宮沢りえのほうれい線が好きだ。
宮沢りえ。
りえちゃんのほうれい線が好きだ。
美しい。
10年くらい経つだろうか。
宮沢りえのほうれい線が目立ってきた。
そして美しいと思った。
人生いろいろ。紆余曲折。
ほうれい線や眉間のシワに人生が刻まれてくる。
宮沢りえは私のひと学年上の世代。
後藤久美子と共にデビューの頃から知っている。
最も長く同時代を生きてきたスターかもしれない。
彼女たちと同学年のイチローも大スターだが、
彼が登場した頃にはすでに彼女たちは大スターだった。
宮沢りえのほうれい線。
真っ先に浮かぶのは、写真家の操上和美さんが撮った彼女のポートレート。
モノクロフィルムで撮った写真。
暗室で気の遠くなるほどのプロセスを経た、美しくて強い写真。
ほうれい線がとても美しいのだ。
今の時代はデジタル全盛。
静止画(写真)だけでなく、ドラマ、CM、映画と、様々な動画に修正が入っている。誰なのか判別が難しいものさえある。
おそらく私の母親などはその写真や動画を何の疑問も持たずに日々観ていて、いつまでも若々しく美しいなどと思っているのだろう。
先日久しぶりに朝の生放送番組で宮沢りえを観たとき、そんな修正は生放送では入らないから、そのさらに美しく育っているほうれい線に惚れ惚れしていた。舞台に注力しているそうで、その充実ぶりもその美しさに多分に影響しているのだろう。
数年前、お洒落な書店で宮沢りえに遭遇したことがある。
夜の書店。
彼女はまだ独身だったが、傍らには素敵な男性が共に歩き、とても幸せそうだった。二人の仲は半ば公然で、変装もせず、とてもナチュナルだった。そして素敵な光景だった。
私の手元には宮沢りえの写真集がある。
Santa Fe。
篠山紀信撮影。
私が高校生の時に出版され、凄まじく売れた写真集。
何年か前、古書店で買った。250円だった。
そしてその写真集を初めて開いた。
とても美しかった。
そしてその写真が撮られた後の彼女の歴史を私達は知っているので、そんなことにも想いを馳せながら観ていると、また違った観え方がしてくる。写真にはそういう性質がある。
今後も美しいシワやシミが彼女の顔に刻まれていくのだろう。
紆余曲折。波乱万丈。上等ではないか。
出会った人との濃密な時間が顔に顕れる。
男の背中や佇まい、顔にも多分に生き様が刻まれてゆくけど、女性のほうれい線もそうだと思う。シミも素敵だと私は思う。
小池栄子のほうれい線もキレイだ。
役所広司の目の下のたるみも素敵だ。
歳を取るほど魅力的になっていく大人を観ていると、とても勇気が湧いてくる。人生で起こる全てのことをエネルギーに変えている。逃げてはダメだ。静かに黙って向き合い、折り合いを付け、やり過ごすのだ。
イチローの白髪もいい感じだ。
素敵な大人の進化は止まらない。
もちろん自分もそうなりたいし、そんな人達との縁を重ねてゆきたい。
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