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「縮小。撤退。解散。ボクに足りなかったもの」キャリアに悩むあたなたへ。転職7社、やりたいことをやって幸せになるためにボクがしてきたこと(28)

いつも社長と飲みに行っていた居酒屋で、事業部撤退・会社の縮小を社長と決めたときは、ボクの力不足を痛感するほかに、なんの感情もありませんでした。

金谷と仕事したいが社長とは仕事したくない

社長と最終決断をすることになる数日前、溜まりに溜まった感情をチームメンバーの一人が社長にぶつけました。社長に対して感情のままに大声で噛みつける人をボクは後にも先にも初めて見たのですが、彼の言い分は人として正しく、社長がしていたことも経営者として正しく、その間にいた自分は、両者に対して、何も出来なかったんだなと思います。

ベンチャーらしいと思うのですが、入社1年足らずのボクは、既に取締役の肩書を社内外に発表されていました。でも実際のところ、ボクはまだまだ力不足だったわけです。

その頃メンバーに言われていたのは、「金谷さんの考えに共感して金谷さんと仕事がしたくて入ったのに、社長が口を出すことで上手くいくことも上手くいかない。金谷さんとは仕事はしたいが社長とは仕事をしたくない。」ボクは嬉しいどころか、とても心苦しかったです。何度も人が入れ替わり、危機にも面して、それでも会社を10年間続けてきたのは社長であって、ボクは入社してたったの1年。ボクが作った会社ならまだしも、人が作った器の中で、メンバーにそんなことを言わせてしまっていることに、自分の力不足に落胆を覚えました。

「もうこれ以上は無理だ」社長の弱音

経営者たるもの、リーダーたるもの、弱音を吐けないもの。小さな会社やチームであれば、自己開示することで参謀が力を貸してくれることもありましたが、ボクが色々な会社を見てきた限り、メンバーを何人も抱えているリーダーが弱音を吐き始めると、もう良いことはありませんでした。

社長も弱音を吐くことはありませんでした。社員にはワンマン社長だなんて言われていましたが、ボクからしてみれば、何度も裏切られたり火事場を乗り越えたり、たった一人で今まで頑張ってきた社長は、ただただ尊敬していたし、なんとか社長の力になりたいと思っていました。

チームが出来る前から、社長と練りに練りながら進めてきたプロジェクトでしたが、チームメンバーが直接感情をぶつけてきたことで、ついに社長が心折れてしまいました。

いつもの居酒屋で、「もうこれ以上は無理だ。やめるにはどうしたら良い?」と社長に言われ、そこからは、事務的に終わりに向けていくしか、ボクに出来ることはありませんでした。チームを解散して、会社としても事業を縮小する準備を進めていきました。

やっと落ち着いたときにボクが考えたこと

クライアントとの調整、メンバーに最低限できること、1ヶ月はあっという間でした。全ての整理がつき、ようやく自分のこれからのことを考えられる時間ができました。社長からは、その後も右腕として一緒に続けて欲しいと言われていて、ボクもそのつもりでいました。もう一つ姉妹会社があって、その会社をさらに拡大しようとしていたからです。

落ち着いた上でボクが考えたこと。「それでも好きだった社長とはこれからも一緒にやりたい」「姉妹会社のサービスにはどうしても興味を持てない」「今までもチームでやることにこだわっていた自分にとって、同じようなやり方でまたチームを作っても上手くはいかない、自分のチームではなく、社長のチームを作って支えていくべきだとは思うけれど、それは果たして自分のやりたいことなのか」

そう考えると、いつもの転職と違い、他に何かやりたいことを見つけたわけではなかったものの、そして社長とは一緒にやりたいという気持ちはあるものの、そのまま続ける気にもなれなかったのです。

かなやんレベル31→34
・事業あってのチーム
・誰も守れなかった無力感


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