永遠の90年代。
年々音楽を聴かなくなってきたけど、ときたま懐かしい歌を聴きたくなる。
最近はSpotifyなど、便利なツールがあって助かる。
そして80年代や90年代の曲をよく聴いている。
先日は90年代ドラマ主題歌を聴いていた。
私の青春時代だ。
私が高校に入学したのが1990年。
1999年は社会人3年目。
仕事にも慣れてきた頃で、大阪の街を大いに楽しんでいた。
人生にはその頃に流行った曲はもちろん、その頃に傾聴していた曲が並走している。それらの曲を耳にすると、当時のことを思い出す。楽しい記憶も、苦い記憶も。タイムマシンである。このあたりは写真や料理に似ている。
音楽も記憶と深く結びついている。
90年代には邦楽を中心に様々な音楽に触れ、大学以降コンサートにも足繁く通った。音楽誌も随分読んだ。ミュージシャンの文章も随分読んだ。
FMステーション、週刊FM、月刊カドカワを特に愛読していた。
そして思うのだ。
90年代にデビューしたり、ヒット曲を連発したミュージシャンの多くが未だに第一線で活躍しているのは果たして偶然なのかと。
ミスチル、スピッツ、エレカシ、ドリカム、福山雅治、斉藤和義、B'z、GLAY、MISIAなどがすぐに浮かぶ。宇多田ヒカルのデビューも90年代末だ。
そして彼らの多くが1960年代の生まれであり、高度経済成長期とも重なっている。
90年代はCDがとてもよく売れた時代だ。
各アーティストの歴代最高売上は90年代に集中しているだろう。
今のようにインターネットが普及したり、活用されていない時代。
テレビ、ラジオ、雑誌などが宣伝媒体となり、今のように個人の趣味、嗜好が細分化されていないこともあって、最大公約数的な売れ方だった思う。
何を聴いていいのかわからない人は、とりあえず流行りの音楽を聴いていたように思う。私の周りがそうだった。
一度火が点けば爆発的に売れたり、最初は注目されていなくても一部のファンが有線などで根強く支え、日の目を見て長く愛されるパターンも散見された。色々な売れ方があったと思う。
最近、80年代と併せて90年代の音楽も若い人に支持されていると聞く。
親が聴いていて影響された若者も多いだろう。
今はYouTubeなどの媒体でいくらでも昔の音楽を体験できるので、時代を超えて若い人の琴線に触れる曲が数多くあるのかもしれない。
私はいまの流行りの曲を全く知らないけど、たまに目にする音楽番組でも耳に残る曲は滅多にない。私が歳を取ったせいかもしれない。
しかし90年代の曲には色濃くあるものが、今の曲にはあまり感じられない印象がある。それは何なのか。何が影響しているのか。
ハングリー精神。豊かな制作費。牧歌的な時代背景。
若者がチャレンジできる豊かな時代背景。
時間をかけられるゆとり。
私なりに色々と考えてみる。
表現は時代の鏡でもあるので、今の表現もきっと今の時代を反映した素晴らしいものがあるのだろう。
確かに90年代は日本経済もまだまだ元気なところがあり、活気があった。激しくて、無茶苦茶なところもあった。そういう意味では行き着くところまで行ったのかもしれない。
90年代の曲を聴くと今でも心が踊る。
単なるノスタルジーなのだろうか。
それともエターナルな何かがあるのだろうか。
いつも不思議に思うのである。
「熱さ」
とても熱に帯びた時代だったと、私個人は記憶している。
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