんですから。

『交感神経』の反対側、リラックス側は『副交感神経』です。

リラックスして、身体を緩めて、休む。

『緊張』と『弛緩』。

昼間は『緊張』、夜は『弛緩」。

このふたつのバランスが崩れると、病気になってしまうのです。

つまり、現代社会におけるストレス、『緊張』を創り出す『ネガティブな思考』こそが『病気のもと』と言えると思います。

では、この『交感神経』優位の生活をずっと続けていったら、どんな事が起こる可能性があるのか、というようなお話しを次回しますね。

まあ、僕なんかそれでガンになったんですが(笑)



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