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韓国ソウル・ヒュンダイ自動車のギャラリーで韓国車を眺めた話

「韓国は自動車ガラパゴスで、走っているクルマの9割が韓国車だ」
海外旅行をすればどこの国でもちょくちょく見かける、日本では見慣れない丸いHマークの自動車たち。自国のホームマーケットを独占するヒュンダイ・キアグループ。彼らは今や世界5位の自動車グループだ。

ところが日本では殆ど見かけないクルマなので、一度実物をじっくり見たい…と思っていた。でも異国のディーラー店舗を訪れるのはハードルが高いし、他人のクルマをジロジロ見ていたら泥棒だと思われてしまう。

そんな折ソウルを訪れたとき、ヒュンダイ自動車のギャラリーがあると知った。その名も「ヒュンダイモータースタジオ」(日本で言う銀座の日産ギャラリー)これはぜひ訪れてみよう!ということで、今回はその記録を。(※本記事内容は、2019年8月の訪問時です)

アクセスと建物外観

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Google MAPで「hyundai motor studio seoul」で調べれば案内してもらえる。ソウル駅から30分くらい地下鉄に乗り、駅から徒歩10分程度。

写真の通り5階建てのギャラリーで、クルマは5階から3階。2階は図書館つきカフェ、1階はエントランス兼アートミュージアム。入口に入ると、まず受付のお姉さんが丁寧に説明してくれる(韓国語または片言の英語)

各フロアに1~3車種ほど置かれており、中に乗ったりなど自由にできる。20代後半の若い説明員の方も居られ、この方々がかなりフレンドリー。お話してみると、韓国のクルマ事情などがいろいろ聞けて楽しい。

まずはコンパクトSUV VENUE

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最初に目についたのがこのVENUEというコンパクトSUV。車両としては、海外専売になった日産のジュークと同じような雰囲気ですね。お値段は日本円で160万円くらいからだよ、とのこと。日本でもトヨタ・ライズ、日産・キックス、ホンダ・ヴェゼルなど流行っていますよね。

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結構力を入れているようで、複数カラーバリエーションが置かれていました。

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エンジンは1.6L。ヒュンダイは昔日本の三菱自動車が技術支援をしていたので、そのDNAが残っているようです。びっくりしたのは、内側のカバー類がちゃんとしていること。日本車でこの価格帯だと、カバー系を省略して鉄板むき出しのメーカーが結構多い(塗装されてないのが見えちゃったり…)

ちょっと大きいFFセダン ヒュンダイ・ソナタ

次は、ヒュンダイのソナタというDセグメントセダンを見てみよう~。トヨタのカムリや日産のティアナとかですね。

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さらっと見てみると、デザインの好き好きは別としても結構面白いデザインだし、日本車と変わらない雰囲気。

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さらっと乗り込んでみる。内装を見てみると「手に触れる範囲」「目につく部分」は革張り・しっかりしたボタン。手が触れない見えない部分などは割り切ったプラスチック無塗装部品…と、結構割り切りがよい。

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2リッターのセダンで、全長4.9m。北米での価格は220万円程度。ハイブリッドとかはないけれど、見た目の品質と最近の日本車の値段からすると「意外と手ごろだね」と感じると思う。

高級ブランドジェネシスG90

ちなみにヒュンダイには2つのブランドがある。トヨタとレクサスのような関係だ。
1.ジェネシス・ブランド(ラグジュアリ・ブランド)
2.ヒュンダイ・ブランド(マスマーケット・ブランド)

というわけで、次は高級ブランドジェネシスG90を見てみよう~。

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顔つきは割と日本車をちょっと派手にした感じ。最近のトヨタもこういうの多いですね。

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運転席に座ってみると、質感は高級車のそれ。最近のベンツとかによくある雰囲気は感じられる。

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ドアはこんな感じ。足元みたいな部分や結構プラスチックそのまま。でも手が触れる場所や目につく場所はしっかり革張り。ここら辺の割り切りが上手。

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反射しちゃってゴメンナサイ…V6 3.3~3.8L、V8 5.0L 北米価格で440万円程度~から。日本だとトヨタ・クラウンや日産・フーガが500万円以上するだろうか。

他にも写真を撮った車種はあるけれど、今回は割愛。

素材展示兼休憩スペースは、無料コーヒーサービスも

ちょっと休憩。各フロアの片隅に素材展示スペースがあり、コーヒーを無料でサービスしてくれる。ネスカフェのようなマシンで出してくれるのでかなり美味しい。(説明員さんが「コーヒー飲むかい?」と声かけてくれるので気楽。年が近かったので旅行の話など雑談していた。)

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色の展示見ていると、結構面白いですね。色名は割とシンプルです。

感想

日本で観られない自動車をじっくり見て話せて楽しかったです。ソウルは日本人にとって自動車ガラパゴス!国内より安く旅行できるので、キアのスタジオと合わせて自動車巡りしてみるのも楽しいかも。

総じて「手ごろで、しっかりしたクルマ」という印象。当然クルマは走らせてみないと評価できないけれど、ちゃんとした製品づくりの素地はあるように感じた。第三国から見れば手ごろな実用品として売れるだけの条件は備えているように思えた。逆にブランドとしては無個性(これは日本車にも言える)なので、各市場でどう売るかはマーケティングの見せ所かな。

「日本では受け入れられない」なんて、彼らにとってはどうでもいい。受け入れてもらえる土地で受け入れられるものを作り、売り、広める。そうして世界5位まで登っている。それがグローバル企業の姿なのだ。このあと私はソウルからベトナムへ渡航したが、どこの国でも見かける製品やブランドというのは、改めて凄いなぁと改めて思う。

一方、ハイブリッドなどの先進技術的な展示がないのは少々気になりました。今後環境規制(販売規制)に対応できるかが試練なのかもしれません。

おまけ スタジオ近くの日本車ディーラー外観

日本では展開されていない日産インフィニティディーラーが!(残念ながら2020年、日産は韓国からの撤退してしまったが・・)

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筆者はこのQ60(日産スカイラインクーペ)が欲しかったので、ちょっと見られて感動(笑)

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レクサスのディーラーも。結構ラフな雰囲気ですね。。。

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向かいには日産もあった。うーん?なんだか目立たない雰囲気…。(韓国はシェアの9割が韓国車で、残り1割をドイツ車やレクサスが奪い合う市場なので、日産やホンダのつけ入るスキがないのもあるが…)

頂いたご厚意は、今後の撮影・取材に活用させて頂きます。 どうぞよろしくお願いいたします。