記事タイトル_

「社長になってくれない?入社半年で事業部長になったボク」キャリアに悩むあたなたへ。転職7社、やりたいことをやって幸せになるためにボクがしてきたこと(25)

壮絶な退職、3ヶ月の無職期間を経たボクは、いろんな人の助言をもとに、長年やってきた大好きなサービス業から足を洗い、ビジネスの世界に戻ってきます。

無知だったITの世界へ

クラウド型サービスが少しずつ増えてきていたその頃、ITで業務効率化を、と言われることも多くなってきていました。そんな中、働き過ぎで体を壊したボクは、アナログだった前職の業界で、少しでも効率が良くなるようにと、ExcelやAccessソフトを駆使して、業務フロー改善を推し進めていましたが、それが専属の仕事でもない中、なかなか一人の力でどうにかなるものではありませんでした。アドバイスをいただいたエージェントさんから、ITの営業職を勧められていたこともあり、当時騒ぎ始められていて働き方改革を、ITの力で何かできたら良いな、と漠然と考えていました。

当時の考え方にドンピシャな、例えばサイボウズさんなどには、ボクはたどり着くことができませんでした。なぜなら、ボクはITの世界地図がよくわかっていなかったからでした。手あたり次第、「IT」という文字が躍る求人広告の面接を受けさせてもらい、たどり着いたのがIT系の法人に特化したWeb制作とWebマーケをやっている、20人くらいの小規模な会社でした。ちょうど営業1人目を募集していて、まもなく10年目になる会社を社長と一緒に盛り上げて欲しい、という募集でした。ボクがリクルート出身であることも買ってくれて、転職活動をする中で感じた営業部隊の兵隊の一人になるほどの新人でもないなという想いもあり、そして社長が面白そうという勢いで入社を決めました。

制作会社なので、あとから考えると「IT会社」と言うには少し異なってはいたのですが、ITの世界を何も知らないボクにとっては、勉強になることばかりで、出会うべくして出会うタイミングでした。

社長になってくれないか

社長と出会って1ヶ月くらい、入社してまだ数週間くらいのこと。ある日社長から「社長になってくれないか」と言われました。ボクが有能だったというよりは、いろんなことが社長や会社に重なっていて、そのタイミングだったから、というところです。

起業マインドがあったわけでもないので、社長になるなんてことは、それまでの人生で一度も考えたことがありませんでした。当時、社長からそんな風に言ってもらえたことで、経営者になるってどういうことだろうと、いろいろ考えられただけでも、すごくイイ経験をさせてもらったと思っているし、その後、「経営者になる」「独立する」といったことを自分事として考えるようにもなれました。これからの人生で、もし独立することがあったとしたら、ボクにとっては間違えなく、このときの話が大きな影響力を持つことになります。

それからは、いずれ(しかもそう遠くない将来)社長を引き継ぐつもりで、社長と会社の立て直しにあたるようになります。

事業作りと組織作り

会社のメンバーはディレクターやデザイナーといったクリエイターのみで、ボクが入社するまでは営業もいなく、経営を考える人は社長だけでした。前職のウェディングプランナーでも事業計画を自分で立てて数字を追いかける会場責任者もしていたので、ボクを社長に育て上げるつもりでいろいろ教えて可愛がってくれる社長と、今の事業や新しい事業を考えることは、とても楽しかったのです。

事業を考えると同時に、働き方や人事考課といった、内側を整えることもやらせてもらいました。儲けを考えることは得意でも、そこで働く人や環境、組織のことを考えることは苦手という経営者は、多い気がしています。そんな中、ボクはどちらかと言うと、事業の成長と組織のことを考える中で、今までの経験を活かして組織を考えることが、社長との二人三脚をする上でも楽しいと感じていました。フレックスタイム制度を作って運用したり、賃金制度を考えることは、頭を悩ましていた社長よりも、楽しく進めることが出来ました。組織を変えるときに生まれる社内の亀裂も、楽しいことではありませんが、それをいかに良くしていくか、ということはボクにとっては好きなことだったのです。

新たな事業部の立ち上げ

そうこうしているうちに、社長が事業を伸ばしたいと思っていたWebマーケティングを、事業化してスピードを上げていこうという話になり、入社半年で、事業部を立ち上げ、事業部長となり、新たに採用をしてチームも創ることになりました。ベンチャー規模ならではの、スピード感や柔軟さでした。

BtoCのWebマーケティングやブランディングは、今までの経験もあり、感覚的にわかる部分もあったのですが、BtoBとなるとなかなか難しい。勉強してみてわかってきたのは、ノウハウもそれほどない。だからこその事業化だったのですが、マーケティングのことや組織作りのことは、本を読んだりセミナーに参加したり人に会ったり、たくさん勉強をさせてもらいました。

こうして、チームメンバーも新しく増えて、新しい事業部が、少しずつ形になっていきます。様々なことを任されて順風満帆のようでしたが、実はボクは、壮絶な退職からの闇をまだ抱えていたのです。

かなやんレベル28→29
・事業計画を創るって楽しい
・組織を創ることはもっと楽しい


ここまで読んでいただきありがとうございました!