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「デジタル看護入門」第3回 〜デジタル活用支援員って?〜

 現在、カラダの健康管理に関するウエアラブルやスマホのアプリなどの普及が進んでいます。アップルウォッチなどが代表的なものですね。スマートフォンのアプリでも万歩計のような機能があったり、体重計と連動して、日々の体重の変化が記録できたり、どんどん便利になってきています。そのような医療系ICTが、本当の意味で必要だろうと思われる対象は、高齢者や障害を持つ方々かとは思いますが、実際の活用には様々なサポートが必要です。日々の生活で、もっとも身近なICT機器のひとつであるスマートフォンなどがスムーズに活用できれば、ウエアラブルやスマホのアプリのような健康管理サービスによるQOLの向上にもつながっていくのではないでしょうか。

 国が「デジタル活用支援員」という位置づけの、高齢者や障害を持つ方々に対しスマートフォンを始めとしたICT 機器の使い方を教える仕組みのひとつを具体的に検討していることはご存知でしょうか。「デジタル活用支援員」の候補者としては、すでに地域で高齢者に対してパソコン教室などを実施している人や、ICT に一定以上の知識を有するICT 機器メーカーや家電量販店の従業員の方々が候補として挙がっているようです。そしてデジタル活用支援員は、高齢者や障害を持つ方々にとって身近な存在であることが望ましいだろうともされています。

 ここでピンときた方もいらっしゃると思いますが、高齢者や障害を持つ方々にとって身近な存在として、私たち、看護職は絶対に欠かせない存在ですよね。つまり、看護師さんが患者さんに対して、必要なお薬や栄養の指導や説明を行うと同じように、今後、ICT関連の指導や説明も看護師が行う時代が来ることを示唆しているのかもしれません。もちろん、そういったICT関連の専門的な職種が誕生して、具体的な指導や説明などは任せることはできるかと思いますが、薬剤師や栄養士が存在しても、お薬や栄養の指導や説明を看護師も行っていると同じように、看護師にもある程度の役割分担は生じるのではないでしょうか。

 これからの看護師養成のための教育内容の見直し内容のひとつに「情報通信技術(ICT)を活用するための基礎的能力やコミュニケーション能力の強化」という項目があります。これは、看護師さんのICTの知識や技術を向上させることが一番の目的ではなく、もしかしたら、看護師さんを通じて、本当にICTが必要としている人たちへのフォローアップを進めていきたいという、国も思惑があるのかもしれません。

フライトナースや離島の保健師の経験を還元できるようなバーチャルリアリティ環境の構築およびコンテンツ作成が主な研究分野です。研究のための寄付を募っております。研究の成果はこのnoteで公表していく予定です。どうぞよろしくお願いいたします。