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★我楽多だらけの製哲書(21)★~靴ヒモが運んできた季節の変わり目のメッセージとユング~

「あ…シューズのヒモが…、まさか仲間の身に何かが…」
「またヒモが…、今度は誰が犠牲者…」

私が小さいころによく読んだマンガの中のセリフである。
マンガの中で主要なキャラクターの一人が履いている靴のヒモは時折切れることがあり、それは仲間に良からぬことが起こったことを伝えるものとして描写されている。

確かに靴ヒモは、結びがゆるくてほどけることはあっても、なかなか切れることはない。それにも関わらず切れるというのは、何か得体の知れない力が働いているのではと思ってしまうのも分かるような気がする。

そして昨日、ふと自分の靴を見てみると、ヒモを固定するもう一つのヒモのような部分が切れていた。マンガのようにヒモが途中からブツっと切れているわけではないものの、切れてしまっていたのは事実である。

そのとき、マンガのことが頭をよぎった。
「まさか何か良からぬことが…」
しかし私はスマホを基本的には携帯していて、電話やメールなどを受け取れる状態になっていたので、良からぬことが起こったならば、すぐに連絡がきても不思議ではない。だが連絡がないということから考えると、ヒモの問題は単なる耐久性に起因するものであって、不吉な出来事を暗示しているものではないはずだと自分に言い聞かせていた。

ヒモが切れていることに気づいたのは、いつも利用するサンマルクカフェで、気づいてからさらに3時間ほど滞在していたが、特に連絡はこなかった。

「私は、単に二つの事象が同時に生起することを意味するにすぎない『並時性』とは対照的に、ある同一或いは同様の意味を持っている二つ或いはそれ以上の因果的には関係のない事象の、時間における偶然の一致という特別な意味において、『共時性』という一般的概念を用いる。」
「共時性は『意味のある偶然の一致』、つまり『非因果的連関』である。その事例は、私にとっては一種のヌーメン性(神的な意志、神的な力、神的な支配など)を持っているように思われた。」

これはスイスの精神科医・心理学者カール・グスタフ・ユングの言葉である。彼は、通常の理解では関係のない出来事が、一種の神秘的な力で結び付けられて特別な意味を持つようになると考えたのである。彼はこれを『意味のある偶然の一致』または『非因果的連関』と呼んだ。この『意味のある偶然の一致』または『非因果的連関』こそ、まさにマンガの世界ならば、「靴ヒモが切れるというアクシデント」と「仲間に訪れる良からぬこと」との結びつきなのである。このような結びつきは「虫の知らせ」という慣用句としても知られるものといえる。

では私の場合、靴ヒモが切れたことは何を意味していたのだろうか。確かに何も連絡はなかった。ただの靴の耐久性なのだろうと、家に着いて胸をなで下したのも束の間、私は家の中の異変に気づいた。ただ異変というと、はっきりと分かる何かが起こっているように思えるが、私がこのとき経験した異変はその逆で、本来起こるはずのことが起こっていなかったのである。

本来ならば、家に戻ると下駄箱辺りに置いてある入れ物からブクブクと音が聞こえてくるはずなのである。しかし、このときはその音が聞こえない。

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(以下、考察は続く。ブクブクの様子も動画で紹介)

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