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コロナ禍とヤマザキマリさん。

先日NHK「最後の講義」で漫画家のヤマザキマリさんの放送回を観ました。
「テルマエ・ロマエ」で有名な方です。
とても素晴らしい内容でした。
オーディエンスとして参加していた若い方々の表情も活き活きとしていて、
それは自分たちの話として切実に聴いていたことだと思います。画面を通してですが、私もそのひとりでした。

ヤマザキマリさんの著書はコロナ禍でよく読みました。
それこそ「テルマエ・ロマエ」の作者くらいにしか認識していなかったけど、1冊読めばもう1冊というふうに、数えれば7冊読んでいました。
とても共感するところが多々あり、自分ごとのようにも捉え、流行りの言葉で言うと「メンター」のようでもありました。

ヤマザキマリさんといえば安部公房ですね。
10代の頃、イタリア留学時代に安部公房の作品、「砂の女」に出会い、
たちまち傾倒したそうです。
私も安部公房の名前は知っていましたが、読んだことはありませんでした。
「砂の女」を図書館で借りてみましたが、まだ読了出来ていません。
安部公房の世界観は私には少し難解なところもあり、理解するには少し時間がかかりますが、再度チャレンジしたいと思います。

安部公房のことを調べてみると、晩年はいま私が住んでいる場所の近くに住んでいたということでした。
また写真作品も熱心に創っていて、作品集も図書館から借りてみました。
いずれまたゆっくり観てみたいと思います。

ヤマザキマリさんの来し方がとにかく興味深く、彼女の言葉や表現にはとても説得力を感じます。人間の本質や歴史を感じます。コロナ禍で何をきっかけに出会ったか、忘れてしまいましたが、この時期にじっくり読めて幸運でした。私の考え方や生き方にも影響があったと自覚しています。

コロナ禍のことは随分遠くに感じるようになってしまいましたが、振り返れば私自身、人生で初めてゆっくりした時間を持ったように感じます。
物質的に贅沢な時間を過ごしたわけではありませんが、近所を何気なく散歩するとか、家人とゆっくり時間を過ごすということがこれまでありませんでした。

個展を終え、ワークショップの講師をやったり身体のメンテナンスをしていた頃にコロナ禍に突入しました。毎日劇的に変わっていく日常のなか、ヤマザキマリさんの著作に出会いました。未来の行く末を照らしてくれる灯台、希望の灯火のようでした。

そんなことも思い出しながら「最後の講義」を観ていました。
私も「その時」を見据え、日々準備、格闘しながら過ごしてゆきたいと思います。

坂口恭平さんが言ったり書いたりされている内容と重なる部分も多々ありました。
コロナ禍の記録という意味でも柴崎友香さんの「続きと始まり」は秀逸だと思います。

コロナ禍が遠い記憶になりつつある頃、私はコロナに感染しました。
いままた流行っているそうです。
経済優先でインバウンド万歳なこの国ですので、今後もコロナと併存してゆくことでしょう。
みなさま、お気をつけて。





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