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私が考える、ポートレート撮影における個性を成す要素。

前回に続いて、ポートレート撮影における個性を成す要素を考えていきたいと思います。前回の記事は下記になります。「写ルンです」を使ってポートレート撮影のワークショップを行いました。


では、本題に入ります。
私が個性を成す要素として挙げるのは、

・使用するカメラ
・使用するレンズ
・被写体の選び方
・撮影者の身長
・背景の選び方
・光の選び方
・撮影する時間帯の選び方
・撮影する時の天気の選び方
・相手との距離
・構図の選び方
・シャッタースピードの選び方
・絞りの選び方
・フィルムの選び方
・印画紙の選び方
・引き伸ばし機(レンズを含む)の選び方
・プリントの色合い、濃度の選び方
・現像機の選び方(カラープリント時)
・プリント時における焼き込み等の暗室ワーク
・撮影者の人間性
・撮影者の声の性質

以上になりますが、まだ膨大にその要素はあるはずです。撮影時の撮影者と被写体の体調や気分も写真の出来に影響するでしょう。ちなみに私はフィルム撮影が多いので、フィルム使用時の要素としました。

上記の「選び方」は、「好み」や「傾向」、「くせ」などに置き換えてもいいでしょう。その場の状況を優先する場合も多々あります。

ちなみに私がよく使うカメラはNikon FM2とPENTAX67Ⅱです。レンズはいずれも標準レンズをよく使います。
私の身長は181センチで高い方なので、上記のカメラを普通に構えると、被写体をやや見下ろす感じになります。女性を撮影するときには尚更です。よって中腰や膝を折って撮影することがあります。

またカラーフィルムやカラー印画紙は長らく富士フィルムの製品を中心に使っていました。Kodakの黄色い印画紙の箱を持っているとクールですが、色々な印画紙を使った結果、富士フィルムの印画紙に落ち着きました。フィルム同様、日本のメーカーは日本人の肌を忠実に再現するよう開発されていると思ったからです。特に女性のしっとりした、透き通るような肌の美しさを。Kodakの印画紙は私には湿度が少し足りませんでした。テキサスの荒野のような乾いた感じがありました。

撮影者の人間性はとても大きな要素だと思っています。人間性とは何でしょう。抽象的なことばです。性格、容姿、表情、話し方、所作、立ち振舞などを観ていればその人がわかります。
そしてシャッターを押す指先に、撮影者の全人格、人生が乗っかります。これは多くの写真家が言っていることでもあります。

具体的には撮影者の
・育った環境、文化、社会
・知性、教養
・美の基準(美意識)
・記憶(体験)

などがシャッターを押す指先に乗っかります。もっと無限にあるでしょう。観る人が観れば、その写真家がどの程度の人間なのか、作品からすぐにわかるでしょう。残酷なものです。作品を他者に見せるのは、自分の人生を開陳するようなものです。底の浅さも見抜かれます。でも、怯む必要はありません。誰もが通る道です。開き直っていきましょう。

自分の人生が指先に乗ってしまう以上、日々、自分を磨いていくしかありません。撮影者が被写体を値踏みしているようで、実は撮影者自身が見透かされているのです。写真にはそれが如実に顕れます。誠実に臨まなくてはいけません。そして謙虚に。

そして声にはその人の人格、人生が顕れます。さらにその人の今の状況や自信の有無なども他者には伝わります。漏れ出てしまうのです。声色とかいいますしね。声の重要性は映画監督の濱口竜介さんもどこかで述べていました。

長くなってしまったので、続きは次回に譲ります。
撮影時に私が心掛けていることなどをご紹介します。引き続き、何卒宜しくお願いします。




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