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『ファ~トンいきもの記』

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いろいろな「いきもの」の様子を紹介しています。『「ファー」ブル昆虫記』と『シ「ートン」動物記』を組み合わせたような「いきもの」紹介です。日本・シンガポール・ラオス・インド・ネパー…
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2021年10月の記事一覧

『ファートンいきもの記』【15】

今日の「いきもの」は≪リハーSARU≫である。 奴らはネパールの首都カトマンズにある寺院のスワヤンブーナートを拠点に活動している。あまりに奴らの数が多いので、寺院の正式名称よりも「Monkey Temple」として知られている。奴らは武道の中でも柔道に思い入れが強く、いつも乱取りをしている。おそらく柔道の試合本番に向けて、イメージを固めるために、稽古を繰り返しているのだろう。とにかく至るところで乱取りが行われており、柔道大国日本の地位がネパールの奴らに脅かされる日もそう遠くは

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『ファートンいきもの記』【14】

今日の「いきもの」は≪雪舟≫である。 マレーシアの第2の都市ジョホールの動物園で生活している奴は、国際自然保護連合(IUCN)の評価で「絶滅危惧種(EN)」となっておりレッドリストに指定されているため、仲間は少なく、奴はとても「さび」しそうだった。そして奴は派手に生きることを好まず、「質素」を旨とした「わび」を重んじてのんびりと生活している。また大きな身体だが、水の中に入ると素早く動くことができるというギャップも持っている。 奴の「とくしゅ(特殊能力)」は「水バク画」である

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『ファートンいきもの記』【13】

今日の「いきもの」は≪バイオhungerド≫である。 シンガポールのオープンカフェでくつろいでいると、壮絶なシーンを見かけることがあった。このシーンを作り出している奴らは、最初は数匹が様子見として少し離れたところからターゲットを探しているのである。そして、ターゲットになりそうなものを発見すると、すぐさま仲間を呼び寄せ、ターゲットに近づくチャンスを見つけるやいなや、満たされることなき永遠の空腹を満たすために、ターゲットに襲い掛かり「貪り食う」のである。凶暴なときは、席を離れてガ

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『ファートンいきもの記』【12】

今日の「いきもの」は≪Mistoffelees(ミストフェリーズ)≫である。 闇の中で鋭い目と首元の白毛が怪しく輝いている。奴はミュージカル『CATS』では、仲間たちから「魔術師ミスター・ミストフェリーズ」と呼ばれ、一目置かれる存在である。ミュージカルでは、天井からロープで降りながら登場するとそのロープを一瞬にして消したり、手から稲妻を飛ばしたり、床に大きな布を広げ行方不明になっていた長老をその中に呼び寄せたりと、仲間たちをあっと驚かせる技を次々に披露している。さらに奴は不思

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『ファートンいきもの記』【11】

今日の「いきもの」は≪ヤスmoooo≫である。 インドの山奥で奴とその仲間と遭遇した。奴らは思い思いに道端で休憩をしていた。ここは山奥なので、奴らが気まぐれに所々で休憩したとしても、そこまで影響は出ないが、これが都市部になると深刻な問題となってしまうのである。 奴の「とくしゅ(特殊能力)」は「マイペース」である。 インドでは、奴と関わりを持つナンディン(ナンディ)と呼ばれる牡牛(雄牛)が、ヒンドゥー教の神の中でも人気があるシヴァの乗り物とされているため、神聖な生き物として大

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『ファートンいきもの記』【10】

今日の「いきもの」は≪タバコニsnail≫である。 ラオスに住む奴はとてもマナーを重んじている。もともとタバコが苦手であるが、喫煙者の一部がマナーを守らないこともあり、奴はタバコに良い印象を持っていない。そのためタバコを見ると、口を尖らせて(角を尖らせて?)、機嫌が悪くなってしまうのである。 奴の「とくしゅ(特殊能力)」は「マナー・ストライキ」である。 マナーに対する意識の高さから、歩きタバコやポイ捨てに遭遇したならば、奴はそれを許すことができなくなる。しかしそのような正義

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『ファートンいきもの記』【9】

今日の「いきもの」は≪GOA-Toスカイ≫である。 奴は、私がボランティアキャンプでステイさせていただいたネパールの山奥の村で生活していた。毎日仲間たちと楽しく暮らしている。奴は仲間の中でも一番年下のため、自由に動き回っても、周りから諫められることはなく温かく見守ってもらえている。奴を含めた彼らにとっては、ネパールの山奥における何気ない日常なのだろうが、その温かいやりとりは、普段喧騒とした都市社会で過ごしている私には、心が洗われる光景として映っていた。ネパールが「神々が住む国

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『ファートンいきもの記』【8】

今日の「いきもの」は≪アリキサンダー≫である。 奴らは紀元前334年にマケドニアを出発し東方遠征を開始した。奴らの団結力は他の軍隊とは比べ物にならないほど凄まじいものがあり、各地で勝利し、東へ東へと進んでいった。マケドニアのペラから、サルディス、ティルスなどを経て、エジプトのメンフィスを陥落させた後は、切り替えしてダマスクスを陥れ、紀元前331年末には早くもバビロンに到達したのであった。そこからさらに東方へ進軍し、アケメネス朝ペルシアの両首都とされたスサに続いてペルセポリスに

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『ファートンいきもの記』【7】

今日の「いきもの」は≪ウミネ航平≫である。 オーストラリアの西海岸の港町フリーマントルに奴はいた。奴に遭遇したのは2013年頃だったので、リオデジャネイロオリンピックに向けてトレーニングしていたのだろう。海岸に設置された平均台(?)を使って、黙々と自分の技を確認する姿は夕日と相まって、一つの芸術品のように見えた。体操選手は、本番一発の演技で最高のパフォーマンスを発揮するために、何度も何度も自分の技を確認する。それは繰り返し鍛え上げられたことによって、戦う道具としての「武の価値

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『ファートンいきもの記』【6】

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