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我楽多だらけの製哲書

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日常の出来事と哲学を掛け合わせた考察をつれづれなるままに綴っています。先哲の思想は、昔のことだし抽象的で近寄りがたいと思っている人がいるかもしれませんが、実は、現代においても日常…
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2021年11月の記事一覧

★我楽多だらけの製哲書(26)★~キツネにつままれタヌキに化かされたような商品とヒューム~

関東と関西の違いとして、エスカレーターのどちらを空けておくかであったり、マクドナルドの略称であったり、うどんやそばのスープの色であったり、雑煮の餅の形であったりと、そんな事例は枚挙に暇がない。しかし、これらの事例はそれぞれの異なる点があるということで理解することが可能である。 しかし関西出身の知り合いと話をしていて、一番かみ合わなかったと感じたのは、「うどん/そば問題」であった。 私は北海道出身であるが、関東に長く住んでいるので、一応、関東文化圏の常識が自分の常識になって

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★我楽多だらけの製哲書(25)★~時間に追われる日々の活動とアウグスティヌス~

私が「授業者」として板書ノートを作り、黒板でそれを「表現」していることについては先日も触れた。この板書ノートに書かれた内容を単に黒板に示すだけならば、速度においても正確性においても、AIを活用した方が良いのではないかと時折思うことがあるが、もし授業というものが単なる情報の伝達活動ではないとすれば、そこに授業者としての人間の存在意義が見出せるのではないかと最近考えるようになっている。その際のキーワードが「表現」ではないだろうか。授業は決して「情報の伝達」に留まるものではなく、違

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★我楽多だらけの製哲書(24)★~「世界最小の国」から届いた手紙とシャルル=ルイ・ド・スゴンダ~

今日、荷物を整理していると1通のエアメールに目が留まった。 それは「世界最小の国」から以前に送られてきた手紙であった。 世界最小の国と言われると、大抵の人は「バチカン市国」を思い浮かべるだろう。 また国連加盟国として世界最小の国を考えるならば「モナコ公国」である。 しかし、私の元に届いた手紙はどちらの国のものでもなかった。 だが、その手紙の送付元の国は「世界最小の国」を自称しているのである。 その国の名は「シーランド公国(Principality of Sealand)」で

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★我楽多だらけの製哲書(23)★~ラオスの国内状況と藤田東湖~

2年前の3月末、私はラオスに降り立った。それから一カ月も経たない4月中頃、私は「ラオスの洗礼」を受けた。そのときの感想を、当時勤めていたビエンチャン日本語補習授業校の学級通信で、次のように綴っていた。 ★★★ 「そうは言っても、仲間内だったり、知り合いだったり、またはイベント会場でのことだろう。」 私はラオスのお正月である『ピーマイ・ラオ』で、「水をかけられる」ということを非常に甘く捉えていました。聞いたり調べたりした情報だけで、私は分かったつもりになっていたのです。 お正

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★我楽多だらけの製哲書(22)★~夜な夜な開かれる奴らの集会と夏目漱石~

日本に戻って来て1年以上経つ。 シンガポールのときも、ラオスのときも、夜の散歩が日々のルーティンになっていたが、日本に戻って来てからもできるだけ続けるようにしている。 散歩は気分転換であったり、軽い運動であったりと、それ自体に価値はある(これを価値Aとする)。そして副産物として、授業展開のイメージやアイディアを膨らませたり、考察的投稿の構想を練ったりという「脳内の活性化の機会」という付加価値も生み出していた(これを価値Bとする)。 さらに異なる付加価値、もしかしたらこちら

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★我楽多だらけの製哲書(21)★~靴ヒモが運んできた季節の変わり目のメッセージとユング~

「あ…シューズのヒモが…、まさか仲間の身に何かが…」 「またヒモが…、今度は誰が犠牲者…」 私が小さいころによく読んだマンガの中のセリフである。 マンガの中で主要なキャラクターの一人が履いている靴のヒモは時折切れることがあり、それは仲間に良からぬことが起こったことを伝えるものとして描写されている。 確かに靴ヒモは、結びがゆるくてほどけることはあっても、なかなか切れることはない。それにも関わらず切れるというのは、何か得体の知れない力が働いているのではと思ってしまうのも分かる

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★我楽多だらけの製哲書(20)★~レシートに刻まれた嬉しい数字とアレクサンドル・デュマ~

先日、コンビニで買い物をしたらちょうど1000円だった。 単純に嬉しい。 消費税が導入されてからかなり時間は経つが、一個100円などのように商品の価格が切りの良い数字ではないため、何個くらい商品を買えばいくらになるかは、頭の中で計算する必要がある。ただ、支出を厳密に管理していないので、普段は計算などせずにレジに向かう。一の位の数字について切りが良いくらいでも、お釣りに一円玉が発生しないので嬉しいのだが、1000円は何となくピタリ賞の気分である。 商品価格や税率が変わらない

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★我楽多だらけの製哲書(19)★~情報の示し方や情報の受け取り方に潜む落とし穴とパース~

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★我楽多だらけの製哲書(18)★~冬支度に向かう「いきもの」たちとマッカーサー~

10月後半くらいから季節が一気に秋から冬という感じになった。 夜の散歩中に出会う「いきもの」が少なくなったことも、穏やかな空気に包まれた賑やかな季節から、寒さに耐え忍ぶ季節になったことを容易に想像させてくれる。 野良猫を見かけなくなった。 現在でも今まで通り野良猫が集まっている場所はあるものの、廃墟のような場所であったり、寂れた公園であったりと、それほど人が関わっていない場所にいたはずの野良猫たちの姿が見えなくなった。単に拠点を変えただけだろうか。それとも寒さによって体調を

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★我楽多だらけの製哲書(17)★~トリチにまつわる私の誤解とウィトゲンシュタイン~

マクドナルドには「トリチ」というメニューがある。 先日、マクドナルドに行って「白ダブチ」というメニューを頼んだときに気づいた。ダブチは「ダブルチーズバーガー」の略で、トリチは「トリプルチーズバーガー」の略なんだと。 それまで私は勝手に、何となく響きから鶏肉とチーズのバーガーだと思っていた。確かにマクドナルドのメニューにはフィレオフィッシュもあるし、最近、唐揚げが盛り上がっているので、世の中の流れとして、鶏肉バーガーもあるんだなあと普通に受け入れていた。そうして、ファミチキみ

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