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Tesla Model3、建国宣言

クルマを買うと馬鹿呼ばわりされる現代では、だがしかしTeslaを買うと一目置かれるらしい。何故だろうか?それはクルマそのものもそうだけど、自動車ビジネスそのものを新しくする勢いにあると思う。

少し前に試乗したときのことを思い出しながら、書いてみよう。

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まずはハードウェアの話をしよう。以前、Anycaで借りたModel3に乗ったことがある。ワイパー一つ動かすにもタブレットを操作を要する、まさにスマホに足が生えたようなクルマであった。

されどフルアクセルでドライブシャフトが破損しかねないほどの凄まじいパワーがあり、RR後輪駆動それはポルシェに近い怪物だ。決して自動車の楽しさを知らぬ投資ファンドのクルマではない。むしろもっと愚かな凶暴性を感じさせる。

その反面で、インテリアはスターバックスのソファにいる気分になれる。視界は広く、うるさい計器類は無い。今まで「快適性」と「凶暴性」の相容れたクルマはあまり例がない。この組み合わせが未来的なクルマだと感じさせる一因かもしれない。

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Teslaのカギはこのカードだ。BピラーにSuicaのように当てると解錠する。日本のスマートキーほどでは無いが、初めて見る驚きは間違いなくある。

勿論、まだ製造品質に関しては褒められたものではない。だがこれは積み重ねであり、トヨタやVWだけが有する先天的なものでは決してない。いずれは良くなるか、または代替スキームを見出すのだろう。

ハードウェアだけでも十分に面白いTeslaの真骨頂は「ビジネスモデル」にある。この一点に置いて彼らは類稀な投資をしている。

その一端が中途採用に現れている。日本企業の整備士待遇は年収3百万円程度だが、Teslaは日本国内で最大8百万円の待遇を提示して募集している(中途採用サイトより)。現在の販売台数から考えうる仕事量からすれば、これは破格待遇と言えるだろう。それでも利益が出る「新しい自動車ビジネスモデル」を作ろうとしている。もし彼らが単純な利益だけを求めるならば、人を安く使う方法はいくらでもある。だが彼らはそれをしない。

強いブランドで売り、関係国を潤わせ、従業員に適正な賃金を支払う。そんな当たり前のことを彼らは今やってのけている。この3点に置いてどこか後ろ暗い所がある会社は、彼らを笑うことはできない。新しい取り組みに意欲的な会社は、いずれ人を惹きつける。顧客も、従業員も。

これはTeslaの建国宣言なのだ。

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