大阪と香港の、それぞれの一日。
2002年11月。
親友が骨髄移植をした日に、この写真を撮った。
彼が闘っているとき、私も何かにチャレンジしたいと思い、拙い英語で会話し、5組ほどポートレートを撮らせてもらった。
皆快く応じてくれ、帰国後、郵送した。
これらの写真を観ることなく、翌月、彼は逝ってしまった。
写真を初めて半年あまり。作品のひとつも彼に見せることが出来なかった。
「アイツはきっとうまくいく」
彼は周囲にそう言っていたと、その後聞いた。私は未だに応えられていない。
心優しくて、気配りの男だった。
うまくいくかどうか、わからないけど、ずっと続けてゆくことはできるだろう。それをひとつの「成功」と数えたい。
社員寮でふたり並んだ写真を、毎日眺めている。タイミングが合わなかったのか、彼は両眼を閉じている。
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